1.FILSON(フィルソン)のティンクロスゲームバッグ|「アウターリミッツ」海外事業&プレス シニアマネージャー・吉田聖さん
吉田さんは、フィルソンやナイジェル・ケーボンなどの実力派ブランドの運営や代理店を務めるアウターリミッツのキーマン。国内外を忙しく行き来する吉田さんにとって、このバッグ兼ベストは欠かせない存在だと断言する。
「ハンティングの際に着るオーバーベストとしてリリースされている定番モデル。フロントに2つポケットが付き、背面にゲームポケットと呼ばれる獲物を入れるための大きなポケットが付いているのが特徴です。シンプルですが、本当によく考えられたプロダクトで、僕の場合はデイリーユースと海外出張で主に活躍しています。
ティンクロスというヘビーな15オンスのオイルドキャンバスを使っているので、多少の雨でも問題なく、耐久性はピカイチ。ストラップの長さが調整できるので、アウターの季節でも快適に使えます。
あと大きいのが防犯性。海外ではスリが多いので、フラップ付きのポケットが貴重品を入れるのに最適なんです。5年経って、ようやくいい味になってきました(笑)」
愛用歴:5年
購入場所:フィルソントウキョウストア
購入時の価格:2万3100円
2.L.L.Bean(エル・エル・ビーン)のビーンブーツ|「ボンビュー」オーナー・大島拓身さん
高円寺にて古着ショップを経営する大島拓身さん。ビーンブーツとの出会いは前職であるビームス勤務の初期時代。防水性という機能に加え、ユニークなルックスに惹かれて購入を決意。
「雨の日の1足としても使いますが、やはりゴムとレザーを組みあわせつつ個性的にしてタフなルックスというのが気に入りのポイントです。自分の場合は装いの軸がドレス感覚なので、アウトドアやワークでの用途がメインではありません。カーディガンやウールパンツなど、キレイ目なアイテムとのギャップを楽しむためのハズし要素という観点。そのためにも道具としてキチンと耐えうる強いラギッド感が肝心です。
この一足はもう15年前に吉祥寺のL.L.ビーンショップにて購入した物。新品から育てているのですが、まだまだ壊れるどころか味出しも半ばくらい。ようやくレザー部分に僕が期待していたシワ感やエイジングが出てきたところです。これからどんどん表情が豊かになっていくと思うので、ソレが楽しみとなっています」
愛用歴:15年
購入場所:エル・エル・ビーン吉祥寺店
購入時の価格:2万円くらい
3.L.L.Bean(エル・エル・ビーン)のディープ ボトム デラックス ボート・アンド・トート エクストララージ|「ビームス プラス」バイヤー・金子 茂さん
ビームス プラスのバイヤーとしてアメカジを知り尽くす金子さんは、まさに道具としてフル活用したいというアイテムをセレクト。エル・エル・ビーンのボート・アンド・トートのなかでもデラックスと呼ばれる80年代に発売されたネイビー×レッドorグリーンのツートーンモデルは、レア度、人気ともにひと際高く、古着市場で人気を博す。
そんなデラックスの要素と、いまや定番となりつつあるビームス節のディープボトムを合わせた新作別注が道具的に活躍するという。
「1944年に史上初めてトートバッグを開発したエル・エル・ビーン。1965年に現在のスタイルのボート・アンド・トートが氷運搬用の道具として発売されました。このデラックスは一見すると華やかな意匠ですが、厚手のコットンキャンバス生地を使った仕切りのないスタイルはトートバッグの原型を保ってい ます。
特にこちらのXLサイズは今シーズンから初めて展開されるサイズで、ストレージバッグとしてもガシガシ使えるなと思っています」
愛用歴:1カ月
購入場所:ビームス プラス 原宿
購入時の価格:1万6500円
4.Mont-bell(モンベル)のキャンピングトートバッグ|ファッションディレクター・久世直輝さん
ファッションディレクターとして様々なブランドのディレクションに携わる久世さん。そんな氏が選ぶ道具服はモンベルの大容量トートバッグだ。
「何しろ使いやすさが追求されていて、理に適った作りになっています。スタイリングから撮影まで一手に引き受けることが多いので、仕事ではウエア類からカメラまで荷物が多くなりがちです。それらを一気に入れられて、しかも普段の足であるカーゴバイクにも載せられるバッグとして重宝しています。
あとは小さい子どもが二人いるので、家族みんなで遊びに行くときなんかにも使いやすく、もう手放せないですね」
