1.【豪徳寺】名物ディーラーが占うアメリカ古着の新たな世界観! Astrology Store(アストロロジーストア)
個人経営の惣菜店や整骨院が連なる長閑な豪徳寺エリア。長らく古着の卸しをしていたオーナーの與賀田(よがた)さんも、数年前に越して以来この雰囲気をすっかり気に入り、本物件に出会ったのが昨夏のこと。
「モノの背景や文脈に興味があって。価値の見出し方は人それぞれなので、自分が今面白いと感じるモノを直接伝えられる場が欲しいなと。まだ価値観が確立されていないアイテムにこそ惹かれます」。
比較的新しい年代のアウトドアや、ヴィンテージブームには乗っからないトラッド品が目につくのはそのためだ。でもそれがたまらなくワクワクする。
気になったアイテムを紹介!
パタゴニアのスタンドアップ・ショーツ ¥6,600~
生粋のパタ好きゆえ、常に店内のどこかには何かしらが置いてある。人気の[スタンドアップ・ショーツ]は、初期のレアモノまで選り取り見取り。
ヴィンテージワッペン各種 ¥300~
「アメリカに行ったときに、出物があったら条件反射で買ってしまう」。その中でもアウトドア、ワークモノには特に目がないため、多数取り揃えている。
ブルックス ブラザーズのB.D.シャツ ¥17,000~
80 ~ 90 年代に製造されていた高級ライン、メイカーズの希少なデッドストックがココではまだ入手可能。
【DATA】
東京都世田谷区豪徳寺1-54-2
電話番号非公開
営業/13:00 ~ 21:00
休み/不定休
2.【祐天寺】古着屋とは思えない仕掛けにワクワクが止まらない! Gabber(ガバー)
高円寺の古着店「メチャ」で働いていたコーギーさんが独立し、2022年2月5日にオープンした珍店。
古着店らしからぬ自動ドアの入口をくぐり抜けると、まず立ちはだかる巨木に驚く。落ち着く間もなく、両脇に敷き詰められた砂、宇宙人たちの視線……。さらに商品に値札はなく番号の書かれたテープがハンガーに貼ってあるだけ。なんと壁に貼られた料金表を見て価格を照らし合わせる必要があるようだ。
そんなお店の仕掛けに惑わされて見落としてしまいそうだが、意外にもベーシックな名品がしれっと置いてあったりする。コーギーさんの遊び心が詰まった唯一無二の店舗だ。
気になったアイテムを紹介!
リーバイスの501E ¥77,000
Jクルーのラガーシャツ ¥9,000
ディズニーのTシャツ ¥20,000
90 年代後半ごろにつくられたと思われるスパンコールのハンドメイドTシャツ。描かれているのはヴィランズ。「全員悪役とは思えないぐらいキレイです」
【DATA】
東京都目黒区祐天寺1-23-25 祐・HOUSE101
電話番号非公開
営業/16:00 ~ 23:00
休み/不定休
3.【青山】ハイブランド総本山の地でヴィンテージカルチャーを提案! Arms Clothing Store(アームズクロージングストア青山)
祐天寺や下北沢といった激戦区で確かな地位を築いてきたアームズが、青山学院大学のそばに新店舗をオープン。祐天寺は王道のアメカジ、下北沢はデザイナーモノに強く、青山はさしずめその中間といったところか。
店長の星野さん曰く、「今のところ30 代以上のお客様が多いでしょうか。まだ発展途上のこのエリアを選んだのは、祐天寺や下北沢のお客さんとは違う層にリーチしたかったから。そもそも古着店って、今まで注目されてなかったモノに価値を見出して知ってもらう業態。僭越な
がら、その文化がこの地でも浸透してくれると嬉しいですね」。
気になったアイテムを紹介!
シルクブルゾン ¥17,490
80 年代に数多く作られたシルクブルゾン。ツートーンの切り替えがこの
年代ならでは。ヴィンテージで探そうとすると意外と困る、夏のレイヤードアイテムとして提案。
エル・エル・ビーンのオーバーシャツ ¥11,990
アノラックパーカのようなカンガルーポケットを備えたプルオーバーシャツ。90 年代製。アウトドアメーカーが手掛けるタウンカジュアルのお手本のような一着だ。
CWU106P、108P ¥87,780
2004 年製の米軍ゴアテックスフライトウェアのデッドストック。ジャケットは珍しい脱着式のフードを採用している。丸みを帯びた衿型がキッチュ。
【DATA】
東京都渋谷区渋谷2-3-3 仙海1 階
TEL 03-6427-5708
営業/12:00 ~ 20:00
休み/不定休
4.【目黒】性別の垣根を超えたが魅力! REM(レム)
それぞれ高円寺と学芸大学の古着店に勤務していた同世代ふたりが2022 年2月4日にオープンした「レム」だが、残念ながら流行りのヴィンテージはここにはない。なぜなら、彼らは自分たちが実際に着て好きだと感じた服を買い付け、好きにそれらを組み合わせて提案しているわけであって、トレンドなんて気にしていないからだ。
そんな彼らの提案は、古着店としてはかなり新鮮。たとえば、メンズの店舗なのに店内の3 割は元々レディスのアイテム。彼らは「レディスのエレガンスをぜひ男性にも取り入れてほしい」と語る。もはや古着店としてカテゴライズしていいか迷うほどに、新鮮味とパワーを感じた。
気になったアイテムを紹介!
