英国派紳士たちのトラッドな装い。真似したくなるコーデ6選。

洒落者であればあるほど、歴史や伝統を重んじる。そんな彼らにとっては、メンズファッションのすべての源流である英国のアイテムやスタイルは、「不可欠」という言葉では足りないほどにベーシックだ。カジュアルからドレスまで、ジェントルマンたちのブリティッシュトラッドな精神をご覧あれ。

CONTENTS

1.「ボンビュー」オーナー・大島拓身さん|サイズや色、柄、素材の組み合わせでバランスよく仕上げた。

2020年、高円寺に自身のショップ「Bon vieux」をオープン。Youtubeチャンネル「拓身クロージングチャンネル」も好評配信中

カジュアルながら、どこか上品で大人のスタイルを見せてくれるボンヴューの大島さん。撮影日当日が曇り空であったため、ややくすんだ色のアイテムでコ ーディネイト。季節や気候はもちろん、その日の天気もコーディネイトに大きく左右するという。

「良質なカシミヤニットにナイロン素材のベストを着用する組み合わせの面白さは好きですね。ガンクラブチェックのパンツは、サイズを大きめにチョイスし、ウエストを詰めて、細すぎないシルエットのバランスをとりました」

さりげなくコーディネイトのポイントとなっている首元のレイヤード。ほどよい緩さもありジェントルマンな装いに。色や柄、素材の組み合わせの妙を楽しむのも面白み。

スラックスの裾はトラディショナルなダブル仕上げ。カジュアルに履けるクラークスのサイズ選びはドレスシューズ同様ジャストサイズで履くのが大島さんらしいセレクト。

ラベンハム

軽快かつ保温性のある便利であるため大島さんの最近トレンドだというベスト。ナイロンキルティングにトリムが施された英国ブランドとして長い歴史を誇るラベンハムらしいデザイン。私物

PT.トリノ

トラウザーズ専業ブランドらしい美しいシルエットが魅力。緩やかなテーパードが、足元からすっきりとした印象を演出してくれる。イタリアブランドながら英国由来の柄や素材がブリティッシュ。私物

クラークス

メイドインイングランドのデザートブーツは、長年愛用してきたお気に入りの1足。クラークスのシューズは、そのほかナタリーやワラビーなど、定番アイテムを複数所有しているらしい。私物

衣装クレジット/ベスト/ラベンハム、ニット /コルヘイス、シャツ/ボルゾネッラ、パンツ/ PT トリノ、シューズ/クラークス すべて私物

2.「ケネスフィールド」デザイナー・草野健一さん|英米トラッドアイテムを組み合わせ、ウインドウペンのネクタイで中立を表現。

アメトラスタイルを軸とするブランド、ケネスフィールドのデザイナー。ラジオアプリ・スタンドFMのチャンネル [KFラジオ] も人気

「このスーツはアメリカ由来のシルエットですが、肩パッドが入っていなかったりノーフォークジャケットのようなディテールを取り入れていたり、遊び心を効かせたデザインなんです。

イギリス由来のクレリックシャツもいま着用しているのはアメリカ製。ネクタイは米英でレジメンタルの向きが異なるのですが、両国の要素を取り入れているという意味も込めてウインドウペンの格子で両国のレジメンタルを表現しました。カッチリしているように見えますが、実はカジュアルなスタイルなんです」

ラペルの幅に合わせ、やや広めに広がるようにネクタイを結ぶ。クレリックシャツもブリティッシュスタイルを体現するうえでは欠かせないアイテムだ。

裾幅がやや広めなので、ジャストレングスではなくあえてハーフクッションさせる程度の長さに。ダブルの幅も裾幅や丈の長さに合わせ、4cmに調整。

ケネスフィールドのスーツ

「フォックスフランネルの生地を採用しています。形は80’sのアメリカのスー ツをベースにしたVゾーン深めの2ボタンで、ベントが深めに入ります。パンツ もややゆとりのあるストレートです」

ケネスフィールドのWフェイスタイ

「大剣・小剣ともに同じ幅で、Wフェイスなので両面使えるので、計4通りのパ ターンが作れます。ブランド立ち上げの頃から生地・柄を変えて展開する、ケネスフィールドの定番アイテムですね」

クロケット&ジョーンズのストレートチップ

「ビームスFが別注をした、カーフ素材のシンプルなストレートチップです。汎用性が高いデザインなので合わせるのには困りませんが、特にスーツを着る際の登場頻度が高いです」

