1.「IKE BEHAR × clothier(アイクベーハー × クローチア)」のシャツ。
テーマはズバリ、ドレスシャツメーカー謹製のヴィンテージシャンブレー。1940年代のM-43シャツをベースに、旧式の編み機を使って当時の風合いが再現された。ディテールの作り込みも特筆で、アメリカ本国でも希少となったトリプルチェーンステッチを粗めの運針でより情緒的に演出。ワークウエアらしからぬ柔らかな襟も、独特の表情を生む。洗うほどに味わいが増し、着る人それぞれの経年良化を期待できる。3万3000円(クローチアTEL03-6455-0548)
2.「BARNSTORMER(バーンストーマー)」の紺ブレ。
アイビー好きたるもの、夏でも紺ブレは手放せない。とはいえ、暑苦しいのはナンセンスでノーセンス。通気性と速乾性に優れたサマーウール製の1着で、涼しい顔して着飾りたいものだ。適度にドレッシーなラペルの付いたダブル仕様、ウエストの上品なシェイプ、ひとつずつ表情の異なる白ヤシのボタンなど、クラシカルなデザインも魅力のこちら。こだわりが詰まっているからこそ、さらっと纏うだけで調子いい。7万1500円(ヘムトPR TEL03-6721-0882)
3.「Makers(メイカーズ)」のローファー。
バックルベルトが付くローファーは、ともするとキザに映る。素足で履くか、ソックスを挟むか。その違いで生じる絶妙なフィット感の差に寄り添い、確かに実用的なんだけど。そんな靴好きのジレンマを、今作はうまく解消。ポテッとしたトゥがキュートなボリュームを演出し、あくまでカジュアルな顔に。上質な銀付きスウェード、日本人に合ったオリジナルラストなど、変わらぬ職人気質にも感銘を受ける。7万7000円(メイカーズTEL03-3872-8288)
4.「F IS FOR FENDER(エフ・イズ・フォー・フェンダー)」のシャツ。
楽器ブランド〈フェンダー〉の、新たなアパレルラインが出色の出来だ。シャツにはトーマス・メイソンの生地を用い、ブルゾンとショーツのセットアップでは伝統的エンブロイダリーの意匠を踏襲。Tシャツのガンパッチ風デザインはギターを肩掛けする際の補強布であり、左利き用まで用意される徹底ぶり。お見事。シャツ3万9600円、Tシャツ1万4850円、ジャケット6万3800円、ショーツ3万5200円(すべてエフ イズ フォー フェンダーTEL0120-194-660)
5.「MAATEE & SONS × LOFTMAN(マーティー アンド サンズ × ロフトマン)」のシャツ。
コシのある太番手のリネン糸を用いたオーバーサイズシャツに、大判のウインドーペーンで品の良さをプラス。かといってリラックス感がまったく損なわれていないのは、トップボタンがないバンドカラーのおかげか。意図的なムラが楽しいオーバーダイの為せる業か。はたまた、断ち切りの裾が独特のリズムを生むからか。多分、全部正解。いいシャツは、夏をいっそう楽しくする。あらためてそう思わせてくれる。4万9500円(ロフトマンB.D. TEL075-212-3988)
6.「Hender Scheme(エンダースキーマ)」のモカシン。
シンプル、でもとことんグッドセンス。モダンなレザープロダクトで通を唸らせるブランドのモカシンに、またもヤラレてしまいそうだ。イタリア産のダブルフェイススウェードを使ったアッパーを、カラーリングでポップに味付け。一枚仕立てっぽい気楽さを楽しめる一方、カウンター芯を入れたヒールが高いホールド感を約束する。ボリューミーな天然クレープソールは返りが良く、インソールのカウショルダーで足裏のムレも解消。5色展開。3万9600円(スキマ 恵比寿TEL03-6447-7448)
7.「REGAL Shoe &Co.× J.PRESS & SON’S AOYAMA(リーガル シューアンド カンパニー×J.プレス & サンズ 青山)」のローファー。
白黒はっきりしたパンダカラーのローファーは、どう選ぶか、どう履くかでスタイルの巧拙まではっきりする。で、こんなコラボレーション。ゴールドのビットを備えたエレガントデザインでありながら、ビブラム社製のタンクソールが力強く下支え。悪路を物ともせず、着用シーンを選ばない。袋モカシン特有の、足先を包み込むような履き心地もポイント。つまりはいつだって頼りたい、デイリー仕様の相棒ってこと。4万6200円(J.プレス & サンズ 青山TEL03-6805-0315)
8.「BRITISH MADE(ブリティッシュメイド)」のシャツ。
上半分だけ見れば、オーソドックスなドレスシャツの佇まい。でも下半分に視線を移せば、印象は激変するはずだ。裾に共地のドローコードが付属する驚きのブルゾンタイプなのだから。タックアウト、タックインのそれぞれでバランス良く見えるようシルエットを調整し、TPOに応じた着こなしが可能に。色柄ごとに生地が異なり、右から順にテスタ社、アルビニ社、テッシトゥーラ モンティ社のシャツ地を使う本格派の変化球だ。各2万2000円(ブリティッシュメイド 銀座店TEL03-6263-9955)
9.「JACKET+X(ジャケットプラスエックス)」のジャケット。
着る、見るだけが服の楽しみにあらず。多様化の時代を代弁するかのような付加価値が、このジャケットには存在する。過去に制作されたカラフルなジャケットの残反を利用し、藍師・染師である渡邊健太氏が丁寧に染め抜く9着限定の完全受注アイテム。染めのデザインはリクエストが可能で、希望者は徳島の工房に赴いて自分の手で藍染めを体験できるのだ。なお、体験ツアーは現地集合で現地解散。宿泊費と移動費は自己負担。8万8000円(ブランデット東京miyamoto@miyamotospice.com)
10.「BRUSCHETTASHOES(ブルスケッタ シューズ)」のサンダル。
エンボスレザーで甲部分をすっぽり覆ったサンダルは、東京は世田谷に工房を構える靴のリペアショップ〈ブラス シュー co.〉のオリジナルブランドから。ソールからアッパーが剥がれることを防ぐ独自製法 「スリット ラピッド」を用い、メキシコの伝統靴「ワラチ」を現代的に解釈した。修理を専門とするショップが手掛けるだけに、ソールの張り替えなど繰り返しのリペアにもしっかり対応。気品ある革の変化とともに、着用者の成熟すら促す。5万600円(ブラスTEL03-6413-1290)
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
Photo/Norihito Suzuki Styling/Shogo Yoshimura Text/Naoki Masuyama
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