トノーケースとは?
フランス語でトノーは、「樽」という意。独特なケースの形状から、この名がついた。70年代に受け入れられ、それまでの常識であった丸や四角の形状とは一線を画すデザイン性の高さが特徴。「カッティングを減らして生産性の向上を図ったんですよ。ベルトも自由度が増しています」と江口さん。
「そもそも樽型の形状は、1930年代ごろにカルティエやヴァシュロンなどの時計にも取り入れられていたデザインではあります。ただ、時計の定番デザインとして浸透したのは、時計デザイナーであるジェラルド・ジェンタが1962年に発明したトノーケースがきっかけ。
70年代には、どのブランドもこのデザインを採用していたぐらい流行したんです。同時期には、時計業界だけでなく、家電業界など、産業デザインが一気に変化した時代と言えます」
【おすすめ①】ロンジン|70年代的なデザインを堪能できる一本!
今回の3モデルのなかで、もっとも時代感が強く感じられる「ロンジン」。トノーケースのみならず、ブルー×シルバーの個性的な2トーンダイアルや、実用を越えてデザインに寄せた純正メタルブレスは非常にファッション性が高い。60年代以前の時計には見られなかった顔つきと言えるだろう。手巻き。17万8000円
【おすすめ②】オメガ コンステレーション|ゴールドボディでトノーケースが際立つ!
トノーケースは「オメガ」の名作[コンステレーション]においては、Cラインケースと呼ばれ、著名な時計デザイナーであるジェラルド・ジェンタが手がけた。トノーケースであると同時に、ゴールドのメッキが施されたキャップゴールドケースでもあり、ツイストの効いた優雅さが際立つ。27万8000円
【おすすめ③】オメガ コンステレーション|メタルブレスもレザーブレスもいけちゃう万能ケース
トノーケースの代表的モデル[コンステレーション]は比較的モダンな意匠ながら、クラシカルなダイアルにも馴染む。こちらはヘアライン加工を施したモザイクシルバーダイアルで、さりげない美しさを主張。メタルブレスにもレザーブレスにも合わせられる点が、トノーケースの懐の深さを物語る。18万8000円
【DATA】
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営業/11:00~19:00
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※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2024年1月号 Vol.201」)
Photo/Takahiro Katayama Text/Shuhei Takano