衣装クレジット/ジャケット108900円、パンツ44000円、ネクタイ15400/ケネスフィールド (すべてエーシーケンフィールドTEL075-746-4535)、シャツ/ケネスフィールド、シューズ/クロケット&ジョーンズ ×ビームス F、メガネ/バートンペレイラ (すべて本人私物)

3.「トゥモローランド」プレス・川辺圭一郎さん|色柄を巧みに取り入れて私的、英国紳士の理想像を表現。

明日を担う若きプレス。新旧問わずユーロ系のアイテムに精通し、それらをコーディネイトに入れたドレスカジュアルスタイルが得意

「普段はあまりタイドアップまではしないのですが、英国紳士というテーマを聞いて僕の中ではやっぱりタイが欠かせないなってことで締めてきました」という川辺さん。そのコーディネートはカジュアルな中にドレッシーな要素が巧みに落とし込まれている。

着こなしの中核を担うのがフォックスツイード社の生地を使ったハリントンジャケット。このアイテムをメインに、色柄をポイントに落とし込むことで、しっかりと格式を保ったまま遊び心のあるスタイリングを演出する。「理想の英国紳士像をちょっとポップな色使いで表現しました」

英国由来のクレリックシャツをベースに、タイはカラークリップで立体感をプラス。さらにハイゲージニットで色柄を入れて込み、動きのあるスタイリングに進化。

スコットランドの舞踏用の伝統シューズはカントリーっぽい雰囲気で個性を主張。タッセルを外すとソックスが見えるので、着こなしに色味を入れたい時に重宝する。

クラシック × ランド オブトゥモロー

国内ブランドのザ クラシックに別注し、創業250年の英国フォックス社のツイードをオン。「バッジでアレンジしています」。128000(ランド オブ トゥモロー 丸の内店TEL03-3217-2855)

ジョンスメドレー

フロントに表現された幾何学模様が珍しい1着は、8年程前にインラインで展開 されていたものを購入したという。「配色が英国っぽく、スタイリングに表情を生み出したい時に重宝します」。私物

クロケットアンドジョーンズ

元々はスコットランド民謡で踊る時に履く、舞踏用の伝統シューズだという「ギリーシューズ」を足元にチョイス。「今日のように派手色のソックスと併用して履くことが多いですね」。私物

衣装クレジット/ジャケット128000/ クラシック × ランド オブ トゥモロー(ランド オブ トゥモロー丸の内店 TEL03-3217-2855)、タイ28600/ジュープ バイ ジャッキー(トゥモローランドTEL 0120-983-522)、パンツ/ベルナール ザンス、ニット/ジョンスメドレー、シャツ/サルバトーレピッコロ、シューズ/クロケット アンド ジョーンズ、メガネ/アルガ ワークス(すべて本人私物)

4.「アーチ東京」スタッフ・町田莉樹さん|英国由来のファブリックとディテールで「ブリトラ」を意識。

アーチの世界観、スタイルに惹かれ足繁く通い2021年に入社。アメリカ、ヨーロッパの良質なウエアを模索し続けている

チャコールのヘリンボーンツイルのセットを軸に男らしさと英国らしいジェントルマンな雰囲気を演出したブリトラスタイル。ファブリックやディテールで 英国を強く意識したそう。

「英国名門の生地メーカーであるフォックスブラザーズを使用したセットアップを主役に、ドライタッチなスコットランドワックスドコットンを使用したダスターコートで英国ファブリック縛りでコーディネイトしました。シャツはボタンダウンではなく、よりドレッシーなウィンザーカラーが今の気分」

オリーブのコートに合わせて首に巻いたストールは、上質なアルパカを使用することで知られるザイノウエブラザーズのもの。チーフとも色がリンクする。

ジャケットの内側にチラリと覗くサスペンダーはヴィンテージのもの。伝統のあるイギリス由来のアイテムにヴィンテージ小物でアクセントをつけている。

S.E.H ケリー

スコットランドステイワックスドコットンを採用した乗馬コートを彷彿させる気品溢れるダスターコート。ワックスドコットン特有のベタつきや香りはなくハリのある生地が特徴。206800

ケネスフィールド

英国名門のファブリックメーカー、フォックスブラザーズの肉厚なツイードを使用したセットアップ。シャツはもちろんセーターなどでレイヤードするも良し。ジャケット108900円、パンツ44000

インディビジュアライズドシャツ×アーチ

アメトラのシャツメーカーでありながら、襟型は英国由来のウィンザーカラーを採用したクレリックシャツ。堂々たる風格を演出するワイドスプレッドのカラーが印象的。38500

