OLD JOE BRANDのローヴァー・ベレー
モノゴコロがついた頃には読売ジャイアンツの黒い帽子を被り、やがて『キャプテン翼』の若林源三の影響でアディダスのロゴ入りキャップに変わっていった。昭和の少年は、とにかくいつも帽子を被っていたんだ。これは自分だけのことではない。右も左もそんな感じ。中学生になるとオシャレが気になり始める。
そんなとき、一過性の編み物熱に冒された母親がグレーのベレーを編んでくれた。思春期の少年には、母親の手編み&誰も被っていないベレーというとてもハードルの高い帽子。それでも、被ってみたら悪くない。仲間には笑われたけど、俺は気に入っていた。当時は、脳みそまで筋肉になるくらいのアスリートだったが、オフの日は、頑張ってオシャレして、文化の匂いを漂わせたかった。そんなマセガキにベレーは重要なアイテムだった。
以来、長い長い帽子生活が続いているんだが、ベレーはずっと重要なポジションにいる。先日、上野のヒノヤONEを訪ねた際、ドツボにハマるベレーを発見。大好きな素材、大好きな色。久しぶりのミリタリーベレーだった。ミリタリーベレーはモンティことモンゴメリー将軍のベレースタイルが好き。ダッフルやアーヴィンに合わせた姿を真夏の夜に想像している。
OLD JOEのミリタリーアーカイブをオマージュして作られるローヴァー・ベレー。カラーは「Nocturne(ノクターン)」 という。日本語に訳せば夜想曲だな。夜空や宵闇を連想させるブルー系に使われることがる。コーデュロイだから、角度によって見え方も変わるし、まさにノクターン。2万900円(HINOYA ONE TEL03-3831-0385)
複雑に縫製されているライニングの仕様がベレーファンには堪らない。レーヨン、綿、キュプラ、麻と4種の素材を組み合わせている。
サイズ調整のためのヒモがついているのもミリタリーベレーの特徴。長く垂らしてもいいだろう。私は短くカットして被る派。
ミリタリーベレーでは珍しい6枚パネル仕様。とてもソフトな10オンスのコーデュロイで、自由自在にカタチを作れる上級者向け。
(出典/「Lightning 2025年10月号 Vol.378」)
Photo/S.Amatsu シーマン天津
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