「バズリクソンズ」のラインクルーマンジャケットG-1
自分の仕事は流行を追いかけるコンテンツメイクではないが、ある程度は流行に敏感になろうと努力はしているつもりだ。しかし、流行に飛びつく瞬発力が衰えたのか、遅れをとることが増えた。
例えば、映画の『国宝』。テレビでも、SNSでも、この夏は大きな話題をさらった。前評判から凄かったこともあり、躊躇していたら、日に日にその騒ぎは大きくなって、鑑賞する気が失せた。いつか、自宅で観ることになるだろう。『鬼滅の刃』だって同じ。大きな話題になったのは数年前か? コミック、アニメ、映画と、大勢の人の心を鷲掴みにし、空前の大ブーム。そうなると、ひねくれ者は自然と距離を置いた。
「ブームに乗るんじゃない、ブームをつくることが雑誌屋の使命だ!」
これが雑誌編集者としての矜持なのだが、雑誌屋の肩書きを脇に置いて、この夏、映画大ヒット中の『鬼滅の刃』のアニメを自宅で初鑑賞したら、面白いことこの上なし。もちろん映画も楽しませていただくことに。そして、気が付けば何人もの登場人物が着用している市松模様に敏感になっていた。まったくもって『鬼滅』とは無関係のこのジャケットにも反応してしまったほど。米空軍の歴史の中に埋もれかけていた『鬼滅』風ジャケットが物欲を刺激した。

1950年代アメリカ空軍が飛行機の地上誘導員のために採用したラインクルーマンジャケット。ミルスペックにはTYPE G-1と記されている。G-1と言えば海軍の名作フライトジャケットだが、実は空軍にもまったく異なるG-1が存在していた。目立つことが重要なラインクルーマン。街で着てもよく目立つので安全かつ安心なのだ。バズリクソンズが当時のヴィンテージピースを忠実に再現した。6万4900円(ジャンキースペシャル TEL03-3232-0850 https://junkyspecial.com)

バズリクソンズらしく、着ると見えなくなるような細部にまで抜かりはない。ミルスペックラベルは書体まで忠実に再現されている。

MA-1などのナイロンフライトジャケットに欠かせないシガレットポケットを備える。生地は派手だが、作りはシンプルなG-1の重要装備。

バズリクソンズの数々の名作フライトジャケットに使われてきたクラウンの復刻ファスナーを装備。ヴィンテージ感がグンと増す。
(出典/「Lightning 2025年12月号 Vol.380」)
Photo/S.Kai 甲斐俊一郎
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