庭づくりの新たなカタチ!? プライベートスケートパークのススメ。

ここ最近スケートパークの数自体は増えてきたものの、公共施設はどこへいっても守るべきルールがある。でもせっかく滑るならBBQなんかもしながら自由気ままに楽しみたい。そこでオススメしたいのが自分だけのプライベートパーク。ここでは、そんな夢を叶えてくれる職人集団、MBM Park Buildersをご紹介。

「MBM Park Builders」代表・木村將人さん

20歳でSK8に出会い、土木業の傍ら’99年にショップAXISをオープン。現在は国内最高峰のパークビルド集団のボスとして、一癖も二癖もある職人スケーター達を束ねている。

庭のオブジェにも最適。自由度が格段に上がる最高の遊び場。

昨夏の東京五輪におけるメダルラッシュで、現在全国各地に建設が相次ぐスケートパーク。MBMはそんな五輪会場も施工した実績を持つ、リアルスケーターで構成されるプロフェッショナル建設集団だ。

アメリカのビルダーから学んだのが、この吹き付けてから左官で仕上げる方法。定規やコテを用いた技術力の高さは日本にはない文化だ

「2000年に行ったアメリカで現地のパークに感動してしまって。もともとスケートショップ運営と同時に土木もやっていたので、帰国後にアクシスというパークを造りました。当時は自分たちの知識で造っていたのですが、7年前の現店舗に移転のタイミングでアメリカからビルダーを呼び、本場の技術をいち早く習得したことが大きかったです。その後オリンピックが正式に決まり、新たに専門の部署を作って事業規模もどんどん大きくなっていきました」

ただ彼らのルーツは、全国各地を回りながらエンドユーザーの自宅の庭にパークを造ること。その想いは今も変わらない。

自宅のパークを滑っているのは将来を嘱望される高校生プロの松本浬璃。このプライベートパークは両親が彼の練習環境を整えるために造ったそう

「仕事である以上、公共施設のような大規模なものも造り続けますが、そういったところでビジネスベースを作っておけば、個人宅さんの場合は予算の都合もつけやすいです。それに今はスケートパークの在り方も様々で、ボウルは夏に水を溜めればプールにもなりますし、駐車場の奥にボルケーノを造ってシンボルツリーを植えれば、デザイン性も高まります。そういった設計の相談にも応じるので、気軽にご連絡ください」

パークメインセクションのレッジとレールの先にあるこのクォーターは、スピードをつけたエアートリックやトリックの繋ぎに用いる
両サイドからアプローチ可能な、パークのメインとなるダウンレッジ&レールセクション。自宅にしては贅沢な練習環境となっている
ダウンレッジ&レールにアプローチする際に使うクォーター。ここからドロップインして、それぞれのセクションにトライしていく

MBM Park Builders のお仕事。

スケートパークの設計・施工に特化した専門部署としてMBMが立ち上がって以降、前述の五輪会場である有明アーバンスポーツパークを始め、実に様々なスケートパークの施工を行ってきた。ここからは過去に手がけた代表的なパークの一部を、個人宅に造ったプライベートパークと共に紹介していこう。

鵠沼海浜公園スケートパーク くげぬまコンビプール

2018年11月のオープン以降、各所で注目を集めている日本最大級のパークスタイルコース。約1100㎡のエリアにはボウルやス
パイン、レイバックバンクといったセクションがバランスよく配置されており、その最大高低差はなんと10フィート。最近第一回となる日本オープンを開催したばかり。

笠間芸術の森公園スケートパーク ムラサキパークかさま

昨年4月に茨城県にある笠間芸術の森公園あそびの杜にオープンした、ムラサキスポーツが手がけるスケートパーク&ショップ。 コンクリートパークとしては国内最大級となる4600㎡の広さとなっており、東京五輪ではフランス代表チームが事前キャンプを行っている。

TOKYO SPORT PLAYGROUND SB DUNK SKATE PLAZA

柵や塀に囲まれたパークではなく、カルチャーや風景との融合をテーマに造られたNike SBによる施設。ステア、バンク、ボックス、レールなどストリートのあらゆる要素が詰まった初心者にもオープンなスケートプラザで、車いすのままでも遊ぶことができる回転遊具も設置されている。

