アメリカではまだまだ根強いパワー至上主義者たちに向けたスペシャルなデュランゴ。
アメリカ車といえば巨大なボディに大排気量のV8エンジンでぐいぐいと力で走るイメージ。でも昨今は燃費や環境対策、それに排気量にこだわらないユーザーやハイブリッドやEVを推す層の台頭で「昔ながらのアメリカ車感」は次第に影を潜めている。
今まではフルサイズカーであれば自然吸気の大排気量V8エンジンが標準だったけれど、昨今ではV6ターボなんかが主流。さらにハイブリッドシステムなどもフルサイズカーに採用され、かつてのドロドロとした排気音を奏でる車種は今では珍しく、各メーカーもスペシャルなモデルや、一部の高級車やスポーツカーでしか味わえなくなっている。
そういう意味では今回、2025年モデルとして発表されたダッジ・デュランゴのスペシャルなモデルは、まさにパワー至上主義な人たちに歓迎される凶暴なモデル。
その名はダッジ・デュランゴSRTヘルキャット・ハンマーヘッド。いかにも凶暴でパワーを感じるネーミングに恥じないスペックで、エンジンは710馬力を発生させるV8 6.2リッターにスーパーチャージャーで過給した強心臓を搭載。
ゼロヨンを11.5秒で駆け抜け、最高速は時速290kmに達するというとんでもないSUVに仕上がっている。
本来はファミリーユースで登場したSUVをここまで熱いモデルにしてしまうのがアメリカの遊び心。ただし発表されている価格はベースモデルで1万3720ドル(約1600万円)という高級モデル。そのパワーを体感できる人はごく一部になりそうだ。
艶ありブラックのボディカラーにサテンブラック(半艶)のエンジンフードという2トーンカラーが特徴で、ブラックを基調にしているのも獰猛な性格を表現している。
シルバーとセピアカラーのステッチを採用した内装。スパルタンなイメージにセピアのステッチが程良いアクセントになっている。ステアリングはレザーとスウェードのコンビネーションになっていて、スパルタンながら高級感もある。中央にはSRTのエンブレムが装着される。
シートはハンマーヘッドグレーのラグナレザーにヘルキャットのロゴが刺繍される特別仕様。乗り込むたびにロゴが目に入って気分も上がる。
ホイールは20インチのサテンカーボンホイールが装着される。スポークの間から見えるブレーキキャリパーは6ピストンのブレンボ製で、ブラック仕上げになっている。あえてボディに合わせてブラックのホイールにしないところにこだわりを感じる。
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