新たなトライと次なるステージ
先日とあるニュースが業界を賑わせた。ロンドンに次ぐ英国第二の都市バーミンガムに隣接するウォルソールで創業した「ベオーマ レザー カンパニー」とグリフィンインターナショナルが新たにパートナーシップを締結したとのアナウンスが届いたのだ。じつは本インタビューは2回に分けて行われた。当初の取材時、まだ調整段階にあったことから語られなかった新ブランドの詳細を、10月某日、改めて伺ってみた。
「ブランドの創業者であるアレックス・シンプソンは、WHCが2022年末に工場を閉鎖した際、そこで長い間働いていた25名以上の熟練工やスタッフを集めて新たに工場を設立。つまり『ベオーマ レザー カンパニー』は、今や世界で唯一WHCのDNAを継ぐブランドと言えるでしょう。
彼はまだ30代ながらもブランドのルーツや背景を誰よりも熟知し、何より皮革そのものに精通しています。また、今秋冬シーズンからは『オーエンバリー』という英国最古のシープスキンファクトリーが立ち上げたブランドとも、新たにパートナーシップを結んでいます。今後も可能な限り『バーバリアン』や『クロケット&ジョーンズ』といった、かねてからお付き合いのあるブランドに加え、それらのブランドも含め、よりビジネスを軌道に乗せたいと考えています。
もちろん、ケニアでのフィールドワークも続けていくつもりですが、あくまで私個人のライフワークであり、ビジネスとは切り離して考えています。とはいえ、来年以降も日本とケニアを行き来する日々が続くでしょうね」
本江MEMO
デビッドとの付き合いは20年以上になるものの、今回初めて歳を訊いてボクより3つも若いとは! さらに会社が儲かっても「高級車に乗ったりいい服着たりすることには一切興味がない」と。最近流行りのSDGs、サスティナブルに関しても「飛行機にも頻繁に乗るし、製品を作る過程では、そんなことばかり言ってられません」ときっぱり。
ネットでなんでも片付ける時代なのかもしれませんが、世界中を飛び回り良いものをキチンと伝える。こんな英国人を紹介できたことに感謝です。
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2024年1月号 Vol.201」)
Illustration/Adrian Hogan Text/Takehiro Hakusui
- 1
- 2
関連する記事
-
- 2024.11.22
松浦祐也の埋蔵金への道。第10回 夏季最上川遠征・没頭捜索編 その2。
-
- 2024.11.22
渋谷発 革ジャン青春物語。「あの頃の憧れはいつもVANSONだった。」
-
- 2024.11.22
なぜ英国トラッドにはブラウンスウェード靴なのか? 相性の良さを着こなしから紐解く。