大定番は、オックスフォードのB.D.シャツ。起源は19世紀まで遡る襟先のボタン留め。
アメリカンシャツの大定番であるボタンダウンシャツ。発祥元であるブルックス ブラザーズでは、【ポロカラーシャツ】と呼び、サックスーツの誕生よりも前の1896年に発案、120年近く作り続けられている。
Brooks Brothers/Polo Collar Shirt(ポロカラーシャツ)
誕生のきっかけは創業者の孫であるジョン・E・ブルックスが英国滞在中のとき。ポロ競技の観戦時に、選手着用のユニフォームの衿先がボタンで留められていることに三代目は気付いたという。風で衿があおられぬようにとの配慮から生まれた競技服に感銘を受け、早速そのユニフォームをアメリカに持ち帰り、スタンダードなシャツへとモディファイさせたのだった。
美しくロールを描く衿羽根の長さは、3.3/8インチ。職人技を感じさせる身頃脇の巻き伏せ縫い、それに袖とカフの間に丁寧にギャザーを入れた仕様など、当時のスペックは、ほぼいまもそのままでキープされている。
もちろん素材は伝統のコットンオックスフォード。しなやかな着心地を追求し、現在採用されているのはアメリカで生産されるスーピマコットン素材。そんな同社を代表するドレスラインのポロカラーシャツは、細かなアップデートを繰り返しながらアメリカ・ノースキャロライナの自社工場にて生産されている。
カジュアルシャツ、基本の5型。
ボタンダウンシャツ
アメリカントラッドの総本家であるブルックス ブラザーズによって発表されたのが最初。1920年代には米国でアイビーリーガーの必須アイテムに。
レギュラーカラーシャツ
シャツの襟型には多数の種類があるが、なかでも最もオーソドックスで汎用性が高いのがレギュラーカラーだ。襟の開きの角度は、75度から90度とされる。
プルオーバーシャツ
T シャツやスウェットと同じように頭からかぶって着るタイプのシャツ。前立てが身頃の途中までしかないのが特徴。よりカジュアルな表情になる。
開襟シャツ
襟が開いたデザインになっており、ハワイやキューバのように、常夏な土地で愛されてきた。ボーリングシャツのようにスポーツシーンで着られたものも。
スタンドカラーシャツ
首に沿って襟が立ち上がった状態でデザインされたシャツ。襟の高さは控えめ。基本的にノータイで着るものだが、それでも上品さを保てるのが利点。
知っておきたい各部名称。
カフの種類
ダブル
折り返しがあり2枚仕立てとなったカフをカフリンクスで留めるのが一般的。
シングル
オーソドックスなスタイルであり、ドレスからカジュアルまで用いられる1枚仕立てのカフ。
ボタンの各部名称
腕まわりの各部名称
裾のつくりの各部名称
ラウンド
[マンハッタンカット]や[テールドボトム]とも呼ばれる曲線的な裾。
ボックス
前後身頃の差がなく水平にカットされたもの。カジュアルシャツに用いられることが多い。
襟の種類の名称
レギュラー
シャツの基本型。時代によって多少の変化があるものの、襟羽開きは75~90度程度。
セミワイド
英国らしいスタイルであり、[イングリッシュスプレッドカラー]とも。ワイドよりやや襟羽が短い。
ワイド
ウインザー公が好んだことから別名[ウインザーカラー]。襟羽開きが100 ~140度前後が一般的。
ホリゾンタル
スプレッドが最も広く180度前後のスタイルを差し、水平に近い。[カッタウェイ]とも呼ばれる。
ウイング
タキシードなどフォーマルなシーンに欠かせない翼型のカラー。夜の正装に最も相応しいとされる。
ラウンド
襟先が丸くカットされたスタイル。犬の耳のかたちに似ていることから[ドッグイヤーズ]とも。
スタンド
その名の通り折り返しの襟羽がなく、首に沿って立ち上がったスタイル。シャツの原型ともいわれる。
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