JACK DANIEL’S。俺たちが憧れるアメリカがこの1本にある

アメリカを代表するウイスキー、ジャックダニエルが今年創設158周年を迎える。改めて歴史を振り返ってみた。

歴史を感じるオールドシティ。

ジャックダニエルの蒸溜所の本拠地、テネシー州リンチバーグ。レンガ造りで風情のある建物が並ぶ

アメリカ・テネシー州。150年以上の歴史を持つアメリカン・ウイスキーの蒸溜所がある。「ジャックダニエル」。アメリカ好き、ウイスキー好きならずとも誰もが知るその名前。テネシーウイスキーの雄だ。アメリカを代表するウイスキーにはいくつかジャンルがあるが、中でもジャックダニエルはテネシーウイスキーに分類される。

テネシーウイスキーの定義は、バーボンの製造条件である①アメリカ合衆国内で製造、②原材料のコーンの含有量が51%以上、③内側を焦がしたホワイトオークの新樽で熟成、④80%以下のアルコール度数で蒸溜、⑤熟成のために樽に入れる前のアルコール度数は62・5%以下、⑥瓶詰めする場合のアルコール度数は40%以上、⑦着色の禁止の7つに加え、蒸溜と貯蔵をすべてテネシー州内で行う、そして最も大きな特徴がチャコール・メローイング(炭ろ過)という工程があることだ。

ジャックダニエルの創始者であるジャスパー・ニュートン・“ジャック”・ダニエル氏は、この製法を忠実に守り、ジャックダニエルでしか味わえない味を生み出した。その味はテネシー州からアメリカ全土、そして世界へと羽ばたき、長きにわたり世代を超えて愛飲されていることはご存じのとおりだ。

ここで日々ウイスキーが造られる

ジャックダニエルがなぜこれほどまでに愛されるのか。唯一無二の味を持つウイスキーであることはもちろんだが、常に音楽やファッションといったアメリカンカルチャーと共に歩んでいることもそのひとつに挙げられる。ジャックダニエルが掲げるのは、他者に左右されず、堂々と自分らしい人生を送るための後押しをしたいということ。

もしかしたらジャックダニエルが誕生してから後、アメリカにおける禁酒法や第二次世界大戦など抑圧された時代を通りながらも、時代に左右されない自分らしいスタイルを貫きウイスキー造りを続けていたからなのかもしれない。結果、ジャックダニエルはアメリカンカルチャーの中心に存在し、憧れとして我々を魅了。フランク・シナトラがしていたように、ボトルを常にそばに置き、共に歩んでいきたいと思わせる、それがジャックダニエルなのだ。

ジャックダニエルを代表する銘柄、OLD No.7のイメージを定着させたのが、スクエアボトルとモノトーンラベル

今回は改めてジャックダニエルの歴史や手間暇をかけて造られるテネシーウイスキーについておさらい。現在のアメリカンカルチャーにどれだけ影響を及ぼしているのかを見てみよう。そして、ジャックダニエルを楽しむための飲み方やペアリングを提案する。しかし、大切なのは自分らしさ。自分らしい楽しみ方を見つけてみて欲しい。

JACK DANIEL’Sの歴史

1864

創始者ジャック・ダニエル氏は、ダン・コール牧師に引き取られ、その牧師と元奴隷の男からウイスキーづくりの技術を学ぶ。

1866
ジャックダニエル蒸溜所設立。アメリカで最初の登録蒸溜所となる。

1904

ミズーリ州セントルイスで開催された万国博覧会で、オールドNo.7が金賞を受賞する。

1919
禁酒法が制定される。ウイスキーを合法的に販売することができず、バーミンガム、シンシナティ、セントルイスの倉庫に保管。

1933
禁酒法廃止。質の高い原料が不足し、生産を再会するまでには数年の月日を要した。

1942
第二次世界大戦の影響で原料が不足。オールド No.7が入手困難となり、その結果需要が急増した。

1947
ニューヨークのバーで、ジャッキー・グリーソンがフランク・シナトラにジャックダニエルを薦めたことをきっかけに、フランクはジャックダニエルを愛飲するようになり、彼の生涯の相棒となる。

