その道のプロに聞く、今後のスニーカーシーンの動向とは?

スニーカーブームが終わったのではないかと囁かれる昨今。だから革靴やブーツが流行るわけではない。まだまだ売れているスニーカーは多くあるし、プレミア価格が落ち着いた今だからこそ選択肢が広がり、トレンドに関係なくスニーカーを選ぶには最適なタイミングだと言えるのだ! スニーカーショップ、スキットのスタッフに話を訊いた。

王道から旬なモデルまで隈なくチェックしたい。

「スキット」スタッフ・嶋名駿哉さん|1998年生まれ。大分県出身。スキットの福岡店に通っていたことをきっかけに上京。スキット吉祥寺に入社。若手スタッフながらも抜群の知識で、多くの顧客を持っている

ここ10年ほど続いてきたスニーカーブームが落ち着いたと言われたのは2023年頃から。たしかにこれまで即完売していたモデルも手軽に買えるようになったり、アウトレットに並ぶなんてことも実際に起こっている。ただみんながスニーカーに飽きたと言うのは早計すぎるだろう。そんなシーンを聞くべき、吉祥寺にある有名スニーカーショップであるスキットに今のシーンを聞いた。

「スニーカーブームが落ち着いたというのは事実ではありますが、これまでプレミア価格になっていたようなモデルがリセール市場でも定価付近で買いやすくなり、スニーカー好きにはストレスのない状況になったと思いますね。そうなった要因はトレンドが変わったこことや、人気のあるモデルが乱発されたのが大きいかと。

これまではエアジョーダン1に代表されるバスケットボールシューズや’90年代の復刻モデルが主流でありました。今はアディダスのサンバなどのクラシックなモデルや、アシックスのゲルカヤノ14に代表されるようなY2Kランニング、そしてサロモンに代表されるテック系と呼ばれるハイテクモデルがトレンドになっています。

ただ落ち着いたエアジョーダン1は、アメカジスタイルにとって定番的な存在ですし、アディダスのスーパースターであったり、定番として根付いているものの価値が落ちるようなことはないと思います。またアメカジ好きには欠かせないニューバランスのフラッグシップモデルである990の最新モデルであるV6も支持されている印象です。

新たなトレンドとして注目されているのが、いわゆるコートシューズと言われる屋内競技用のモデル。これはアディダスのサンバなどの流れを汲んだもので、同ブランドのハンドボールスペツィアルやアシックスのスカイハンドなどは狙い目です。あとはオリンピックイヤーでもあるので、関連の限定モデルは注目したいところです」

おすすめの人気モデルをチェック!

asics GEL-1130

様々な人気ブランドとコラボしたことでリバイバルを果たしたGEL-1000シリーズの9代目モデルである1130。新たなトレンドとなっている2000年代のデザインを象徴する大きめのメッシュアッパーが新鮮。1万6500円

NIKE AIR JORDAN 1 High OG Lost&Found/Chicago

スニーカーブームが終わったと言われながらも、名作の人気は落ちていない。オリジナルカラーであるシカゴを復刻させた2022年復刻の当作は、1985年のオリジナルがデッドストックで見つかったような加工が特徴だ。7万7000円

NIKE AIR JORDAN VII Barcelona Olympic USA Team Coler

1992年のバロセロナオリンピックにてマイケル・ジョーダンが履いたことでも知られるオリンピックカラー。これまでに何度も復刻されているオリンピックカラーの象徴的なモデル。今年のパリ五輪の限定色も注目。参考商品

New Balance 990 V6

990の最新モデルであるV6は、ニューバランスのフラッグシップモデル。様々なカラーバリエーションを展開しているが、王道のグレーは欠かせない。メイドインUSAというのもポイント。3万5200円

adidas Originals HANDBALL SPEZIAL

1979年にハンドボール選手向けに作られたオーセンティックなモデル。カジュアルシューズとしてファッションシーンにも受け入れられた。多くのカラバリが存在。1万5400円

adidas Originals SUPERSTAR SUEDE

アメカジにおける定番スニーカーのひとつであるスーパースターは、1970年にリリースされたバスケットボールシューズ。こちらはスウェードを用いた珍しい仕様。1万1000円

asics GEL-1130

Y2Kランニングシューズのアイコンであるアシックスのカヤノ14と並んで、トレンドになっているGEL1000シリーズの9代目。シルバーのカラーリングが特に人気。1万3200円

Reebok Tyrrell Winston CLUB C 85

1985年にテニス専用のコートシューズとしてリリースされた定番。こちらはニューヨークのアーティストであるタイレル・ウインストンとのコラボレーション。1万3200円

NIKE AIR MAX PLUS OG

マップラのニックネームでも知られるエアマックスプラスは、フットロッカー専売で1997年にリリースされた。こちらは2018年に復刻されたオリジナルカラーだ。3万5200円

NIKE STING

1990年代のヴィンテージブームで花形であったナイキのレトロランニングを代表するモデル。2009年に復刻されたもので、箱付きのデッドストック。不朽の名作。2万4200円

【DATA】
SKIT TOKYO KICHIJOJI
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-18-1 D-ASSET吉祥寺 1F
TEL0422-47-6671
営業/11:00~19:00
https://www.k-skit.com
Instagram@ sneaker_skit

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2024年9月号 Vol.365」)

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