多様性に富んだユーフォルビア属の植物たち。

  • 2023.07.04  2023.03.24

グリーンインテリアとして昨今、人気上昇中の塊根植物。ずいぶん前からそんな塊根植物の魅力にハマり、自身のセレクトショップを立ち上げたときに趣味が高じて塊根植物も販売し始めてしまったというオーナーが、すでに塊根植物の「沼」にハマッてしまった人や、初心者で塊根植物を育ててみたいと思っている人にもやさしくお届け!

基本からレア品種までの塊根植物の紹介や、育成のコツ、それに塊根植物にまつわるツールや雑貨などをゆるーく記事にしていきます。今回は塊根植物になかでも多くの種類が存在するユーフォルビア属の塊根植物をセレクトして紹介します。

ユーフォルビア属とひとくくりでも、その姿は多種多様に存在。

ビザールプランツ(珍奇植物)と呼ばれる植物の中でも、非常に多くの種を持つユーフォルビア属の植物。塊根タイプや多肉タイプなど様々な種類が含まれるユーフォルビア属は、トウダイグサ科の植物であり2,000以上の品種が存在すると言われています。世界各地に分布したことで進化した姿は多様性に実に富んでいます。

今回は、そんなユーフォルビア属の植物の中でも比較的入手しやすく人気のある品種をいくつかご紹介します。

その1ーパイナップルのような姿で女子人気も高め。

葉が出ている生育期の姿がパイナップルのようで可愛らしいユーフォルビア・ブプレウリフォリア。

その可愛らしい姿で女性にも人気の高い品種ですが、葉が落ちた後に残る凸凹とした突起が鉄の鎧や兜に似ていることから「鉄甲丸」という勇ましい和名が付けられています。

日本では鉄甲丸という名で親しまれているため、ブプレウリフォリアという名で呼ばれることはほとんどありません。

南国的な容姿を持つ夏型の品種ですが、真夏の蒸し暑さはやや苦手な面があるため高温多湿になり過ぎぬように注意して、風通し良い環境で根腐れを防いであげることが重要です。

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その2ーサボテンではありません。

多肉タイプのユーフォルビアでは代表的な品種であるホリダは、サボテンの様な姿が特徴的です。初めて目にする人の多くが、サボテンと間違える品種かもしれません。

サボテンの刺に比べると刺自体の鋭さは弱い印象ですが、この刺は花が咲いた後に残る花茎の部分が残り硬くなったものです。

ホリダには様々なタイプが存在し、肌の白さや縞模様などで稀少性や価値も異なります。ちなみに、こちらの個体は「ホリダアルバ」と呼ばれる人気の高い白肌タイプです。

ホリダのように多肉質な品種は、体内に水分を貯めることができるため、水切れよりも水の遣りすぎに気を付けて管理するのがポイントです。

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花は小さめです。

タイミング良くホリダが開花していたので、撮影もできました。開花中の姿を見るとサボテンとの違いがよくわかると思います。

花自体は小さく目立ちにくいですが、開花したばかりの花茎は赤っぽい色をしています。花が枯れたあと、この花茎は茶色く変色し硬い刺になり残ります。

その3ーギリシャ神話に由来するタコモノユーフォルビア。

ユーフォルビアの中では、通称「タコモノ」と呼ばれるタイプに属する「ユーフォルビア・ゴルゴニス」。

ゴルゴニスの名は、ギリシャ神話に登場するヘビの頭髪を持つ怪物に由来します。気難しい種もあるタコモノユーフォルビアの中では、多少の耐寒性もあり育てやすい

品種ですが、枝を徒長させずに美しい姿をキープするためには水遣りをやや控えめにすることと、日当りと風通しの良さが重要になります。

ゴルゴニスは比較的入手しやすい品種ですが、タコモノのなかには滅多に流通しない珍しい物や非常に高額な品種も存在します。

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その4ービギナーからベテランまでも虜にする球形ユーフォルビア。

ユーフォルビアの中では知名度も高く、現在最も人気のある多肉タイプの品種と言っても過言ではないのが、こちらの「オベサ」です。

「バスケットボール・プランツ」という英名を持ち、ボールの様な可愛らしい姿が特長です。この可愛らしい球体のフォルムは、成長と共に円柱状に変化していきます。

また、株が成熟していくことで肌が茶色く木質化することもありますが、近年は木質化した個体を好んで探す愛好家も増えています。比較的、丈夫で育てやすい品種ですが、水の遣りすぎには注意が必要です。

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その5ー日本生まれのユーフォルビア「峨眉山」。

最後に紹介するのは、日本で作出された交配種「ユーフォルビア・峨眉山(ガビザン)」です。

最初にご紹介した鉄甲丸と同様、パイナップルのような姿が特徴的ですが、これは交配に鉄甲丸が用いられているためです。

同じユーフォルビアの仲間である鉄甲丸とスザンナエ(瑠璃晃)を交配することで誕生した峨眉山は、鉄甲丸に似た姿で瑠璃晃の様に子株を増やし群生していきます。

夏の蒸し暑さが苦手な鉄甲丸に、丈夫な瑠璃晃を交配した育てやすく魅力的な品種といえます。珍奇植物の中では割と安価であり、子株を増やしながら成長する姿を楽しめるビギナーの方にもお勧めの品種です。

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今回紹介させていただいたのは、数あるユーフォルビア属のなかでもメジャー品種ばかりなので、目にしたことやすでに育成されている方も多いかもしれません。

入手しやすい品種から実物を目にすることができないほど稀少な品種まで、多種多様な姿で楽しませてくれるユーフォルビア属の植物たち。また、別の品種も少しずつ紹介させていただきたいと思います。

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