千葉県一宮町/H邸プライベートパーク

海好きが高じて千葉の外房に移住したサーファーの方が所有するパーク。プールコーピングの下に張られたタイルは自宅キッチンと同じ柄になっており、観て楽しんで、滑って楽しめる家に仕上がっている。

愛知県豊田市/Y邸プライベートパーク

スケーターの子供のために製作したボウル。本人もサーファーのため、マニューバーの練習にもなるようアールはキツめに仕上げている。また真ん中の方でBBQもしたいからとフラットは広めにとっている。

(出典/「Lightning2022年6月号 Vol.338」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

“黒のコロンビア”って知ってる? オンオフ自在に着回せる、アップデートされたコロンビアの名品を紹介!

  • 2025.10.21

電車や車といった快適な空間から、暑さや寒さにさらされる屋外へ。都市生活は日々、急激な気温差や天候の変化に直面している。実はその環境こそ、自然で磨かれた「コロンビア」の技術が生きる場だ。撥水性や通気性といったアウトドア由来の機能を街に最適化し「コロンビア ブラックレーベル」は、都市生活者の毎日を快適に...

いつものトラッドがこんなにも新鮮に!ジャパンデニムの雄エドウインが提案する、クラシックな黒

  • 2025.10.18

“黒”という色はモードファッションとの結びつきが強い。故にトラッドスタイルとの親和性は低いように思われる。しかし、エドウインの提案する“黒”は実にクラシックである。 クラシックなトラウザーズが黒とトラッドを身近にする ブレザー、ボタンダウンシャツ、スラックス……。アメリカントラッドを象徴するアイテム...

進化と伝統、どちらもここに。「L.L.Bean」のアウトドアと日常の垣根を超える名品たち。

  • 2025.10.17

100年以上にわたり、アウトドアと日常の垣根を越える名品を生み続けてきた「エル・エル・ビーン」。誠実なモノづくりと顧客への真摯な姿勢は、現代まで脈々と受け継がれている。伝統を守りながらも進化を恐れない、その精神こそが、今も世界中の人々を魅了し続ける理由だ。 愛される理由は機能美とその誠実さ 100年...

【Punctuation × 2nd別注】手刺繍のぬくもり感じるロングビルキャップ発売!

  • 2025.10.29

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Punctuation × 2nd】ロングビルキャップ[トラウト] 温もりのある手仕事が特徴の帽子ブランド「パンク...

【J.PRESS×2nd別注】こんなイラスト、二度と出会えない。 著名イラストレーターとのコラボスウェット。

  • 2025.10.21

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【J.PRESS×2nd】プリントスウェットシャツ【AaronChang】 アメリカにある優秀な8つの大学を総称して...

Pick Up おすすめ記事

【J.PRESS×2nd別注】こんなイラスト、二度と出会えない。 著名イラストレーターとのコラボスウェット。

  • 2025.10.21

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【J.PRESS×2nd】プリントスウェットシャツ【AaronChang】 アメリカにある優秀な8つの大学を総称して...

【Punctuation × 2nd別注】手刺繍のぬくもり感じるロングビルキャップ発売!

  • 2025.10.29

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Punctuation × 2nd】ロングビルキャップ[トラウト] 温もりのある手仕事が特徴の帽子ブランド「パンク...

いつものトラッドがこんなにも新鮮に!ジャパンデニムの雄エドウインが提案する、クラシックな黒

  • 2025.10.18

“黒”という色はモードファッションとの結びつきが強い。故にトラッドスタイルとの親和性は低いように思われる。しかし、エドウインの提案する“黒”は実にクラシックである。 クラシックなトラウザーズが黒とトラッドを身近にする ブレザー、ボタンダウンシャツ、スラックス……。アメリカントラッドを象徴するアイテム...

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...

進化と伝統、どちらもここに。「L.L.Bean」のアウトドアと日常の垣根を超える名品たち。

  • 2025.10.17

100年以上にわたり、アウトドアと日常の垣根を越える名品を生み続けてきた「エル・エル・ビーン」。誠実なモノづくりと顧客への真摯な姿勢は、現代まで脈々と受け継がれている。伝統を守りながらも進化を恐れない、その精神こそが、今も世界中の人々を魅了し続ける理由だ。 愛される理由は機能美とその誠実さ 100年...