パーム・スプリングスのライフスタイルに憧れて。|Midtown, Ventura,CA
旧きよきアメリカ文化や豊かな街並みが色濃く残る海沿いの街、べンチュラ。その丘の上にある閑静な住宅街に佇むのはジョーイとタラが長年にわたって探し求めていた、1955年に建てられた素敵なミッドセンチュリーハウス。大きなガラス窓が特徴的なデザインのこの家は、周囲に他の家が建てられる前には、開放的なリビングからオーシャンビューがあったことが容易に想像できる。白とナチュラルウッドカラーのモノトーンで統一されたインテリアはファイヤープレイスやバスルーム、さらに彼らがチョイスしたコーヒーテーブル、カウチなどのファニチャーも含め、’50年代のテイストが完璧に再現されている素敵な空間だ。また当時のままでも使い勝手がよい部分がたくさんあったため無用なリノベーションは行わず、毎日使うキッチンと水周りにだけリモデルを施したそうだ。
砂漠に建つパームスプリングの家を再現しようと、ヤードにはお馴染みのパームツリーの他に、カクタスやサキュレントといったデサート系の植物をセンスよく散りばめる。サボテンなどの多肉系植物は水をそこまで必要としないが、他のプラント用にタイマーで自動的にゆっくりと水やりをしてくれるウォータリングシステムが地中に仕込まれているのが、グリーンをこよなく愛する彼ららしい。さらに彼の本業でもあるエアプランツを室内にバランスよく配し、リビングエリアをピースフルな雰囲気に整えてくれている。
開放的な玄関からリビングを通り、ベッドルームを横目にウォークウェイを抜けると、アウドドアリビングが広がるバックヤードへ。一方、ドライブウェイに佇むキャンピングトレーラーは、家族でお気に入りの国立公園に行けるよう、常に整備をしているという。大好きな家族と憧れの家で暮らし、そして愛すべきグリーンたちに囲まれた日常を過ごす。文字通り旧きよき時代のカリフォルニアを堪能できる、理想のライフスタイルがそこにある。
玄関を入るとリビングフロアとはテクスチャーが異なる、まっすぐに伸びたストーンフィニッシュの廊下が目に入る。この家の個性のひとつだ。
購入後もあまり手を入れずに住み続けているため、1956年に建てられた当時の雰囲気が随所に残る。もちろん室内壁などはすべて塗り直されているので、程よいレトロ感をベースにした居心地のよさが魅力。
(出典/「Lightning 2025年3月号 Vol.371」)
Special Thanks to Joey Enthoven IG@plantaflor_usa_inc Text/Y.Makino 槙野雄介 Photos/D.Nakamura 中村大介
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