ここ最近、往年の名車をオマージュしたデザインの車両が多く登場している。クルマのデザインを追求すると'80年代や'90年代を飛び越えて'60年代にたどり着くようだ。フォードの小型スポーツカー、マスタングは、'64年に登場した初代モデルをセルフオマージュしたデザインとなっている。MACH1やシェルビーGT500も、初代モデルに設定されたホットグレードを受け継いだものだ。一方、2021年に四半世紀の時を経て復活したブロンコ、'66年登場の初代モデルを大きく意識したデザイン。トップグレードのラプターは、多くの部品を共用するフォードF150に設定された最強グレードに由来している。
2022 FORD Bronco Raptor
RAPTORは3リッターのV6エコブーストエンジンを搭載。FOXショックを標準で装備し、外径37インチという巨大なタイヤを装着。多分にジープラングラーのルビコンを意識したグレード設定となっている。
復活したブロンコはすでに日本にも並行輸入で持ち込まれているが、2022年より新グレードとしてラプターが追加された。
初代ブロンコは、ジープへの対抗馬としてスクエアなボディと四輪駆動システムを持つコンパクトSUVとして'66年に登場。ボディバリエーションは、ワゴン、ピックアップ、そして写真のロードスターが設定された。
2022 FORD Mustang mach 1
2021年モデルに限定で復活したMACH1は、'69年モデルに設定されたパフォーマンスグレードにルーツを持つ。470馬力を発生する5リッターのV8エンジンに6速マニュアルもしくは10速ATの組み合わせとなる。
MACH1は専用のフロントバンパーやボンネットスクープ、リアスポイラーなどを備えるのが特徴。
2022 FORD Mustang Shelby GT500 Heritage Edition
現行マスタングの最高峰に君臨するのが、初代モデルにも設定されたシェルビーGT500だ、スーパーチャージャーで過給する5.2リッターV8を搭載し、760馬力を発生。トランスミッションも専用の7速DCTの組み合わせとなる。
シェルビーの名を冠したモデルは通常のマスタング(野生馬)エンブレムではなく、ゴブラのエンブレムが備わるのが特徴。
【問い合わせ】
フォード
https://www.ford.com/
(出典/「Lightning2022年10月号 Vol.342」)
Text/D.Katsumura 勝村大輔