デビュー20周年怒涛のリリースラッシュ到来 ビートルズのことを考えない日は一日もなかったVOL.21

  • 2024.10.28

1982年はビートルズが「ラブ・ミー・ドゥ」でレコードデビューしてから20年目を迎えるアニバーサリーイヤー。ということで、この年は1月のオリジナルアルバムのモノ盤を皮切りに続々と毎月のように特別企画盤がリリースされた。そのなかでも大きな話題を呼んだのが、4月1日にリリースされた『リール・ミュージック』という、ビートルズが主演した5本の映画の中で歌われた曲で選曲された編集アルバムであった。

80年代ビートルズを代表する「ムービー・メドレー」

『リール・ミュージック』のジャケット表裏

『ハード・デイズ・ナイト』『ヘルプ!』『MMT』『イエロー・サブマリン』『レット・イット・ビー』から年代順に14曲を収録した選曲は、そのままビートルズ史にもなっていて、『赤盤』『青盤』とはまた違った印象のベスト。封入されていた凝った作りのブックレットも見応えがあり、なかなか楽しめるレコードであった。当時はまだ『レット・イット・ビー』と『ハード・デイズ・ナイト』以外の映画は未見だったので、レコードを聞き、ブックレットをめくりながらまだ見ぬ映画に想像を掻き立てた。

21日にはそのアルバムとの連動シングルとして「ビートルズ・ムービー・メドレー」がリリースされた。なぜかアルバム未収録のこの曲は「マジカル」「愛こそは」「悲しみは」「恋する二人」「ハード・デイズ・ナイト」「涙の乗車券」「ゲット・バック」の7曲をノンストップでまとめたもの。完全に去年ヒットしたスターズ・オンを意識したもので、本家なのに二番煎じというこの企画の是非はさておき、プロモーションビデオは観るべき場面が多かった。ジョージの「オール・ゾーズ・イヤーズ・アゴー」同様過去映像で構成したビデオだが、メドレーに合わせて劇中の歌唱シーンや名場面を編集術が素晴らしく、未見だった映画の映像はとくに嬉しかった。

『リール・ミュージック』に封入されていたブックレットより

そこそこ話題になり、チャートをにぎわせ、ヒットもして、『ファントマ』や『ベストヒットUSA』といった洋楽番組で頻繁に流れていた。その都度録画していたのは、いつも途中までしかオンエアしてくれないから。いつかフルで流れるのではないかと期待してのことだった。同じような経験をした人も多いのではないか。

余談だが、この年の『ファントマ』は年間を通してートルズを取り上げてくれていたし、『ベストヒットUSA』はリクエスト大会でビートルズの「ツイスト・アンド・シャウト」の映像を流してくれたことがあった。確か17位だったような記憶。余談だが、このときのリクエスト大会で流れたクイーンの「サムバディ・トゥ・ラブ」のビデオを見て、自分の中で一気にクイーン熱が高まった。話を「ビートルズ・ムービー・メドレー」に戻して、このレコードは80年代のビートルズを語るうえで欠かせないものだと思うのだが、現時点では未CD化でビデオも未ソフト化。もはやなかったことになっているのが不思議であり、残念である。

昭和版『1』というべき内容のベストアルバム

USとUKでは選曲が異なる。日本盤はUSと同じ

その後、6月には『赤盤』『青盤』のカラーレコード、8月には『EPコレクション』、10月には『ビートルズ・イン・イタリー』『デッカ・テープス』(この音源には驚いた)と続き、12月にはLP『20グレイテスト・ヒッツ』と「ラブ・ミー・ドゥ」の12インチシングルがリリースされた。前者はアメリカとイギリスのそれぞれの国でチャート1位になった曲を集めたアルバムで、いわば昭和版の『1』といった印象。アメリカと日本盤は同じ選曲でイギリス盤は別選曲と知るのは少したってからのことだ。

ヒット曲集という内容に興味がもてず、購入には至らなかったのだが、「ラブ・ミー・ドゥ」はB面にリンゴのドラムバージョンが収録されていたのは気が利いていた。プロモーションビデオも秀逸でこれも何度も繰り返し見た。これだけのリリースがあってはさすがに小遣いが足りず、人生初のバイトを始めたのだが、買うレコードはまだ聞いたことのないソロのアルバムが多かった。

ジョージ、ポール、ジョンもレコードをリリース

事件当日に撮影されたというジャケット写真が印象的だった『ジョン・レノン・コレクション』

ソロと言えば、ジョージの『ゴーン・トロッポ』がリリースされたのもこの年の秋だった。ほかにもポールの『タッグ・オブ・ウォー』からのシングルカットで「テイク・イット・アウェイ」「タッグ・オブ・ウォー」(いずれもビデオが秀逸)、そしてマイケルとの「ガール・イズ・マイン」が『スリラー』からの第一弾シングルとして続いた。ジョンも『コレクション』というベストが出た。すでに『シェイブド・フィッシュ』というベストを持っていたし、ソロも買い集めたので、真新しい曲はないのだけど、事件当日の写真というジャケが目を引いた。神保町の三省堂の裏にあったビクトリア(スキーショップのビクトリアがやっていたレコード屋)で買ったらラミネート加工されたジャケ写が入っていたのは、なんだったのだろうか。ジョンのベストはこのあとも手を変え品を変え出たけど、いちばん思い入れのあるものはこの『コレクション』と言える。

正規盤のほかに西新宿に行っては海賊盤も追いかけていた。80年以来44年間ビートルズのことを考えない日は一日もなかったのだが、82年が一種のピークだったような、いま振り返るとそんな気がする。

デビュー20周年キャンペーンで作られたロゴ

 

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部