趣味から副業、そして生業となった古着。元ビームス店員がたどり着いた新天地。

どの業界に身を置いていても誰もが人生において、いくつかのターニングポイントを経験する。ファッションに生きると決めた業界人が、新天地に辿り着いた経緯を窺った。

古着も新品も、国もテイストもすべてミックス。

大島拓身さん|ビームスにて、20 年以上ものキャリアを積み、2020 年、高円寺に自身のショップを開業。Youtube チャンネル「タクミクロージングチャンネル」も好評配信中

約四半世紀もの間、勤めたビームスを2022年に退社し、新天地として選んだのは、多くの古着店が軒を連ねる東京・高円寺。古着を主としたセレクトショップを営む「ボン ヴュー」のオーナー、大島さんの新たな人生の始まりだ。

「コロナ禍によって、会社が副業可となったことをきっかけに、初めはオンラインのみで、古着を販売し始めました。やはりショップの世界観を表現するため、実店舗の必要性を徐々に感じるようになり、2020年にようやくショップをオープンさせることができたんです」

長年、メンズドレスを担当し、古着とドレスのミックスが自身のスタイルだと話す大島さん。店内は、年代や国、スタイル問わず、どこか上品でトラディショナルなアイテムたちが目を惹く。

またオンラインショップを始めたと同時期にYotubeチャンネルも開設。自身のファッションや私物、ブランド解説の動画が好評だ。

「自分のスタイルに合うものだけを集めているため、基本的にクラシックなアイテムばかり。メインとなるのは古着ですが、年代やブランド名によって、価値が定まるアイテムではなく、作りや素材の良さ、プロダクトの歴史など、アイテム本来の良さに気付いてもらえるような商品構成を目指しています。そのため、古着では仕入れることのできないようなアイテムは、新品を仕入れトータルバランスで世界観を表現できるような店にしていきたいですね」

ホワイトバックスやデザートブーツ、モカシンローファーなど、カジュアルな見た目ながらも上品なスタイルを演出するレザーシューズたち。ジャケットスタイルにもコーディネイトしやすいデザイン
1840 年にフランスで創業したベレー帽ブランドのローレル。現在も
王室や世界各国軍に支給する由緒正しきブランド。古着に限らず、ト
ラディショナルなアイテムもセレクトされる
英国伝統のコートブランドで知られるグレンフェルのサファリジャケット。フロントにスクエアなマチ付き大型ポケットが4つ装備され、胴回りの内側にはドローコードが仕込まれる
大島さんが長年にわたり、愛用し続けてきたアイテムのひとつであるチマヨベスト。オルテガ、センチネラなど、ブランドに限らず、発色の良さや配色の良い物だけをセレクトしている
ブリティッシュアーミーのコンバットジャケット。英国軍を象徴するカモフラージュパターンが目を惹く。そのほか店内にはアメリカ軍、イタリア軍など、定番ミリタリーウエアも揃う
ショップの世界観を作り上げる上で欠かすことができないウエスタンブーツ。ドレススタイルとも相性が良く、飾りステッチをはじめ、細かなステッチワークが大きな魅力だ
趣のあるヴィンテージのラグは、今後もセレクトを強化していきたいアイテムのひとつ。古着をメインとしながらもドレスミックススタイルを好む大島さんの世界観が色濃く反映するセレクトは要注目だ

【年表】

1979
京都府で生まれる。10代半ばに兄の影響で古着へと興味を持つ

1997
高校卒業後、靴流通センターにてアルバイト勤務

1998
ビームス 梅田入社

2002
ビームスハウス丸の内へ異動

2006
ビームスFへ異動

2008
ビームスハウス 六本木へ異動。のちに数店舗勤務地を異動しながら、オフィス業務も兼務する

2012
オフィス勤務。おもにVMDを担当

2018
ビームスが副業可となったことでオンラインのみのショップ「Bon Vieux」を開業。同時にYouTubeチャンネル「拓身クロージングチャンネル」も開始

2020
古着の聖地・高円寺にて実店舗をオープン

2022
ビームス退社

【DATA】
Bon Vieux
東京都杉並区高円寺南3-37-1
電話番号非公開
営業/13:00 〜19:00
休み/水木金曜

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2022年8月号 Vol.185」)

この記事を書いた人
パピー高野
この記事を書いた人

パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

福島・郡山にある日本最大級のアメカジショップ「JOB314」はスケールが桁違い!

