1.「TOWN TOPIC(タウントピック)」のジャックシャツ|長い年月をかけ蘇る、大人なヴィンテージ。
アメリカはカンザスシティで創業したタウントピック社、歴史は古く1900年代中期にはすでにシャツを生産していたとされる老舗のシャツブランド。数あるアーカイブの中から短めの丈、裾のリブが目を引くシャツを現代的にアップデート。
滑らかで、艶のある表面は綿と麻、テンセル混紡生地にフロスター加工を施したものを使用することで、ソフトな風合いを含んだ落ち感のある雰囲気に。サイドにはシームポケットが配置されることで、ブルゾンとしての機能をもちつつシャツ感覚で羽織れるよう計算されている。
色はチャコールの他にも、ブラックとオリーブの 色展開がされているので自身のスタイルに合わせて探すことができるのもポイントだ。襟に月腰と呼ばれる切り返しがあり、襟の折り返し部が首に綺麗に沿うような設計に。アーカイブにはない現代だからこそできる細やかなアップデートにより、大人が着やすいアイテムに仕上がった。2万5300円(ドリームワークス TEL03-6447-2470)
2.「TANNER BATES」(タンナー ベイツ)のサンティーニウォレットパース|変わらない丁寧な鞣しが生む、美しい艶。
タンナーベイツとは、動物の皮と樹皮のみでつくられるベジタブルタンレザーの技法に魅了された、ジョン・ハガー氏が英国のデボンにて立ち上げたブランドだ。ベジタブルタンレザーといっても使われる樹木は様々、その数だけ工場も存在している。
こちらの財布はフィレンツェにある家族経営の工場でつくられるイタリアンフルグレインレザーを使用している。ミモザと栗の樹皮を使用した門外不出の家族だけが知る技法でゆっくりと時間をかけ丁寧に鞣された革には熟成された香りと艶が生まれる。大きく開く2つのポケットはアクセスがしやすく、使用していくにつれて手に馴染み、表情を変えるレザーを楽しむことができる。
アイテムには製造を請け負った者の名前が書かれた1枚の紙が付属している。たった1枚だが、それだけで十分。機械での生産が進む時代に、つくり手の思いと、ハンドメイドによる温かみを感じる。2万900円(真下商事 TEL03-6412-7081)
3.「OLDMAN」(オールドマン)のサーフ|履けばわかるさ、本当のモカシン。
2022年で10周年を迎えたオールドマンは、神戸発の日本国内でも数少ないハンドメイドモカシンブランド。モカシンをつくるうえで工程上、手で縫うということは欠かすことはできない。正確なパターンを引き、正確なピッチでモカシン部分を手作業で縫いあげることでモカシン本来のしなやかさが生まれる。
それは簡単なことではなく、日本の職人の高度な技術がなせる業だ。素材はイタリア産のビロードのような肌目をしたスエードを使用、表面には撥水加工が施されている。また銀面にはレジン加工が施されており、より堅牢な仕様に。
デッキシューズのデザインにすることで、普段履きにマッチする万能なシューズに仕上がっている。裏地は通気性の良い豚革を、中敷きにはカップインソールを使用しているので長時間履いても疲れづらい。手間を惜しまず、製法から素材と細部までこだわった本当のモカシンの履き心地を体感していただきたい。3万6300円(チェストパス TEL078-955-8895)
4.「MAKERS」(メイカーズ)のブリンカー|革と車へのこだわりが詰まった、コラボ第三弾。
2009年にスタートした日本のレザーシューズブランド、メイカーズ。そのデザイナー手嶋氏がヴァーグウォッチと2年前から製作をしている時計の第三弾がこの「ブリンカー」だ。丸みを帯びた フォルムはヴァーグウォッチの「ヴァブル」をベースとしている。
「ヴァブル」とは、世界で初めて防水性能と自動巻きの両立したモデルをモチーフとした腕時計。文字盤はデザイナーの愛車のタコメーターをオマージュ、ドイツ国旗と同国のレーシングカラーをあしらったオリジナルデザイン。ベル トには、メイカーズのシューズで馴染みのある、イタリアの老舗タンナー、ルッソディカサンドリーノのカーフレザーを使用。
ここで鞣された革は軽くしなやか、カーフ本来の柔らかさもあり着用した際の馴染みも良い。飾りのホールもウイングチップを彷彿とさせる美しさ。自動車への造詣も深い、レザーシューズデザイナー手嶋氏による意匠が凝らされた一本に仕上がっている。4万9500円(ディアドルフ TEL03-3872-8288)
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2023年5月号 Vol.194」)
Photo/Yuco Nakamura
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