熟練編集者たちの経年変化談義。「革ジャンのキモはやっぱりエイジングだよね!」

普段数々の革ジャンを見ている編集者たちも、エイジングには一家言ある曲者揃い。そこで編集部を代表してモヒカン小川とイスカンダル功のふたりがライトニング読者の大好物、革ジャンのエイジングについての緊急座談会を急遽行うことに。趣味も個性も違うこのふたり、一体どんなエイジングが好みなのか……?

ライトニング編集部・モヒカン小川

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。

ライトニング編集部・イスカンダル功

ホビー誌編集長を経て、2018年から別冊ライトニングで『ヴィンテージ・ギター』や『ヴィンテージ・オート』などのムックを担当後、ライトニング編集部に正式加入。'80~'90年代のカルチャーが大好物でラジコンに関しては一家言あり。

着方や仕上げによって変わる革ジャンのエイジング。

01 TENJIN WORKS C’man Fishtail Coat FJ02

02 BUZZ RICKSON’S Type A-2 BUZZ RICKSON CLOTHING CO.

03 The REAL McCOY’S Type A-2 REAL McCOY MFG.CO.

04 Schott 613UST ONESTAR

05 ADDICT CLOTHES JAPAN AD-10 BMC JACKET

06 BILTBUCK Grizzly Jacket

07 FOUNTAINHEAD LEATHER BETA

08 FINE CREEK & CO. FREDDY

 いや〜ここまで着込まれた革ジャンが並ぶと壮観ですね。

小川 革ジャンは着用者の生き様を刻むからね。俺たちはいま8名の人生を見てるわけ。功さんなら、この中でどのエイジングが好み?

 どれもカッコよくて選びにくいんですが、しいて言えば#05かな。ライトニング編集部に来て、茶芯の魅力に目覚めたんですよ。

小川 いいね〜! これはシープスキンなんだけど、美しい茶芯の見本みたいなエイジング。まさに理想形だね。#03なんか、茶から茶芯が出てるでしょ? これもおすすめ。

 なるほど。僕、革ジャンが欲しいんですよ。カタチはもちろんですが、やっぱりカッコよくエイジングするモデルが欲しいじゃないですか。もっと知りたいんです。

小川 俺が教えてやる。例えば#01。タンカラーが飴色になるエイジングはすごく美しいんだけど、最初はキン消しみたいな色なわけ。そんな「ウブい」状態で着続ける気合と覚悟がある人向けだな。

 なるほど。これはベジタブルタンニン鞣しですよね? 小耳に挟んだことがあるんですけど、ベジタブル鞣しじゃないとエイジングしないって本当ですか?

小川 愚問だな。確かにベジタブル鞣しの方がエイジングしやすいし、クロム鞣しはエイジングしにくいけど、だからこそバイカーギアに選ばれるわけ。ベジタブルに比べて水に強いし。でもエイジングしないというのは大間違い。#04を見てみて。これはクロムのステアハイドだけど、皺が入ってカッコいいでしょ? この皺が無数に刻まれる感じが、クロムの魅力なわけよ。

 僕もバイクに乗るから、クロム鞣しもアリなんですね。

小川 バイク乗りにしか出せないアジもあるからね。

 ますます革ジャンが欲しくなってきた! ちなみに#08のエイジングもヤバくないですか? 立体感がもの凄いですね。

小川 これは俺が着こんだやつね。顔料仕上げの馬革で、表面の顔料が割れて皺がよりダイナミックに見えるんだよ。

 仕上げによってもエイジングって変わるんですか! なんだか難しそう……。

小川 そんな功さんに読んでもらいたいのが『革ジャンバイヤーズカタログ』ね。革ジャンの基礎からおすすめモデルまで、徹底的に解説してるから、絶対にお気に入りの1着に巡り合えるよ。

 マジすか! 読みます!

>>購入はこちらから

(出典/「Lightning2023年2月号 Vol.346」)