セレクトショップはダブルのブレザーで “今ブレ(今季ブレイク)” を狙う!

ブレザーと聞くと、真っ先に思い浮かぶのはシングルブレストだが、どうやら今季は、例年に比べて「ダブルブレスト」のブレザーがアツいらしい。その証拠に、名だたるセレクトショップ4店舗が、同時にダブルブレザーをリリースしている。各ショップのこだわりを探った。

1.UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)|どこまでもラフに着られる懐が広いダブルブレスト。

肩パッドを入れた構築的なショルダーラインと長めの着丈設定、ウエストにかけた強めのシェープを特徴とするダブルブレストジャケット。共地でセットアップとなるパンツも展開される。5万9400円

ハイブランドから新進気鋭のブランドまで、国内外を問わない幅広いセレクトで、トレンドを発信するユナイテッドアローズ。

「クラシックで制服的なカッチリとしたイメージを持つダブルブレストだけに、いかにそのカタさを取ってあげるかが普段着る上でのポイントになると思います」と語る豊永さん。そのスタイリングは、肩肘張らないデニムスタイルをベースとした非常にカジュアルでありながら、高潔で洗練された雰囲気も兼ね揃える巧みなもの。

「英国産の原毛100%の張りとコシは非常にラグジュアリーです。ボタンも定番の金ボタンを使うことでオーセンティックなダブルのスタイルを踏襲しつつ、米英ではなくあえてフレンチ感覚を落とし込むことで、ロックTやダメージデニムなどにも合わせられる1着に仕上げています」

チーフバイヤー・豊永譲司さん|トラディショナルの代表格であるダブルブレストをデニムスタイルに合わせた豊永さんのスタイル。「60~70年代にかけて、アーティストやミュージシャンがパリ16区に集っていた時代の自由でシックなスタイルをイメージしました」

【問い合わせ】
ユナイテッドアローズ 原宿本店
TEL03-3479-8180

2.Southwick(サウスウィック)|純アメリカ生産にこだわった名門の復活。

シングルタイプの「ケンブリッジ」と共に並び立つダブルブレストのシグネチャーモデル「パクストン」。ウォーターバリー社のボタンを採用するなど細部までこだわりが詰まっている。12万1000円

創業50周年を目前に控える老舗「シップス」がリリースした新生サウスウィック。米服飾史に燦然と輝くブランド 「サウスウィック」を2020年にシップスが引き継ぐ上で、まず大事にしたのが「100%アメリカ製」であることだった。

ディレクターの篠原さんは「製品化するまでの2年間、じっくりと米国内での製造ルートを確立しながら、改めてブランドと向き合いました」という。そんな篠原さんが、ラインナップに欠かせないピースと断言するのが、「パクストン」だ。

「アメリカンウーレンカンパニーのホップサック生地を使った、オーセンティックな1着です。そもそもダブルのブレザーは海軍のリーファージャケットを起源としているので、マリン調のスタイルと相性がいいですね」

「サウスウィック」ディレクター・篠原 渉さん|羽織るように着るのがポイントという篠原さん。ホワイトのトップス、オフホワイトのピケパンツに茶のスウェード靴を合わせ、カジュアルなマリンルックを意識している。「ブレザーファッションの一番手。いろんな着方を楽しめます」

【問い合わせ】
シップス 銀座店
TEL03-3564-5547

3.BARNEYS NEW YORK(バーニーズ ニューヨーク)|超ドレッシーなブレザーをIVYルックでカジュアルに。

国内屈指のファクトリーとタッグを組んだ一着は、ハイエンドライン「マディソン ゴールド」からリリース。イタリアのゼニア社の生地を使うなど細部の作り込みも抜かりナシ。16万5000円

かつてニューヨークはマンハッタンに本店を構えた米国の高級百貨店チェーンの流れを組むバーニーズ ニューヨーク。セレクトはもちろんオリジナルウエアにも定評がある。

オックスフォード生地のボタンダウンシャツをタイドアップし、チノパンとオールデンを合わせる。お手本のようなIVYルックに、 今季の新作として会心の仕上がりを見せるダブルジャケットが引き立つコーディネートを披露。

「ダブルブレストらしいラグジュアリーなスタイルを追求した英国がテーマの一着なので、ドレスコーデには抜群の相性を見せます。一方でラペル幅が広くがっしりとした重厚かつクラシカルな作りゆえに、着崩したときのまとめ役としても使いやすいですね。今回のようなアメリカ的スタイルを筆頭に、Tシャツやカットソーにデニムパンツといったラフなスタイルにも取りいれやすいです」

バイヤー・松原悠人さん|ラグジュアリーな1着を、IVYルックスタイルでカジュアルダウン。BDシャツの襟ボタンを外したり、あえて大柄タイを合わせたりと、賑やかにアレンジされたVゾーンもポイント

【問い合わせ】
バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター
TEL0120-137-007

4.NANO universe(ナノ・ユニバース)|モダンでアメリカンな英国調ジャケット。

英国トラッドの源流となるウールモヘヤ混紡の1着。打ち合いを狭くし、全体的に高い位置で設定されたボタン、低いゴージライン、細いラペル幅などディテ ールをモダンにアレンジ。7万3700円

2022年の春夏シーズンよりオリジナルラインのレーベルを刷新し、あらたなカテゴライズのもとに新作を発表しているナノ・ユニバース。主にドレスアイテムなどを扱うレーベル「LB.01 ステイトメント」の今季のテーマはブリティッシュクラシックだ。

しかしながらただクラシックの定石にハマるのではなく、ディテールのバランスを大きく変更することで、モダンな仕上がりを見せる1着に。そして後藤さんはさらにセオリーから外れるコーディネートを提案する。

「英国テーマの1着ですが、個人的にアメトラが好きというのもあり、“クラシック好きな現代のアメリカの学生”を意識してコーディネートしました。太めのライトオンスデニムはオンタイムを意識。ニットインナーでクラシカルに塩梅よく仕上げました。自由度を楽しんで欲しいですね」

バイヤー・後藤 祐さん|襟付きシャツにタイドアップというセオリー通りの IVYルックではなく、ハイゲージニットをインナーに使い太めのデニムで合わせた現代的アレンジを加えたスタイルを意識。「カジュアルダウンして軽快さを出しました」

【問い合わせ】
ナノ・ユニバースカスタマーサービス
TEL0120-70-5088

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2022年12月号 Vol.189」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4人が集結! EDWINと考えるトラッド学

  • 2026.09.15

本誌でも何度も紹介してきたEDWINのコンセプトショップ限定アイテムは、普遍的なデザインとそのクオリティの高さから2ndが理想とするトラッドスタイルともばっちりハマる。今回は初の試みとして、2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4名で“EDWINで作るトラッド”を考えてみた。 20代らしくアクティ...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

Pick Up おすすめ記事

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...