1977
パンクムーブメントが本格化。ニューヨークのクラブではジャックダニエルが欠かせない存在になる。

1981
カリフォルニアのサンセットストリップにヘアメタルが定着。カリフォルニアのシーンでもジャックダニエルは圧倒的な存在感を放っていた。

1988

ジェントルマンジャックが誕生。ジャックダニエルにとって新時代がスタートした。

1989
米国で最も権威あるBBQ大会をジャックダニエル主催で初開催。BBQ文化におけるオールドNo.7の地位を確立。

1997
マスターディスティラーが厳選した1つの樽のみから造られる、シングルバレルセレクトが誕生。傑作の一樽だけを使った逸品は唯一無二の味わい。

2011

ジャックダニエル初のフレーバー商品、ジャックダニエル テネシーハニーが誕生。

2014
アラバマ州に新たな樽製造工場を開設。ここで自社製のバレルが手作業でつくられている。

2016

アメリカ最古の登録蒸溜所であるジャックダニエル蒸溜所は、この年150周年を迎えた。

2020
クリス・フレッチャー氏が8代目マスターディスティラーに就任。

追随を許さないテネシーウイスキーの雄。

ジャックダニエルのこだわりは、チャコール・メローイングと自社製のバレルだ。創業当時から変わらぬ製法が時代、そして世代を超えて愛され続けている所以なのだ。そのジャックダニエルの心臓ともいえる2つの工程に注目!

テネシーウイスキーの要。チャコール・メローイング

チャコール・メローイングとは蒸溜したウイスキー原酒を炭でろ過する工程のこと。蒸溜所ではサトウカエデというメープルシロップをつくる際に使われる木を炭にして高さ約3mの巨大な槽に敷き詰める。槽の上にはパイプが通っており、蒸溜したばかりの度数70%の原酒を一滴一滴上から炭に垂らしろ過する。

週に3日、1日に3回、硬いサトウカエデのパレットを約1.5mの高さに組み上げ、2時間かけて焼く。できた炭は細かく砕かれメローイング専用で使われる。炭づくりの着火剤はジャックダニエルの原酒を使用している
チャコール・メローイング用の木製のタンク。高さ約3mの大きな槽に、細かく砕いた炭を敷き詰める。原酒は5~6日かけてろ過される
パイプから蒸溜されたばかりのアルコール度数70%の原酒が落ち、ろ過される。バーボンからテネシーウイスキーへと生まれ変わる瞬間だ
製造(蒸溜)工程のイメージ図。チャコール・メローイングは手間と時間がかかる作業だが、ジャックダニエルの独特な味わいを造るのに必要不可欠なのだ

熟成樽はすべて手作り。自社製バレル

テネシーウイスキーの色と味、香りの大部分は樽からもたらされる。ジャックダニエルは、アメリカンホワイトオーク材を使い、熟練の職人が1日約2000樽手作業で製造した自社製の新樽を使用している。一度の熟成でしか使われない樽は、ラムやスコッチ、テキーラの熟成樽として再利用される。

樽の組み立てには接着剤や釘は一切使わず、33枚の板材を隙間なく組み合わせている。同サイズの板材はないため、職人の板材選びと正確な配置によって組み立てられるのだ
アルコール度数60%に調整したウイスキーは樽詰めされ、長期熟成される。夏は30℃を超え、冬は氷点下を下回るリンチバーグのバレルハウスで、常時約200万樽ものウイスキーを熟成
完成した樽の内側を弱火で下焼きすることでオークが持つ成分を引き出し、次に強火で焦がしてカラメル化する。2段階の焼き入れをすることで甘みなどの成分が出て、独特な風味を生み出しているのだ

アメリカンカルチャーにJACK DANIEL’Sは欠かせない。

音楽、ファッション、映画、アートなどアメリカンカルチャーの背景には、必ずといっていいほどジャックダニエルの存在がある。特に音楽シーンでは、フランク・シナトラをはじめ、ロックのレジェンドたちなど、数々のアーティストが愛飲。リンキンパークのミュージックビデオにも登場するなど、時代を超えて深い結びつきがある。またボトルのデザイン性もありファッションや映画のシーンともマッチ。“かっこいい”という言葉が最も似合う、単なるウイスキーを超えたブランドなのだ。

ジャック・ダニエル氏は早い時期からバンドの衣装や楽器の資金援助をしていた。自身もシルバー・コーネット・バンドの一員として、音楽で政治家や街中の人々を楽しませたそうだ
1960~’80年代、アメリカでロックが爆発的に広まり、ジャックダニエルはこのムーブメントのアイコンとなった。そして現在、アメリカ文化の一部として様々なシーンに溶け込んでいることはいうまでもない
フランク・シナトラがジャックダニエルを知ったのはNYのバー。以降、ステージや自家用ジェット機、授賞式、永遠の眠りにつくときも、彼の隣には常にジャックがあった

JACK DANIEL’S OLD No.7ボトルの変遷。

ジャックダニエルのウイスキー造りがスタートして150年以上。OLD No.7は1904年にミズーリ州セントルイスで開催された万国博覧会で初めて金賞を受賞して以降、7つの金賞を受賞するなど、ジャックダニエルの歴史を紡いできた代表銘柄だ。モノトーンのロゴとラベル、1895年に採用されたスクエアボトルがOLD No.7のアイコン。それは初期の頃からほとんど変わっていないが、時代によって若干デザインが変わっているのがわかる。1947年は丸ボトルだった!

