イースター・ジープ・サファリに登場したジープ純正のカスタムコンセプトモデルに胸熱

アメリカ車ではメーカー自身がカスタムカーを仕上げることは珍しくない。クルマのカスタムが広く一般的で、多くのカスタムメーカーが存在するアメリカならでは。今回はジープが自身のイベントで、今回で58回目の開催となる「イースター・ジープ・サファリ」にカスタムモデルを持ち込んだ。どれもコンセプトカーながら、そのスタイルはジープ乗りにとっては気になるものばかり。ラングラーからグランドワゴニアまで、ベースとなるモデルにも注目したい。

4台のカスタムカーがユタ州のモアブ砂漠に降臨。

イースターの3月23日~31日にユタ州にあるモアブ砂漠で開催されたイベント「イースター・ジープ・サファリ」は。2000万人以上のジープ愛好家が集結するといういかにもアメリカらしいビッグイベント。ここに本家ジープが4台のカスタムコンセプトカーを登場させた。

これらは本家ジープとJPP(ジープ・パフォーマンスパーツ)がタッグを組んで完成させたモデルたち。このまま販売されることは無いけれど、ジープには多くのカスタムの方向性があることを教えてくれるモデルたちばかり。メーカーが本気で制作した遊び心あふれるカスタムモデルを見てみよう。

Jeep Low Down Concept

2ドアのジープ・ラングラーをベースにローダウンしたボディを持ちながらも40インチという巨大なタイヤをセットしたカスタム。

これは15年前の同イベントに制作したモデルをオマージュした仕様で、ただローダウンさせるだけでなく、カーボン製のフェンダーやエンジンフードなどを採用して軽量化。エンジンフードは中のエンジンが見えるシースルーパワードームになっている。

足周りには40インチのタイヤに20インチのビードロックホイールを組み合わせるなど、荒々しさを持ちながらもモダンなスタイルで仕上げている。

搭載するエンジンは5.7リッターV8と、軽量化したボディには十分すぎるパワーで、どんな悪路でも難なく走破するスペックへとアップデートされている。

Jeep Willys Dispatcher Concept

ラングラー4xeをベースにジープの祖先であるウィリスに経緯を表したカスタムモデル。ショート化されたフロントバンパーにウインチを装備するだけでなく、クラシカルなデザインのスチールホイールを装備。

シートはヘッドレストを取っ払い、ブラウンのサドルレザーと千鳥格子のファブリックを使ったコンビ。さらにボディカラーには随所にクラシカルなモチーフがちりばめられている。

エンジンは2リッターの直4をベースとするプラグインハイブリッドになる。

第二次大戦後に民生用ジープとして使われていたウィリスをイメージして、ボディカラーもアメリカのミッドセンチュリーを思わせるグリーンをチョイスしている。

Jeep Gladiator Rubicon High Top Concept

イベントの会場になったモアブ砂漠での悪路走破性を高めたモデルをコンセプトに登場したグラディエーターのカスタムモデル。

グラディエーターのトップモデルであるルビコンをベースに、フラットフェンダーに換装してライドクリアランスを確保。足周りを徹底的にアップデートし、ウィンチも装備した悪路専用といえる過激なスタイリングに生まれ変わった。

あえてボディカラーはクラシカルな2トーンペイントにするなど、遊び心もあるスタイリングも忘れていない。

搭載するエンジンは3.6リッターのV6。JPPの開発中のカスタムパーツなども投入され、ノーマルとはひと味違うグラディエーターになっている。

Jeep Vacationeer Concept

高級SUVモデルであるジープ・グランドワゴニアをベースに、ラグジュアリーなアウトドアスタイルへとカスタム。ワゴニアではなく、バケイショニアという名前で登場したモデル。

ルーフには車内からもアクセスできるスカイロフトを装備。これは太陽光パネルも装備したポップアップ式テントで、カーボン製という軽量モデル。いわゆるオーバーランダーのスタイルをグランドワゴニアで表現し、走りながらどこでも休息ができ、休息には極上の空間を提供してくれるというラグジュアリーさもキープした仕上がりになっている。

スタイリングではあえてホイールを18インチにインチダウンして小径にし、そこに35インチのマッドテレインタイヤを合わせることでモダンになりすぎないスタイルに。ボディカラーは2トーンでボディサイドには細身のウッドパネル調デカールをあしらうなど、1960~’90年代まで存在した先代ワゴニアの歴史にも経緯を表している。

エンジンは3リッターV6ツインターボのハリケーン510を搭載。これはツインターボにより低燃費ながら510馬力を発生させるパワフルな心臓部となっている。

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

Pick Up おすすめ記事

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...