8世代目コルベット(C8)の進化が止まらない。
来年の話をすると鬼が笑うと言うけれど、自動車業界は来年、さらにその先まで見据えて新たなモデルを模索する。自動車は簡単には生産できないプロダクツなだけに、計画から開発、そして生産、販売するまでの年月は壮大なプロジェクトになるわけだ。まだ2023年になったばかりだというのに、すでに2024年の話も当たり前。
2024年のニュースと言えばアメリカで生まれた純血スポーツカーであるシボレー・コルベットが70歳。1954年式として(発表は1953年)当時では革新的だった軽量なFRP製ボディを擁し、2シータースポーツとして生まれたコルベット。発売初年度はブルーフレームと呼ばれた直列6気筒を搭載したけれど、すぐにOHV(オーバーヘッドバルブ)のV8エンジンを標準搭載。軽量でコンパクトなボディに力強いV8エンジンを載せることでその走りが遅いわけがない。オイルショックも日本やヨーロッパメーカーの攻勢にも屈せず、その個性的なボディデザインもあって、今もアメリカン・ピュアスポーツカーの地位を不動にしている伝統的なモデルになっている。
そんなコルベットのビッグニュースは、現行モデルである第8世代でそれまでのフロントエンジン・リア駆動から、ミッドエンジン・リア駆動へと大幅にレイアウト変更をしたこと。これによって、フロントエンジン搭載の最終モデルがプレミア価格になったというのも皮肉だけれど、それまでの伝統を刷新してまでパフォーマンスを向上させたことで、日本や欧州のスーパーカーとはひけを取らない世界基準のスーパーカーといえるスペックへと生まれ変わった。
そして生誕70周年となる2024年はさらなる改革が。なんと伝統の後輪駆動から電動4WD化するという。いわゆるハイブリッドで、ガソリンエンジンで後輪を駆動させ、電動モーターで前輪を駆動させるというシステムを採用。もちろん電動モーターだけの走行も可能で、時速70km以上のEV走行(ステルスモードと名付けられてる)ができる。
コルベットの第二世代から使用されている名前スティングレイ(Stingray)にちなんで、Erayと名付けられたこのモデル。北米では2024年モデルとして2023年内には発売される予定。
といってもメインとなるミッドシップレイアウトのエンジンは自然吸気の6.2リッターになるOHV-V8(495馬力)。DOHCとかターボとかにも目もくれず、伝統的なアメリカ車らしさは残している。電動モーターを組み合わせても、OHVのV8エンジンは譲らない。そんなところにアメリカ車の哲学を感じる進化になっているだけに、往年のファンにも受け入れられるに違いない。
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