世代を超えて愛されるJACK DANIEL’S。

ジャックダニエルの誕生から変わらず大事にしてきたもの、それが「堂々と自分らしい人生を楽しむ」ということだ。どんな世の中でも自分を制限せず自分らしく、一瞬一瞬を楽しむ。そして新しい世界へ足を踏み入れるための後押しをする。それがジャックダニエルが伝え続けるメッセージだ。

JACK DANIEL’Sライフを楽しむ。

ジャックダニエルにはいくつか銘柄があるが、その中でも日常で楽しみたい銘柄をピックアップ。実際に試してみた我々がおすすめする飲み方やペアリングをご紹介しよう。

1.ステーキ

雑味がなくまろやかな味わいのOLD No.7は、どんなフードにも相性抜群。特に肉料理、ステーキとの相性はよく、赤身肉は旨みを、脂は甘みを存分に引き出し、後味はすっきりリセット。

OLD No.7

バニラやキャラメルの甘い香り、ココナッツや柑橘系、オークのスパイスを感じる。アルコール度数40%。

【おすすめの飲み方】

OLD No.7×コーラ
甘みとスパイスで世代を超えて愛されるアメリカ生まれのコーラとのコラボはイチオシ!

OLD No.7×ソーダ
すっきりとした飲み口で男女問わず人気なのがハイボール。一番“食事に合う”飲み方だ

【ベストフード】

ハンバーガーや唐揚げなどの肉料理はもちろん、濃いめの味付けの料理にもおすすめ

2.チョコレート

このウイスキーのバニラやキャラメルの芳醇な風味には、甘さとちょっぴり苦みがあるチョコレートがよく合う! 口の中で両者が組み合わさり、見事なマリアージュを味わうことができる。

GENTLEMAN JACK

2度のチャコール・メローイングで磨かれた究極にまろやかな味わいが特徴。アルコール度数40%。

【おすすめの飲み方】

オン・ザ・ロック
極めて滑らかな舌触りとまろやかな風味を味わうならやっぱりロック。少しずつ氷が溶けることで、味や香りに変化が感じられるのも面白い。映画や音楽を楽しみながらじっくりいただきたい。

【ベストフード】

チョコレートやドライフルーツ、ナッツといった甘みや風味のあるフードがジェントルマンジャックの味を引き立てる。口に広がる風味と鼻から抜ける香りを最も楽しめるペアリング。

3.かぼちゃのサラダ

ちょい足しとして使えるのもテネシーハニーの魅力。いつものかぼちゃのサラダにちょい足しすることでコクが増し、ハチミツとナッツを加えたような味わいを楽しめる。大人のサラダの誕生だ。

TENNESSEE HONEY

OLD No.7にハチミツ等を配合したフレーバード・ウイスキー。アルコール度数35%。

【おすすめの飲み方】

テネシーハニー×レモネード
相性抜群のハチミツとレモン。レモネードで割ることで、大人のハチミツレモンが出来上がる。炒ったナッツの香りがプラスされ、ウイスキーが苦手な人でも飲みやすくおすすめの飲み方。

【ベストフード】

バニラアイスやコーヒーなどにちょい足しすることでコクが増し美味しさ倍増。ドレッシングにプラスするのもありだ。また、デザート感覚でも飲めるので、スイーツと合わせてもお試しあれ。

飲酒は20歳を過ぎてから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。お酒は適量を。のんだあとはリサイクル。

【問い合わせ】
JACK DANIEL’S
https://www.jackdaniels.com/ja-jp

(出典/「Lightning 2024年5月号 Vol.361」)

この記事を書いた人
めぐミルク
この記事を書いた人

めぐミルク

手仕事大好きDIY女子

文房具、デザイン、ニッポンカルチャーなどのジャンルレスな雑誌編集を経てLightningへ。共通しているのはとにかくプロダクツが好きだということ。取材に行くたび、旅行するたびに欲しいものは即決で買ってしまうという散財グセがある。Lightningでは飲食、ハウジング、インテリアなどを担当。
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