ご存知のようにVAIOは分社化以来、企業としての足場を固めるために法人向けモデルに力を入れてきた。法人向けであれば、まとまった台数の受注が取れるし、今や数少なくなった日本製パソコンとして、顧客の要望を反映しやすいからだ。
とはいっても、一般コンシュマーからも『VAIO』を使いたいという声は強い。そのため、SXやSといったラインナップが用意されてきたが、もっと『リーズナブルなVAIO』が欲しいという声も強かった。また、法人向けとしても、従来よりも心地よく使えるPCが求められていた。
そこで、今回『今の時代の新定番』として、利用できるVAIOをゼロから考えて作ったというのが、このF14と F16だ。
VAIOストアでの最小構成価格は、3年延長サポート付きのF14が13万1800円、F16が13万6800円と、非常にがんばった価格となっている。発表は本日3月29日の13時で、受注開始、発売は6月(当初、4月とされていましたが、直前に事情により6月に延期された)。
『今』を見つめた、スタンダードパソコン
新しいVAIO F14、F16(個人向け名称。法人向けは VAIO Pro BK、Pro BM)に求められたのは、デザイン性の高さに加えて、
○必要十分な性能
○長持ちする品質・安心
○見やすい大画面
○写りの良いカメラ・聞き取りやすいマイク
これらを満たすことを目標にした製品が新たに開発された。
本機の登場で、ラインナップは以下のように変更された。ハイエンドのSXライン、アドバンストのSライン、そしてスタンダードの Fラインというわけだ。
オーソドックスだが必要十分な性能
こちらが、 VAIO F14。
第13世代のインテル Core Uシリーズプロセッサーを搭載、メモリーは8、16、32GB、ストレージはSSDで1TBとなっている。
ディスプレイは 14インチの16:9(1920×1080)、本体重量は約1.34kg。 JEITA測定によるバッテリー駆動時間は約16時間。マウスを使うユーザーが意外と多いということで、持ち運びやすいオリジナルデザインのワイヤレスマウスが付属する。
VAIO F16は大画面を持ち、その大きな天板を活かしてテンキー付属となる。基本的な内部構成は同じ。
ディスプレイは 16インチの16:10(1920×1200)、本体重量は約1.65kg。 JEITA測定によるバッテリー駆動時間は約16時間なのも同じ。ほぼ同じ構成で、解像度はさほど高くないが大画面が使えるというのは、筆者のような老眼世代にとってはありがたいかもしれない。
天板はアルミプレスパネルのヘアライン仕上げで高級感がある。ボトムケースは無塗装の再生材を使い、環境負荷を下げつつ、クオリティ感を担保している。
余裕のある内部構造。生産性も高そう
こちら F14の内部構造。ファンは1基でヒートパイプで チップセットと接続されている。ファンは Nidec製、バッテリーはTDK製と、日本メーカーの製品を使うことで高い品質を担保している。ご覧になってわかるように、それほど内部的な集積度合は高くなさそうに見える。
こちらは F16。実はバッテリーもF14と同じものを使っており、周囲のスペースが空いている。さまざまな部分のコストを実質的に下げることでリーズナブルな価格を実現しているということなのだろう。
USB- Aポートが右に2つ、左に1つ設けられているのも一般ユーザーの使い勝手を考えてのこと。 フタで広がる方式のEthernetポートも、 HDMIポートもmicro SDポートも、ヘッドフォン/マイクコンボジャック、セキュリティロックスロットも設けられている。
USB-Cポートは、パワーデリバリーによる給受電をサポートしており、DP Alt Modeで映像出力にも対応している。
ビデオ会議も快適に
今の時代を反映しているのは、ビデオ会議などを考えて、カメラ、オーディオなどの性能も高められていること。
カメラはディスプレイを開いた状態で、ユーザーがまっすぐに写るように約5度傾けてマウントされている。また、物理的なカメラシャッターも設けられており、安心。
マイクは 正面の話者の話のみをキャッチし、周囲にいる人の声を排除する AIノイズキャンセリング対応。さらに、相手の音声からも周囲の騒音を消して聞き取りやすくする機能も備えている。
ほどほどの性能で、安心できる信頼性のWindowsマシンが1台欲しい人に
VAIO F14/F16は、高性能機ではなく、オーソドックスな機能を押さえたマシンだが、今のご時世リーズナブルな価格なのが何より嬉しい。
スタンダード機とはいえ、必要な機能は十分以上に満たされているし、アルミへアラインの天板などクオリティ感も高い。また、大画面や多くのポートなど、日常的な使い勝手にも優れている。
さらにビデオ会議に適したカメラやマイクのグレードアップもされており、現在の日本のユーザーが本当に必要としている機能を満たした性能が確保されている。
これから大学生になってパソコンを必要とする人や、家庭にも1台ノートパソコンが欲しい人、経理処理などのためにWindowsパソコンを1台確保しておきたいMacユーザーなどには向いていると思う。
やっぱり、我々世代にとって、VAIOブランドというのは嬉しいものだ。
(村上タクタ)
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