  • 2026.03.30

日本にアメカジショップは数あれど、ここまで大きなショップは見たことがない。それほどまでに大規模なショップがこちらのJOB314。大きな建物の中には、アメカジファンが泣いて喜ぶブランドがほとんど取り揃えてあり、一日中いても見切れないほど。近県のみならず、全国からファンが集まるアメカジの総本山なのだ。興...

【VAN×2nd別注】スポーティなレタードカーティガンでひと味違うアイビースタイルを。

  • 2026.02.03

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【VAN×2nd】トラックカーディガン[レタードワッペンセット] 日本にアイビーの礎を築いたブランド、「VAN(ヴァ...

ワークブーツでありながら軽量で快適。“道具としてのブーツ”を極めた「SURE BOOTS」の機能美

  • 2026.03.31

言わずもがなブーツは我々にとっての必需品だ。だからこそ、多様なブランドとプロダクツが存在することは既知のことと思う。しかし、“ワークブーツ”という道具に、ここまで実直に向き合った1足が今までにあっただろうか。その気取らない美しさを見よ。 どこまでも素朴で武骨 それでいて軽量で快適 日本有数の革靴産地...

横浜発アメカジブランド「HEATH」による、定番アメカジのマストアイテム5選はこれだ!

  • 2026.04.03

横浜を拠点に、定番からちょっとアレンジの効いたアメカジを提案するHEATH。人気ブランドのアイテムをセレクトするだけでなく、オリジナルのモノづくりにも注力しており、そのコストパフォーマンスの高さには定評がある。今回はその中から絶対に手に入れておきたいマストアイテム5選を紹介しよう。 【横濱デニム】デ...

開襟シャツに刺繍入りジャケット……老舗デニムブランドが提案する、春夏のアメカジスタイル。

  • 2026.04.01

老舗デニムブランドであるステュディオ・ダ・ルチザンが提案する、春夏のアメカジスタイル。定番ジーンズからHBTのワークセットアップ、開襟シャツや刺繍入りジャケットまで、軽やかな素材と遊び心あふれるディテールで、春夏の装いを彩る。 [5743]ボーリングシャツ 1950年代のヴィンテージ・ボーリングシャ...

Pick Up おすすめ記事

プロの現場から支持を得るモデルが今春アップデート! アシックスのワーキングシューズ「WINJOB CP314 BOA」の実力とは?

  • 2026.03.30

世界最古のモーターサイクルブランドとして知られるロイヤルエンフィールド。ミドルクラスで世界屈指のシェアを誇る同ブランドのメカニック、清水さんにアシックスのワーキングシューズ「WINJOB CP314 BOA」を体験してもらった。 [caption id="attachment_894934" ali...

福島・郡山にある日本最大級のアメカジショップ「JOB314」はスケールが桁違い!

  • 2026.03.30

日本にアメカジショップは数あれど、ここまで大きなショップは見たことがない。それほどまでに大規模なショップがこちらのJOB314。大きな建物の中には、アメカジファンが泣いて喜ぶブランドがほとんど取り揃えてあり、一日中いても見切れないほど。近県のみならず、全国からファンが集まるアメカジの総本山なのだ。興...

開襟シャツに刺繍入りジャケット……老舗デニムブランドが提案する、春夏のアメカジスタイル。

  • 2026.04.01

老舗デニムブランドであるステュディオ・ダ・ルチザンが提案する、春夏のアメカジスタイル。定番ジーンズからHBTのワークセットアップ、開襟シャツや刺繍入りジャケットまで、軽やかな素材と遊び心あふれるディテールで、春夏の装いを彩る。 [5743]ボーリングシャツ 1950年代のヴィンテージ・ボーリングシャ...

横浜・裏元町に店を構える、元毛皮店がつくる、「H LEATHER」のデイリーウエア。

  • 2026.04.01

2024年に横浜・裏元町に店を構えた『Hレザー』。元毛皮店として長年培った革への知見を背景に、軽く柔らかなシープレザーのウエアを展開。ショップにはレザージャケットやシャツなどの製品が並び、日常で楽しむレザーの魅力を伝えている。 レザーをもっと日常に育てる楽しさを伝えたい [caption id=""...

100本限定生産の「エイトG」大戦モデルは、春にぴったりの履き心地とメリハリのエイジング

  • 2026.04.02

無骨なまでに肉厚なデニムで知られるエイトG。その中でも比較的穿きやすく、この時期にぴったりの一本が、第二次世界大戦期のディテールを落とし込んだ大戦モデルだ。特濃インディゴで染め上げた糸ならではの、メリハリの効いたエイジングは、自分だけの一本になること間違いなしだ! ワイドシルエットが生む、クラシカル...