まるでオリジナルかのようなリメイクしてみる、ふるぎの新しい楽しみ方【ふるぎ道第2回】

  • 2023.12.22

お気に入りの古着をより魅力的にするにはどうすればいいのか。古着好きならば、究極の一点物であるリメイクに興味を持つ人も多いのでは。そこで、三軒茶屋にあるヴィンテージ専門のリペアショップ「ヴィジティングオールド」の代表・岩城リョージさんにリメイクのコツを教えてもらうこちらの連載。第2回はキャップをリメイク!

岩城リョージ|古着専門のお直し屋「ヴィジティングオールド」のオーナー。古着への愛は人一倍、糸一本にまでこだわるリペアには定評あり

まるでオリジナルかのような素材選びと縫製がモットーなり。

プラのスナップバックはチープで良いのだけれど、耐久性が低いので紐で絞れるようにリメイク。少し長めにして先端にクリップをつければ、襟に留めることで風の強い日も安心。耳の素材もヴィンテージから取ることでまるでオリジナル!?

岩城さん 今回は下北沢にあるヒッコリーさんにご協力いただきました。藁谷さんありがとうございます!

藁谷さん こちらこそ。今回、岩城くんにお願いをしたキャップたちなんだけど、実は売れ残りだったんだよね。スナップが割れちゃってたりするとやっぱり売りづらくて、困ってたんだよね。

「ヒッコリー」オーナー・藁谷徳彦さん|下北沢の名古着店ヒッコリーのオーナーを務める藁谷さん。岩城さんが学生時代お店に通い詰めていたことで知り合い、今では仕事をするように。誌面に登場するのはかなりレア

岩城さん いやいや、そういうアイテムを救いたくて始めたので、本望です! ちなみに、出来栄えはどうでした?

藁谷さん すごく面白いね、パーツの生地にもこだわってて、リメイクなのにオリジナルみたいだね!

岩城さん 本当ですか、嬉しいなぁ! 藁谷さんがどんな反応かドキドキだったんです。

藁谷さん これなら店頭に並べても問題なさそうだね、お世辞抜きにこれは売れるよ。

岩城さん そう言ってもらえると嬉しいです!

藁谷さん こんな機会ないから話をするんだけど、実は岩城くんにリペアをお願いするようになってから、買い付けの幅が広がったんだよね。

岩城さん え、その話詳しく聞かせてください!

藁谷さん やっぱりね、いいなって思うアイテムがあっても、穴が空いてたり破けてたりすると、売れないよなぁって思って手が出ないんだけど、岩城くんみたいに古着をよく知ってくれているお直し屋さんがいるから、安心して買って帰れるんだよね。

岩城さん その話、リペアを生業とする僕にとっては最高の褒め言葉です!

耳の部分はベルクロで取り外し可能!

藁谷さん 今回のリメイクもそうだけど、小さいパーツにこだわっていたり、そういうところが古着を分かってるなって感じるな。実は、今日もいっぱいお願いするもの持ってきてるんだよね。

岩城さん いつもありがとうございます! 今日はいつも以上に張り切っちゃいますよ!

これを被ればハンター気分⁉

【今回リメイクするアイテム】

帽子のロゴや形、色など気に入っていてもスナップバックが割れているからやめておこう。なんていうのは良くある話。スナップバックの付け替えなら誰でもできるので諦めないでほしい。まずはやってみることが大切。

【リメイクのデザインソース】

今回の帽子、実は元ネタがある。上のコカコーラの帽子はオリジナルでスナップが紐になっている。キツすぎず、ゆるすぎない留め具が絶妙。下は耳のイメージ。冬に被りずらいメッシュキャップをオールシーズン対応に。

【リメイクのポイント】

まずは壊れてしまったスナップを外す。

その後、耳につける生地をカットしていく。肌に触れる部分と外に見える部分で用途にあった素材を選ぶのがポイント。

カットした耳の生地にパイピングを縫い付けるのだが、ここでのポイントは、パイピングの素材を半分に折ってしっかりとアイロンをかけること。

耳と帽子にベルクロを縫い付ける時は柔らかい面が肌に向くように。

最後にスナップの代わりの紐を縫い付ければ完成。

今回リメイクした帽子は形7つ。岩城さんのこだわりで、帽子の色や素材によって、追加でつけた耳や紐にもこだわっている。微々たるところではあるが、そのこだわりこそが岩城クオリティ。

(出典/「2nd 2024年1月号 Vol.201」)

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