ムッチリとした樹形が可愛らしい、塊根植物の普及種「アデニウム・アラビカム」

その奇妙で愛らしいフォルムやインテリアとしても存在感があることから、塊根植物の愛好家は急増中。そんな塊根植物の魅力にずいぶん前から傾倒し、自身のセレクトショップを立ち上げたときに、趣味が高じて塊根植物も販売し始めてしまったというオーナーが、すでに塊根植物の「沼」にハマッてしまった人や、初心者で塊根植物を育ててみたいと思っている人にもやさしくお届け! 今回は比較的手に入れやすいおすすめの品種を紹介。

塊根植物の中でも手ごろな価格で入手しやすい品種。

数多くの品種が存在する塊根植物。近年の塊根植物ブームにより、以前は写真でしか見ることのできなかった希少種なども目にする機会が増えてきたように思います。

目にする機会は増えたものの流通の少ない稀少種は、まだまだ高価な品種もたくさんあります。

今回ご紹介するアデニウム・アラビカム(アラビクム)は、そんな塊根植物の中でも入手しやすく価格も手頃な普及種ともいえる存在。名前を聞いたことや、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか?

種小名である「アラビカム」の名のとおり、サウジアラビアやイエメンなどアラビア半島が原産地の植物です。

しかし、流通している個体は主にタイで栽培された実生株であり、タイはアデニウムの世界最大の品種改良及び輸出国としても知られています。

しっかりと水分貯留する太い塊根部。

本来はアラビア半島の乾燥地帯に自生するアデニウムは、乾燥した厳しい環境に適応するために、太く肥大した塊根部に柔らかな貯水細胞を持ちます。

この貯水細胞を持つ塊根により、乾燥地帯でも水分を保つことができるのです。アデニウム・アラビカムは塊根植物の中では育成しやすい品種とされていて「塊根植物の入門種」などと言われることもあります。

確かに、乾燥に強い面など育成しやすい面はありますが、水捌けが悪く湿り気のある用土は嫌うなど塊根植物ならではのデリケートな性質も見られます。

また、日当りと風通しの良い環境を好むため、元気に美しく育成するためには心掛けたいポイントです。特に塊根植物の育成に慣れていない人や、本当に入門種として育成を始めたい場合は輸入直後の個体よりも、日本に輸入されてからある程度の期間が経過し、環境に馴染んだ個体をお迎えするのがオススメです。

鑑賞価値の高い魅力的な園芸種。

冒頭でお伝えした通り、タイはアデニウムの最大の栽培と輸出国ですがタイにおける栽培の歴史は100年以上に渡ります。長い年月をかけて、非常に多くの美しいタイプが作出されているアデニウムは鑑賞価値の高い園芸種といえます。

画像の個体は、アデニウム・アラビカムドワーフとして流通しているタイプで小さな個体でも塊根が太く、複数の枝を伸ばす樹形が魅力的です。

残念ながら今回は画像が無いのですが、アデニウムはピンク色の美しい花を咲かせてくれます。この花の美しさもアデニウムの特徴であり、開花した姿を見ることがアデニウムの育成における最も楽しい部分かもしれません。参考価格:6600

【DATA】
BIZARRE GREEN
長野県長野市篠ノ井布施高田879-1
TEL026-247-8160
営業時間 11時~20時 火曜定休
https://www.bizarre-green.com

この記事を書いた人
傳田達朗
この記事を書いた人

傳田達朗

塊根植物案内人

セレクトショップ 「BIZARRE GREEN」オーナー。約20年勤務したアパレルメーカーで商品企画やプレスを担当。2019年に独立し、地元である長野市にアパレルをメインに趣味の延長で植物も扱うセレクトショップBIZARRE GREEN(ビザールグリーン)をオープン。植物以外の趣味はヴィンテージ雑貨の収集など。
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