1918年にドイツ・シュヴァルツヴァルト地方で創業したヴァルドマン。
創業以来、100%ドイツ製とスターリングシルバーにこだわり続けてきた。
歴史に裏付けられた高品質なペンを製造するブランドの魅力に迫りたい。
スターリングシルバーと守り続ける伝統技術
ヴァルドマン創業の地であるドイツ・シュヴァルツヴァルト地方は、昔から名高い時計や宝飾品の生産地。貴金属などの彫刻技術に長けた職人たちが、伝統技術を駆使して宝飾品のように美しいペンを製造している。
生産拠点を低賃金国に移すブランドが多い昨今、CEOのシュテファン・シュニリッヒさんは、今なおドイツでの100%生産にこだわり続ける。価値ある素材に職人たちの伝統技術を掛け合わせ、国内で製造することこそがヴァルドマンの理念なのだ。
「デジタル化が進む現代だからこそ、手作りの品が見直され、愛されています。スターリングシルバーがいつまでも輝き続けるように、私たちも職人たちの伝統技術を守り続けながら、最高品質の筆記具を届けていきたいと考えています」。
ウィーン彫りが華やかな、ヴァルドマンのフラッグシップモデル
ヴァルドマンのフラッグシップモデルとして君臨するのが、ウィーン彫りを施した「エキストラ ヴィエナ」だ。ウィーン彫りとは、現在ではヨーロッパでも彫ることのできる職人が限られる伝統的な彫刻技術。優雅なカーブを描く、華やかなパターンが刻まれている。
Xetra Vienna(エキストラ ヴィエナ)
スターリングシルバーにラッカー塗装をした上でウィーン彫りを施す「エキストラ ヴィエナ」。「レディー」はホワイトラッカーの前にローズゴールドのメッキも重ねており、軸色にあった優美な色合いを生み出している。
万年筆:収納時約138mm・重量約39g・両用式・スチールペン先F,M,B(18金ペン先はMのみ)・レディー 税込66,000円(18金ペン先は税込105,600円)/ブラック 税込57,200円(18金ペン先は税込95,700円)
ボールペン:収納時約137mm・重量約34g・レディー 税込59,400円/ブラック 税込52,800円
ダイヤモンドを装飾したハイエンドモデルも!
「レディー」にダイヤモンドを配したハイエンドモデルも販売している。天冠には19個、クリップに24個ものダイヤモンドを埋め込むことで、ゴージャスな製品に仕上げている。
万年筆:税込418,000円
ボールペン:税込363,000円
スターリングシルバーに優美な加工を施した定番シリーズ
ヴァルドマンはスターリングシルバーを素材にしているというだけでなく、彫刻などの加工をすることでブランド独自の製品を生み出している。材質の魅力だけに留まらないヴァルドマン製品の中でも、人気のある定番商品を2 種紹介しよう。
Tango(タンゴ)
シンプルであるがゆえに素材の魅力が引き立たつのが「タンゴ」。「ファインバーレー」には細かい波模様を、「ラインズ」には直線のみを彫刻している。ともにメッキを施していないので、スターリングシルバーの魅力を味わうのにおすすめだ。ルテニウムメッキを施す「ルテニウム」には格子柄の模様を刻んでおり、こちらは重厚感が漂う。
万年筆:収納時約137mm・重量約41g・両用式・スチールペン先F,M,B・ファインバーレー,ラインズ税込40,700円/ルテニウム 税込41,800円
ボールペン:収納時約135mm・重量約30~32g・ファインバーレー,ラインズ
税込27,500円/ルテニウム 税込28,600円
新色3色が登場!
「タンゴ」シリーズに、エレガントな佇まいの新たな3 色が加わった。万年筆の字幅はF とM。税込51,700 円。ボールペンは税込33,000円。
【NEW】Edelfeder(イーデルフィーダー)
「イーデルフィーダー」はドイツ語で「羽」の意味。キャップの模様は「ファインバーレー」と同じ波型の模様と無地のストライプを組み合わることで、スタイリッシュな印象に仕上げた。キャップや首軸のスターリングシルバーと、ブラックやホワイトのラッカー塗装が絶妙にマッチしている。2023 年8 月に登場したシャープペンシルも注目。
万年筆:収納時約138mm・重量約42g・スチールペン先M・税込40,700 円
ボールペン:収納時約138mm・重量約40g・税込33,000 円
シャープペンシル:収納時約143mm・重量約38g・芯径0.7mm・税込34,100 円
多くの工程は現在も手作業
ペン製造の多くの工程は現在も手作業で行っている。工場に届く銀の検品から切削、研磨まで、原則として人の目や手が介される。手作業のウィーン彫りもあるなど、職人たちのクラフトマンシップを大切にしている。
【問い合わせ】
プリコ
TEL 06-6443-0039
https://preco-corp.co.jp/brand/waldmann/
(出典/「『趣味の文具箱』2023年10月号 Vol.67」)
TEXT /小泉翔一 PHOTO /北郷 仁
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