AVIREX(アヴィレックス)の飛行服(フライトジャケット)を着るということ。

創業1975年。今でこそ、ミリタリーをファッションへと昇華させたブランドとして広く知られているAVIREXだが、1990年代にはA-2をアメリカ軍へと納入するなど、れっきとしたコントラクターとしての顔も持つ。今回は原点に帰り、AVIREXのスタンダードアイテムというべきフライトジャケットを取り上げる。聞けば、近く値上げを敢行するらしい。AVIREX渾身の「空の男たちのユニフォーム」、買うなら今だぜ。

永く愛せるレザー製フライトジャケット。

レザー製のフライトジャケットはミリタリーアイテムのなかでも主役級のスタンダード。AVIREXでは史実に基づいたヴィンテージさながらのモデルから、フライトジャケット特有の野暮ったさをスポイルしてファッション性を高めたモデルまで数多くラインナップする。

G-1 TOP GUN

映画『トップガン』で主人公“マーベリック”が着用していたG-1をタウンユースにモディファイしたモデル。素材は柔らかなアンティークラムで、ライニングは地図柄を採用。ボアは着脱式なので、コーディネイトの幅も広い。10万1200円。

G-1 FLIGHT JACKET ANTIQUE LAMB

アメリカ海軍で50年以上に渡り採用し続けてきた名作G-1を、AVIREXの解釈で再構築。ゆとりのあるボックスシルエットで素材はアンティークラム。しなやかでありながら厚みがあり、革の存在感を楽しめる。裏地は地図柄。9万9000円。

G-1 MIL-J-7823D

1966年にアメリカ海軍に採用されたモデル「MIL-J-7823D」を忠実に復刻したモデル。マテリアルはオリジナル同様のゴートスキンを採用し、襟にはムートンファーを使用。タイトなシルエットで着込むほどに体に馴染んでいく。12万9800円。

A-2 FLIGHT JACKET

1930年代初頭に米陸軍航空隊に採用されたA-2を、ネイキッドカウレザーで再構築した意欲作。表面加工をしていないため、革本来の風合いを楽しめる。大戦中期の台襟付きのモデルがモチーフ。メイドインUSAなのもうれしい。12万5400円。

A-2 FLIGHT JACKET ANTIQUE LAMB

1990年代にAVIREXで展開していたモデルを再現。裏地にはマップ柄を採用し、ポケットにハンドウォーマーを採用するなどAVIREXらしいモディファイが加えられている。素材は上質な質感のアンティークラムを使用している。8万8000円。

B-3 MOUTON FLIGHT JACKET

極寒の高高度で戦う爆撃手(ボマー)のために1930年代に作られた、アメリカ陸軍航空隊のヘビーゾーン用フライトジャケットB-3。シープムートンを採用しており肌触りが非常に良く、高い防寒性・保温性を誇る。アメリカ製。22万円

B-3 PLAIN

ムートンを贅沢にそのままライニングにしたB-3は、大型のチンストラップとサイドアジャスターを装備しており、風の侵入を遮断し、体温を逃さないため、高い保温性を実現している。胸には革製ブランドネームが配される。15万7300円。

ナイロン&コットン製フライトジャケットも見逃せない。

AVIREXというとG-1やB-3などのレザーフライトジャケットのイメージが強いが、ナイロン/コットン製フライトジャケットのラインナップも充実している。レザーとは一味違う近代装備の実力を体感せよ。

L-2A VINTAGE

1950年代初頭に誕生したL-2A。米陸軍航空隊から独立して1947年に新設されたアメリカ空軍のイメージカラー「エアフォースブルー」を採用している。裏地の素材はオリジナルとは異なりレーヨンコットンサテンに変更している。4万6200円。

L-2B VINTAGE

L-2Aの後継モデルとして採用されたのがセージグリーンを纏ったL-2B。朝鮮戦争後に登場した初期型の「SPEC.MIL-J-7448A」を再現している。ライニングにレーヨンコットンサテンを使用しており、メインテナンスもしやすい。4万6200円。

VINTAGE B-15A MOD

1944年に米陸軍航空隊に制式採用されたB-15A。そのボア襟をリブ襟へと付け替えたモディファイモデルをサンプリング。胸には酸素マスクのホースをクリップで固定するための三角形の革製タブが付く。裏地はウール混のボア。5万5000円。

MA-1 VINTAGE

MA-1の3rdモデル「MIL-J-8279B」の1959年モデルがモチーフ。3rdタイプには珍しいICSコードループを両脇に装備している。アウターシェルには66ナイロンツイル、中綿にブランケット素材「ウールモッサ」を使用する。5万3900円。

VINTAGE CWU-36P

1980年代のライトゾーン用フライトジャケットCWU-36P。オリジナルでは難燃素材であるノーメックスが使われているが、その綾目の強い表情をナイロンで再現した。裏地は独特の光沢感があるレーヨンコットンクロスを使用。4万2900円。

N-1 JACKET VINTAGE

第二次世界大戦から朝鮮戦争にかけて米海軍の甲板作業員に支給されていたN-1の後期型がベース。表地は高密度のコットングログラン、ライニングと襟にはオリジナル同様アルパカウールパイルを採用し、高い防寒性を誇る。6万4900円

【DATA】
AVIREX新宿 TEL03-5367-2013
AVIREX札幌 TEL011-209-5165
AVIREX名古屋 TEL052-228-1491
AVIREX心斎橋 TEL06-6214-2013
AVIREX福岡 TEL092-263-2321

(出典/「Lightning 2024年8月号 Vol.364」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
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モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
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