衣装クレジット/コート206800/S.E.H ケリー、ジャケット108900円、パンツ44000円、タイ私物/すべてケネスフィールド、シャツ38500/インディヴィジュアライズドシャツ×アーチ、シューズ私物/パラブーツ、グローブ2 4200/チェスタージェフェリーズ、ストール私物/ イノウエ ブラザーズ

5.「アイビー&ネイビー」オーナー・小野雅之さん|見えない部分で遊びながら、温かみのある素材で統一感を。

アイビーとネイビー(ミリタリー)を組み合わせたスタイルを提案する、本誌でもお馴染みの名物オーナー

見えない部分にも遊び心を取り入れ、ストーリー性のあるスタイリングが人気の小野さん。英国に由来を持つアイテムで堅め、温かみのある色・生地使いやサイズバランスの妙は、さすがのひと言。

「ジャケットはハンティングのディテールを取り入れるようハイペリオンに別注したもの。チラッとのぞくクレイジーパターンのカーディガンの下には、一気に英国らしさが色濃く出るクレリックシャツを合わせていますが、実はこのシャツもクレイジーパターン。多色使いのアイテムは好きなので、ちょっとした遊び心で着合わせています」

「両サイドのアジャスターベルト、背中の上部に付くストラップなどのハンティングジャケットのディテールに、テーラリングの要素が加えられています」

「シューレースはパラブーツに付属していたものに付け替えて履いています。ミドルカットで履きやすく、今日のようなスタイリングにはもってこいですね」

ハイペリオンのハンティングジャケット

「インディゴウール生地が使われています。ウールとはいえインディゴなので、 ラフに水洗いしていました」。スレーキがコットンなので縮率が異なり生地が突っ張るが、それも表情と捉えているそう。

エベレストのニットカーディガン

シェトランドニットの王様、エベレスト。「質の良いモノを取り扱いたいと思ったらこのブランドに落ち着きました。タイル柄は残った糸を使って編まれるので、いまでいうサスティナブルですよね」

チャーチのモンキーブーツ

10年程前の展示会で、サンプルとして端の方に並んでいました。チャーチでこのデザインは珍しく、気に入って履いています」。ミドルカットで履きやすく、こういったスタイリングで重宝するとか。

衣装クレジット/キャップ/Vintage、ジャケット/ハイペリオン、シャツ/スチアンコル、パンツ/ハバーサック、カーディガン/エベレスト、シューズ/チャーチ(すべて私物)

6.「ビームス」プレスチーフ・安武俊宏さん|カントリー×ドレスの英国的カジュアルスタイル。

ビームスのプレス部門を統括する安武さんは、カジュアル、ドレスを問わないファッショニスタでInstagramを中心にファン多数

ドレス部門のPRを長年手掛けてきた安武さんは、 業界有数のウェルドレッサーのひとり。ドレスアイテムを駆使しながらも、どこかカジュアルかつリラックスした雰囲気にしているのが好印象。

「自分にとって英国の魅力は、時代を超えて愛用できること。だから奇をてらったデザインよりは、ほどよくベーシックで個性のあるものに惹かれます。今日はグレンフェルのコートがメイン。これは10年以上前に買ったものですが、今でも色褪せない魅力があり、まさに英国の良さが詰まっています。これからもずっと愛用したいです」

インナーは英国ものとのバランスを考慮して、タータンチェックのラルフローレンのジャケットを合わせた。英国一辺倒ではないバランス感覚が洒落ている。

ドレッシーなサイドエラスティックシューズなので、ダブル仕上げのスラックスをチョイスしている。丈や裾幅のバランスも完璧なので参考にしたい。

グレンフェルのコート

アーカイブとして保管されていたフィールドコートをビームスの別注で復刻させたエクスクルーシブ。「10年以上前のもので、チャールズ皇太子も同型を着ている、知る人ぞ知る名品なんですよ」

ヒルトンクラシックのアイウエア

安武さんのキャラクターでもあるアイウエアは、70年代製。デッドストックの ものを購入し、濃度の薄いカラーレンズを装着した。「金張りのフレームとク ラシックなフォルムは色褪せません」

ヘンリーマックスウェルのシューズ

英国を代表するビスポークのシューズメーカーの既製品。10年以上前にビーム スで購入したそう。「憧れのシューズブランドがセールになっていたので即購入。スーツでもばっちりとキマります」

衣装クレジット/コート/グレンフェル、ジャケット/ラルフローレン、パンツ/ベルウィッチ、シューズ/ヘンリー・マックスウェル(すべて私物)

(出典/「2nd 20231月号 Vol.190」)

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2nd 編集部
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