愛用歴:2年
購入場所:モンベル直営店
購入時の価格:8800円
5.SEIKO(セイコー)の初代フィールドマスター|浪費家・岡本546
1982年から数年間のみ日米で発売されていたセイコーの初代フィールドマスター。NATOストラップの幅とさほど変わらない小振りなケースが上下に連結された、コンボ構造を特徴とするアイテムだ。しかも下部に関してはデタッチャブル仕様となり、デジタル、コンパス、マップメーターをそれぞれ装着できる。
オーナーである岡本さんは夏前に運良く、この個性派モデルを黒と緑の両色、しかも全パーツ揃った状態で揃えることができたという。
「より希少な緑をここ数年探し続けていたのですが、全然出てこず。たまに黒が出てきてもデジタルが壊れているか、パーツが欠けているかって感じでした。それが今年、まず黒の完品が出てきて、購入。その1週間後になんの因果か、緑まで出てきて、わずか2週間の間に黒緑両色の完品が揃いました。
ちな みにこのモデル、アメリカでは“コントラ”と呼ばれ、スパイウォッチとして CIAに採用されていたなんて逸話も囁かれていますが、実際のところどうなんでしょうね」
愛用歴:6カ月
購入場所:ヴィンテージウォッチショップ
購入時の価格:各20万円
6.F/CE.(エフシーイー)のサーキュレーションダウンベスト|「エフシーイー」デザイナー・山根敏史さん
自身が手がけるブランド、エフシーイーの今季の新作として登場するダウンベストに、山根さんは道具としての手応えを感じているという。
「いままではダウン系のアイテムはナンガとのコラボレーションアイテムがほとんどでしたが、このダウンジャケットはエフシーイーのシングルネーム。スタイルはもちろん実用性にもとことんこだわりました」
前後に無数のユーティリティポケットを備え、アウターの上からでも着用可能なオーバーサイズに仕上げられたダウンベスト。特殊構造となるエアサーキュレーションシステムを採用することで、ダウン内を熱が循環し、コールドスポットがなくなる仕組みを採用する。
また防水透湿性、耐久性、ストレッチ性に優れたオリジナル生地を採用することでアウトドアフィールドにも順応。シームレスに使える1着となっているのだ。
「コートやシェルの上からざっくり着られて、しかも収納力も抜群。防寒着でありながら、バッグ代わりにもなるので、毎日着ると思います」
愛用歴:1カ月
購入場所:エフシーイーフラッグシップストアトウキョウ
購入時の価格:6万6000円
7.Patagonia(パタゴニア)のブラックホールダッフル|「D.C.WHITE」石原協さん
アメリカントラッドを現代的に再解釈したコレクションを展開するD.C.ホワイト。そのディレクターを務める石原さんは、サンプルを持って国内外を忙しく走り回っているという。そんなハードな出張の時の相棒が、パタゴニアの名作 ブラックホールダッフルである。
「撥水機能を持たせるための表面のラミレートが、経年劣化とハードに使いすぎた影響でかなり剥げてしまいました(苦笑)。そ れでもバッグとしての耐久性はまったく問題なく、同じ時期に買ったトローリーの方がダメになってしまったくらい。パタゴニアは大好きなブランドのひとつで、卓越した機能美の中にもしっかりと遊び心があるのがツボですね。オレンジのファスナーを使うあたりが、なんともインポートくさい(笑)。
背負うことができるので重くても身体のフレー ムで持てますし、新幹線の荷台にも収納することができます。これがハードケースだとかさばってしまうケースも多いですから。こんな配色でも意外と格好を選ばないのもさすがです」
愛用歴:9年
購入場所:パタゴニア直営店
購入時の価格:2万円くらい
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2023年2月号 Vol.191」)
Photo/Satoshi Ohmura, Yuta Okuyama, Nanako Hidaka, Shunichiro Kai, Norihito Suzuki, Takuya Furusue, Akira Mori, Yoshika Amino Text/Okamoto 546, Shuhei Sato, Masatsugu Kuwabara, Tsuyoshi Hasegawa, Shinsuke Isomura, Kiyoto Kuniryo, Shuhei Takano, Kazuki Imanishi