amity_sensei
https://www.youtube.com/@amity_sensei8834
京都駅近くに引っ越して来た伝統校
amity_senseiの母校は、京都市立美術工芸高等学校。
京都芸大が京都駅近くに移転したことにともない、京都市立美術工芸高等学校も京都駅近くの新築の校舎に引っ越した。
amity_senseiの通っていた頃は、銅駝美術工芸高等学校という学校名で、京都の人には『銅駝(どうだ)』と呼ばれて親しまれていたのだが、銅駝は地名だったので、移転に伴って本来の名前である京都市立美術工芸高等学校に戻ったとのこと。
校章も新たにデザインされた。さすが美術の学校。美しい。
amity_senseiは、実は……
まずは、amity_senseiのこれまでの履歴のお話。
できればクリエイターとしての将来を切り開いていきたい学生さんにとっては興味津々。
実は、amity_sensei、高校時代は不登校で、出席日数がギリギリなぐらいあまり学校に行っていなかったらしい。優秀な生徒ではなかったようで、先生たちに会うのは少し気恥ずかしそうだった。
しかし、そこから一念発起。得意だった英語を活かしてイギリスの美術学校に留学。就職してからも、並行して始めたYouTubeで成功した話、京都に戻ってきて寺子屋を始めた話など、チャレンジにあふれたお話に生徒たちは強く引き込まれていた。
amity_senseiが「不登校で、成績もそんなに良くなかった」と言うことで、生徒たちも『自分たちにも可能性があるのかも!』と思えたようだ。
Adobe Frescoで『寿司を回す!?』
さて、ワークショップの方は、『iPadで大好きな寿司の絵を描いて動かしてみよう』というもの。使うアプリはAdobe Fresco。
美術工芸を軸に置いた学校だが、iPadは画材としてはあまり使わないとのことで、生徒のみなさんはFrescoは初体験の人が多いようだった。ちなみに、絵を描く人はibisPaint(アイビスペイント)を使う人が多いとのこと。やはり学生には無料アプリ強し……というところか。
とはいえ、そこはさすが京都市立美術工芸高等学校。初めてのアプリとはいえ、みんなとても上手い。
アッと言う間にリアルなお寿司が描き上がっていく。
amity_senseiも「みんな上手いね〜!」と感心。
続いて、クルクル動かす方法もレクチャー。
こういうのはコンピュータで描いた絵ならではの楽しみというか、表現手法だといえるだろう。
最後には生徒のみなさんの書いた絵を見ながら、amity_senseiの講評が行われた。
美術「を」から、美術「で」に
校長先生も「彼女が、こんなに成長している!」というのがとても嬉しそう。
同校の卒業生には、各界で活躍している人がいるし、堂本印象や、加山又造、草間彌生といった文化勲章受章者もたくさんいる。そうそうたる卒業生を輩出している学校ではある。
しかし、入学を検討する生徒や生徒の親からは「高校時代から、美術の方面に進んで食べていけるのか?」という疑問も濃く、さらに実際に一般大学を卒業し、一般企業に進学する生徒も多いらしく、となると一般教科をもっとしっかりやるべきなのではないか? というジレンマも大きかったらしい。
そこで、大きく方向転換。『美術「を」学ぶから、美術「で」学ぶ』をテーマに、美術工芸の技能を身に着けることを主眼にするのではなく、美術を通して、様々な学びに横断的に取り組むことに方向転換したらしい。
その教育は功を奏しており、入学希望者もどんどん増えているという。
iPadmate kids第4期生募集中!
多くの人にはYouTuberとして知られているamity_sensei先生だが、彼女も今、教育に取り組んでいる。
京町屋を使った小学生向けiPad専門クリエイティブスクール『iPadmate kids』は、iPadならではのデザインスキル、勉強ノートの書き方などを教えている寺子屋で、現在生徒数は180名を越えているという。
現在、次回の授業(4期生)の募集中。4期生は10月からコースが開始されるという。
iPadmate Kids
https://kids.ipadmate.jp/
生徒たちも希望を持ったと思う
というわけで、話はいろんな方向に飛んでしまったが、2019年のiPhoneの発表会で筆者がお会いしてからたった3年なのに、YouTuberとして大ヒットを飛ばし、iPadmateというコミュニティを盛り上げ、京都に引っ越し、iPadmate Kidsというスクールを成功させているamity_senseiの手腕には驚くばかり。そういえば、Apple丸の内で行ったamity_senseiのToday at Appleにはティム・クックが訪れるというサプライズもあった。
『iPadを使いこなせば誰でも自分のクリエイティビティを発揮できるし、その方法を教えてあげたい!』という首尾一貫したamity_senseiのパッションには非常に共感できるし、今回の生徒たちも、なかなか見えにくい『クリエイターとしての未来』に希望を見いだしたのではないかと思う。
京都市立美術工芸高等学校では、『iPadは画材としては扱っておらず、どちらかというと文房具』ということだったが、iPadで絵を描く生徒たちはとてもイキイキとしていた。
amity_senseiによるiPadクリティブの授業が正規の授業としてあったら、とても人気を呼ぶと思うのだが、いかがだろうか?
(村上タクタ)
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