今やオールドカーにも「経年変化」が見直されている!? 味わい重視のクルマスナップ。ロサンゼルス編Vol.2

使い込まれて色褪せたり、独特のヤレた雰囲気になっていくプロダクツの経年変化はどんなモノにも当てはまる。

じつはそれまでは劣化というネガティブな評価がされていたものも、その時代を経ているからこそ生まれる味わいが、最近ではヴィンテージ価値として見直されてきたモノもあるのが昨今。そんな一例がクルマ。

見た目は汚いけれど、それこそが価値という見方もあり、それが今注目されていたりする。

そんな経年変化したクルマを旧車天国であるアメリカのロサンジェルスでスナップする第二弾。アメリカ車が中心になるのはご容赦ください(笑)。

塗り替えるよりも、オリジナルを維持することが新たな価値になっている。

ヴィンテージやアンティークの世界では、たとえば古着や時計、それにクルマやモーターサイクルなどは、当時そのままの雰囲気というのが価値として見出されてきた。先に挙げたプロダクツはどれもリペアができるため、時代を経ても新品同様のレストアが可能。

もちろんレストアをすればピカピカに生まれ変わるわけだけど、それよりも当時のパーツが経年変化したまま現在まで残っていることも価値なのではないかと言われてきている。

事実、クラシックカーなどはリペイントせずに、当時からそのままの経年変化したオリジナルペイントが、塗り直されたクルマよりも高額で取り引きされるなんていう例も少なくない。

今回もそんなオリジナルの雰囲気の残るクルマをロサンジェルスでスナップ。カッコいいと思うか汚いと思うかはあなた次第だけど、ジーンズのタテ落ちやダメージがカッコいいと思える人なら理解できる人も多いのでは。これも価値として認められている世界があることもお忘れなく。

働くクルマも乗用車も、カリフォルニアでは経年変化したオールドカーがたくさん生息する。

1948~1953年モデルのシボレー・ピックアップ。オリジナルのグリーンの塗装はだいぶお疲れ気味だけど、中まで錆びないのがカリフォルニアの日射し。ホイールがピカピカなところを見るとあえてこのボディのまま乗っていることがわかる。

日本では通称「羽根ベン」と呼ばれる1960年代のメルセデスベンツ220Sは、リアにテールフィンがデザインされているのが特徴。ボディのヘコミもそのままだし、ペイントは完全に艶がなくなってしまっているけど、さすがに欧州車はピカピカの方がいいよねという人が多そう。ただ、バンパーのメッキなどはキレイなことから、現状ではこのボディを楽しんでいることが想像できる。

初代となる1960年式のフォード・ファルコン。おそらく当時そのままのフルオリジナルかと思われる1台。4ドアセダンというやる気の無いモデルってのがさらに良い。完全に艶の無くなったボディは完璧なパティーナ。これをベースに中身を一新するのもカッコいい。

VWのレイトバス。正式にはトランスポーターの第2世代なのでT2と呼ばれる。初代のアーリーバス同様に愛嬌のあるルックスとシンプルな機構でカリフォルニアではサーファーたちにも愛用される。とくにサーファーの日常使いになると、ボディカラーは二の次なんていう車両も少なくない。これもずいぶんと塗装が経年変化しているけれど、現役のサーファーズ・ヴィークルとして活躍している。

見た目はこんなだけどしっかりと走っているので機関系はしっかりと整備済だとわかる1955年式シボレー・パネルトラック。ボディはオリジナル塗装のままでも気にしないというオーナーのおかげで、今や貴重な経年変化を確認できる個体になっている

外観はノンレストアでも「味」があればアリなのだ。

あえて、当時そのままの塗装で乗るというスタイルは賛否が分かれるだけに、かなり「好き者」な趣向。でも、ちょっと旧いクルマであれば「ナシ」なことも、30年、40年前のヴィンテージであればスタイルとして「アリ」になってしまうからおもしろい。もちろんキレイにオリジナルの塗装が残っていることは最重要だけど、今後は経年変化したペイントも価値基準としてもっと重要視されていく流れがある。一朝一夕ではできない、年月こそが出せる「味」に、多くの人が気づき始めているってわけだ。クラシックカーやアンティークの世界はだからおもしろいのかもしれない。

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

これが“未来のヴィンテージ”。綿、糸、編み機……すべてに徹底的にこだわる唯一無二のカットソー

  • 2026.04.27

綿、糸、編み機……。素材から製法まで徹底的にこだわり、唯一無二のカットソーを創り続けるライディングハイ。「FUTURE VINTAGE(未来のヴィンテージ)」を目指す彼らのフィロソフィは如何にして形成されているのか。プロダクトの根幹をなす代表・薄 新大さんの“アイデアの源”に迫る。 More tha...

