珍奇植物の播種を楽しむ。「オベサ編」

  • 2024.07.18

その奇妙で愛らしいフォルムやインテリアとしても存在感があることから、塊根植物の愛好家は急増中。そんな塊根植物の魅力にずいぶん前から傾倒し、自身のセレクトショップを立ち上げたときに、趣味が高じて塊根植物も販売し始めてしまったというオーナーが、すでに塊根植物の「沼」にハマッてしまった人や、初心者で塊根植物を育ててみたいと思っている人にもやさしくお届け! 今回は育てた植物から種を採取して蒔くという「種から育てる楽しみ」を紹介。

開花するまで育てたら播種にチャレンジしてみるのもおすすめです。

その個性的な姿を眺めるだけでも楽しい、珍奇植物の育成。手に入れた個体をじっくりと育成し、成長や変化を楽しむだけでも十分に楽しい珍奇植物ですが、ある程度育成を続けていくと植物が開花することもあります。

さらに、育成に慣れてきたころには、開花した花を受粉し結実させて自分の手で種を採って蒔いてみたいと思うようになる人は多いと思います。

今回は、結実して種ができたユーフォルビア・オベサから採種し、播種(種を蒔くこと)した様子をご紹介していきます。

結実すると種を付けます。

多肉系ユーフォルビアの代表的な品種のひとつであるオベサ。オベサは雌雄異株(雄株と雌株が存在する株)のため、受粉させるためには雄株と雌株の両方が必要となります。

開花していない状態で、雄株と雌株の判別をすることはできませんが、開花時の雄株は、「おしべ」に黄色い花粉が付いています。雌株は3つに別れたような形の「めしべ」があるので、開花時であれば見た目で区別ができます。

画像は既に結実して種が付いた雌株ですが、種に「めしべ」が残っているのも分かります。

熟した種から採種します。

結実した種はどんどん大きくなり熟してきます。このまま放置しておくと、自然に弾けて種を飛ばします。自生地では、その様に種を飛ばして子孫を増やすオベサですが、育成環境では飛んでいった種を拾うことは難しいため、弾ける前に採取していきます。

この状態で、株や種に直接ネットを被せてしまい弾けた種子を採種する方法もありますが今回は、より確実に採種しやすい方法でご紹介します。

しっかりと熟した種は外皮が硬くなり、色も少し茶色っぽくなってきます。そのように変化した種はピンセットで摘まむことで、割と簡単に外せます。

まだ熟していない緑色の種は外皮も柔らかく、外そうとして摘まむと白い樹液が出てくるので、熟すまで待つ必要があります。

※この方法で採種する際は、無理に種を外そうとして親株を傷付けないように注意する必要があります。

採種した種は外皮に包まれています。

こちらが採種したばかりの種。まだ外皮に包まれた状態で、大きさは5~6㎜程度。中にある種を取り出す必要がありますが、無理に外皮を割って取り出そうとするのはNGです。

容器に入れて種が弾けるのを待ちます。

外皮に包まれた種は、容器に入れて乾燥させます。容器は身近にある瓶などで問題ありませんが、密閉させてしまうと上手く乾燥できず種が弾けない場合があります。ただし、弾けた種はかなり遠くまで飛んでいくので、無くならないようにする必要もあります。

私の場合はガラス瓶の上から、排水口用のストッキングネットを被せて蓋にしています。これにより、通気性を残しながら、弾けた種子の飛散も防げます。この排水口用のネットは、グラキリスなどの採種でも使えるので本当に便利です。

外皮と種子は自然に分かれます。

瓶の中で乾燥した種は自然に弾けて外皮と種子に別れます。まだ弾けていない種も見られますが、充分に熟している種であれば、その日のうちに弾けていたなんてこともあります。

外皮が弾けて出たオベサの種子。

外皮が弾け、中から飛び出したオベサの種子は黒っぽく1.5㎜程度の大きさです。この状態で、ようやく播種することができます。

発芽から2週間ほどのオベサ。

発芽から2週間ほど経過したオベサです。この鉢には6粒を播種し、無事に全て発芽してくれました。

播種する際の用土には、赤玉土の細粒にバーミキュライトを混ぜたものを使っています。成長したオベサには葉はありませんが、発芽して間もないころは可愛らしい双葉が見られます。

まだまだ1cmにも満たない小さなオベサですが、わずかにオベサらしい表情も出てきているのが分かります。

成長はとてもゆっくりですが、この状態から自分の手で育てて成長したオベサは愛着もひとしおではないでしょうか。

ぜひチャンスがあれば播種にチャレンジしてみると、より塊根植物ライフが楽しくなります。

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