「バトナー」代表・奥山幸平さん|奥山メリヤスでニット作りの工程を10年経験したのち、他社で企画などを担当。再び、奥山メリヤスに戻り、国産ニットウエアのファクトリーブランド、バトナーを2013年に設立
高温多湿な気候に合わせドライな着心地を追求。
1951年創業の国産ニットファクトリー、奥山メリヤス。その伝統と技術を継承することを目的としたブランド、バトナーは、日本が世界に誇れる高品質なニットウエアを提案している。そんななか、今季は独自のシーアイランドコットンのウエアを糸から開発。新しいジャパニーズスタンダードを確立した。
「ブランド10周年を迎え、改めてニットの定番素材と向き合ってみようと思い、世界最高峰の綿として知られる〝シーアイランドコットン〟に注目しました」
そう話すのは、代表の奥山幸平さん。シーアイランドコットンの特徴でもあるヌメリを、シンカー編機で度詰めしながらも繊細に編み上げることで、さらりとした肌触りに仕上げることに成功。高温多湿の日本の気候に合わせた、今までにないドライな着心地のニットアイテムを生み出した。
「ファーストシーズンは、クルーネックやポロシャツなど6型のウエアを展開しました。シーアイランドコットンは油分があるため独自の光沢感が魅力ですが、私たちのウエアは汗をかいても肌離れがよくて快適。高級感のある質感はそのままに、日常着として愛用していただけると思います」
技術を継承しつつブラッシュアップさせていく。
今後は、世界に向けても発信していく予定だが、20年以上も国産ニットに携わってきた奥山さんが考える、ジャパンメイドならではの強みや魅力とは?
「現在流通しているニット製品の99%は輸入品ですが、国産のニット技術は世界的に見ても繊細で高水準なんです。しかも職人さんと蜜にコミュニケーションが取れるから細部までこだわれるし、クオリティもしっかりコントロールできます。そうした生産背景があるからこそ、世界に負けない高品質なニットウエアを作れると確信しています」
バトナーは、そうした技術を妥協しないスタンスで、次世代に伝えていくブランド。新たな職人の育成にも力を入れている。
「職人さんの高齢化は、ニット産業に限らず日本全体の問題。だからこそ技術の継承は重要な課題だけど、もちろんブラッシュアップさせていく部分も必要ですよね。そのあたりのバランスを上手く取りながら、国産ニットアイテムを、 より洗練させていきたいです」
【問い合わせ】
バトナー
TEL03-6434-7007
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2023年5月号 Vol.194」)
Photo/Ryota Yukitake(Model), Norihito Suzuki(Items) Hair&Make/Daisuke Yamada Text/Masatsugu Kuwabara
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