無骨と涼感。どちらも、ステュディオ・ダ・ルチザンで手に入る

  • 2026.05.02

異なる魅力を持つふたつのスタイル。だが、その根底にあるのは、日本のモノづくりに裏打ちされた丁寧な作りと、細部に宿る遊び心である。 制約が生んだ大戦期の美学! 物資統制下にあった大戦期、簡略化されたディテールの中から生まれた機能美。その無骨な佇まいをベースに、ステュディオ・ダ・ルチザンが現代的に再構築...

夏服選びはエイトジーで完成させる! “ちょうどいい”アメカジアイテムが続々登場

  • 2026.05.01

エイトジーで完成させるお気に入りの夏支度。アロハにショーツ、Tシャツなど、エイトジーらしい“ちょうどいい”アメカジアイテムが今シーズンも徐々に揃い始めているぞ。 生地、グラフィック、色合いがマッチし、まるで着るアートピースのような存在感。|Waikiki Leaf & Fish Lot:8A...

スニーカー派こそ知っておきたい、「クラークス オリジナルズ」の名作シューズとその歴史。

  • 2026.05.12

ご存知、英国生まれのシューメーカー「クラークス オリジナルズ」。実は本誌が標榜するアメリカンスタイルとも縁深い同ブランドの魅力について創業から現代にかけての歴史や数々の名作とともに、再考してみたいと思う。 英国で生まれ、アメリカで人気に火がついた稀有な存在。 アメカジ好きの本誌読者の皆様は、クラーク...

大人メンズの手首に最適解なバングルを……「アリゾナフリーダム」を象徴するモチーフ“唐草”。

  • 2026.05.08

アリゾナフリーダムを象徴するモチーフのひとつ、唐草。創業当初から脈々と受け継がれ、ブランドの核として多くのファンに愛され続けてきた、いわば普遍的なデザインだ。一見すると同じ唐草でも、彫りの深さやラインの強弱、バングルの幅やサイズによって印象は大きく変化する。その多彩な表情こそが、このモチーフの大きな...

Pick Up おすすめ記事

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...

スニーカー派こそ知っておきたい、「クラークス オリジナルズ」の名作シューズとその歴史。

  • 2026.05.12

ご存知、英国生まれのシューメーカー「クラークス オリジナルズ」。実は本誌が標榜するアメリカンスタイルとも縁深い同ブランドの魅力について創業から現代にかけての歴史や数々の名作とともに、再考してみたいと思う。 英国で生まれ、アメリカで人気に火がついた稀有な存在。 アメカジ好きの本誌読者の皆様は、クラーク...

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」がシルバー300個、金30個の限定アイテムを発売。トリプルコラボのデニムにも注目!

  • 2026.05.11

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」からメモリアルな逸品が登場。限定なのでこの機会を見逃すな! また、定番のアイテムも一挙紹介。ハンドメイドならではの美しい細部に注目だ。※価格は全て税抜きです 【NEW ARRIVALS】30th Anniversary Arrow Feather Ser...

これが“未来のヴィンテージ”。綿、糸、編み機……すべてに徹底的にこだわる唯一無二のカットソー

  • 2026.04.27

綿、糸、編み機……。素材から製法まで徹底的にこだわり、唯一無二のカットソーを創り続けるライディングハイ。「FUTURE VINTAGE(未来のヴィンテージ)」を目指す彼らのフィロソフィは如何にして形成されているのか。プロダクトの根幹をなす代表・薄 新大さんの“アイデアの源”に迫る。 More tha...

夏服選びはエイトジーで完成させる! “ちょうどいい”アメカジアイテムが続々登場

  • 2026.05.01

エイトジーで完成させるお気に入りの夏支度。アロハにショーツ、Tシャツなど、エイトジーらしい“ちょうどいい”アメカジアイテムが今シーズンも徐々に揃い始めているぞ。 生地、グラフィック、色合いがマッチし、まるで着るアートピースのような存在感。|Waikiki Leaf & Fish Lot:8A...