80sのスウェット
アフリカ系の学生団体の名である「Alpha Kappa Alpha」と記されたアメリカ生まれのスウェットだが、ヨーロッパもののような珍しい配色がモダンだ。
ヨーロッパのフィッシングベスト
欧州のメタルロック系バンドに属するミュージシャンが、自分でカスタムして着ていたと思われるベスト。あえてキレイめのシャツに合わせたい。
スモークオブロンドンのレインコート
サーキュラーのようなパターンで、風が吹いたときに膨らむシルエットが美しいレインコート。光沢感のある上品な生地で、本来はレディス。
【DATA】
東京都目黒区目黒本町4-3-10
電話番号非公開
営業/13:00 ~ 21:00
休み/不定休
5.アメカジと和のテイストがミックスした居心地のいい空間。tonari(トナリ)
アタッシュドプレスとしてリーバイス、ギャップやナナミカのマーケティングなどを経て独立した井上さんは、2022年6月10 日にアメリカものの古着をメインに取り扱う「トナリ」をオープンしたばかりだ。
20 代の頃住んでた祐天寺エリアにお店を出すべく物件を探し、見つけたこの場所。店名の由来は、“隣” に鳥居があることから。この店名や立地が、和食器や民藝などの雑貨が並ぶ店舗の雰囲気とよく馴染んでいる。
「隣に鳥居があることを前提に内装を考えました。昔から“アメカジ”と“和” の相性が好きなこともあって、かなり自分のなかでしっくりきましたね」
気になったアイテムを紹介!
エディバウアーのゴアテックスパーカ ¥14,800
エディ・バウアーなのにゴアテックス素材というギャップが魅力的な一着。生地が薄めなので気軽かつ快適に着られる。着丈はやや長めのコートライクなサイズ感。
リーバイスの3rd ¥15,800
80s製の3rdタイプ。「旧ければいい」という考え方ではなく、基本的にはあくまでファッション的なものを揃える。随所にリペアが施されており、グッドコンディション。
USエアフォースのショーツ ¥7,800
最近人気急上昇中の近代ミリタリーから、これからの季節にもぴったりなスイムショーツ。「リフレクターに目がないので、この類は大好きです」
【DATA】
東京都目黒区祐天寺2-8-1
電話番号非掲載
営業/14:00 ~ 21:00
休み/水曜
6.【吉祥寺】古民家を改装した雰囲気のある空間が広がる。iti Vintage & humor(イチ ヴィンテージ&ユーモア)
吉祥寺駅から井の頭公園へ向かうメインストリートから1 本入った場所にある注目店で4 月にオープンしたばかり。古民家を大胆に改装した店内は、1 階がメンズ、2 階がレディースとラグや陶器などの小物類をディスプレイしている。
アメリカに駐在しているバイヤーがメンズ、レディースともに買い付けしており、良質なアメリカンヴィンテージが並ぶ。品揃えは季節感をしっかりと反映しており、今の時期はTシャツが大豊作。
トレンドをガッチリと掴んだセレクトで、バンドTからアニマルモチーフまで網羅。その一方でリーバイスの501XXなどの王道も押さえているのだ。
気になったアイテムを紹介!
リーバイスの501E ¥76,780
王道のリーバイスもセレクトしている。エイジングが抜群の501 のビッグEはグッドサイズ。近年値上がりしているので、今のうちに押さえたい定番だ。
ラルフローレンのポロシャツ ¥19,580
ラルフローレンの品揃えはかなりのクオリティ。定番の鹿の子ポロは言わずもがな、これはレアなリネン素材のプルオーバー。それでいて人気のブラックである。
バナナリパブリックのTシャツ ¥17,380
プライスが高騰している80~90sのバナナリパブリック。ロゴTと並んで人気なのが動物モチーフ。ポケットTで、インパクトのあるバックプリントだ。
【DATA】
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-15-3
電話番号非掲載
営業/12:00 ~ 21:00、土日祝11:00 ~ 21:00
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2022年8月号 Vol.185」)
Photo/Yuta O kuyama, Yoshika A mino, S atoshi O hmura Text/Shinsuke I somura, S huhei S ato, S huhei Takano