オシャレなオトナの嗜みとして1本は持っていたい。ヴィンテージアイウエアの市場価値は?

  • 2022.07.07

実用的というだけでなく、オトナとしての魅力を引き立てるアイテム・アイウエア。使い方次第で見た目の印象を大きく変える重要なアイテムだけにさりげなくヴィンテージを使いこなして大人のオシャレを楽しんでいただきたい。

「オールドアート アンティーク&ヴィンテージ」代表・近田章さん(右)/スタッフ・根木雄太郎さん(左)

アメリカモノのみならずヨーロッパから買い付けたアイウエアのほか、カレッジリングやフリーメイソングッズ、腕時計、雑貨などを扱う「オールドアート アンティーク&ヴィンテージ」(愛知県名古屋市緑区)のふたり。アイウエアは販売だけでなくレンズの加工も行ってくれる(度なし)

素材使いや装飾の細かさが独特の雰囲気を醸し出す。

アイウエア(メガネ)の歴史を紐解くと、その誕生は13世紀後半あたりのイタリアという説が有力。ちなみにレンズは遥か以前の紀元前700年頃、現在のイラク北方・アッシリアの遺跡から発見されたものが最古といわれている。

その後、18世紀にイギリスで現在の原型になるツル付きのモノが登場。当時はまだ高級品だったが、18世紀半ばの産業革命を経て一般的に広がったといわれる。

ヴィンテージ市場の人気から最近はハイブランドや各アイウエアメーカーもこぞってヴィンテージの復刻モデルを手がけているが、やはり当時と素材も異なるし、なにより時間を経た風合いの出方などはやはり本物の風格には及ばない。メガネとしてだけでなくサングラスとしても使えるから目のいい人も1本といわず持っておくとファッションの幅も広がるはず

アイウエアの世界では一般的に1980年代以前をヴィンテージと呼ぶ傾向にある。特に1960年代以前は、同じプラスチック製でも柔軟性を上げるために可塑剤を使用する割合が高いため、重量が重いものの、それが現行品にはない重厚感や風合いを醸し出していたり、1950年代以前のものになると、大量生産品には見られない細かい細工が施されていたりと、同じようなデザインでも比べてみるとやはりヴィンテージ品は存在感が圧倒的といえる。

さらに、最近は1930年代以前のメタルフレームや、アメリカとはデザインが異なるフレンチヴィンテージなど、新たに注目されているジャンルもあるようで、そのあたりのトレンド事情をヴィンテージアイウエアも数多く揃える

「オールドアート」の近田さんと根木さんに伺ってみよう。

人気のモデルは年々高騰狙い目はアンティークや欧州系。

ヴィンテージアイウエアといえば、近年ではジョニー・デップが2004年公開の映画『シークレットシャドウ』で使用したことで大ブレイクしたタートオプチカルのアーネルが有名(オリジナルはジェームス・ディーン)。

ブレイクのきっかけは人気スター着用モデル。最近だとジョニー・デップが愛用したたタートオプチカルのアーネルが有名だが、その元ネタはジェームス・ディーンだそう。やはり人気スターや著名人の着用モデルは時代を問わず人気が高い

「最近はさらにヴィンテージ全体の人気が高くなっていることもあって、人気モデルだと数十万円という値がつくこともあります。それは初めての人は手が出しづらいじゃないですか。そこで僕たちが最近注目しているのが1930年代以前に見られる『メタルフレーム』と呼ばれるモノです」

文字通り金属製で、その多くは10金で作られ(金張りも)、各所に細密な装飾がほどこされるなど、工芸品とも呼べる贅沢な作りが特徴だ。

サイズ感も好みなので自分の好みのデザインやかけ方を知っておくと探しやすい。オークションなどだとサイズや素材感などが確かめられないので、慣れないと失敗することも。実物を揃えるショップで試着できればベストだ

「あとは、アメリカのモノのアメリカンオプティカル、ボシュロム、シュロンという三大メーカーのなかでも手頃に買える質実剛健なセーフティグラス系、装飾がキレイなブロータイプ、アメリカモノとは違う雰囲気のフレンチヴィンテージなんかも現在人気が高まってきています」

とはいえメガネは実用品。レア度よりも似合うかどうかが重要。あれこれ試してお気に入りの一本を見つけて、新しい自分との出会いも楽しんでみてはいかが?

ヴィンテージアイウエアと言ってもタイプはいろいろ。

メタルフレーム

金属製のフレーム。特に1920年代以前のアンティークに多く見られる。円形のレンズがどことなく知的なデザイン、金張りや金など現代と比べ素材が豪華で造りも繊細なことから、近年注目が集まりつつあるジャンル。

ブロウタイプ

メガネのリム上部の眉(ブロウ)部分に金属や樹脂を使用して、眉毛のように強調されているフレームで、知的でオシャレな印象に変わるとビジネスシーンでも人気のタイプ。ブロウの角度や太さ、装飾などで個性も様々。

フレンチヴィンテージ

日本の市場ではアメリカンブランドが圧倒的に人気だが、もちろんヨーロッパ各国のヴィンテージもある。なかでも玄人に受けるのがフランスのヴィンテージ。数は多くないが歴史の古いイタリア、イギリスも注目が高まっている。

セルフレーム

プラスチック製のフレームで、時代によってセルロイド、アセテートなどがある。現行品とは素材の配合が異なるので、古いモノだと劣化していることも。ウェリントン、ボストンなどデザインによって様々なスタイルがある。

セーフティ/ゴーグル

主に工場で作業するワーカーたちが身につけた目を保護するためのアイウエアで、フレームのサイドに目を保護するためのガードが設けられているタイプ。作業用として、バイク用のゴーグルとして使うのもオシャレ。

市場価格を知る!

著名人モデルは年々高騰し、今や10万円を超えるモノもザラで、人気モデルに近いモノも少しずつ高騰してきているような状態。復刻品なども多く出ているので人気モデルはよほど好きでないと手が出ないだろう。珍しいところだと、少し値は張るが1920年代以前のアンティークに見られるメタルフレーム。徐々に人気が高まるフレンチヴィンテージも徐々に高くなってきている。

メタルフレーム

シュロンのオール10金フレーム。パッドも10金という贅沢な作り。1910 ~’20年代製。サイズが小さいので女性か子供向き。5万円
アメリカンオプティカルの1930年代製。金ではないがメタルフレーム。箱付きのデッドストックでオリジナルのレンズ付き。4万円

ブロウタイプ

アメリカンオプティカル。1950 ~’60 年代製。人気のマルコムXモデルに近いデザイン。ウィングヒンジが目を引く。4万円
1950~’60年代のアメリカンオプティカル製。ブリッジおよびヒンジ部分の細かい装飾が高級感を感じさせる。3万円

フレンチヴィンテージ

仏製。’50年代。メーカー不詳。クラウンパントと呼ばれるスタイルでブリッジはキーホールと言われるフランスらしいデザイン。ASK
1950 ~’60年代の仏セレクタ製。セルロイドを使ったクラウンパントの最も古い形といわれるモデル。キャッツアイ風。ASK

セルフレーム

アメリカンオプティカル。1960年代のデッドストック。ジョニデ愛用でブレイクしたアーネルとデザインが近いモデル。3万5000円
1980年代。USS。アメリカ軍で支給された官給品。デザインのバリエーションは多数あるが軍モノ好きにはオススメ。1万5800円

セーフティ/ゴーグル

アメリカンオプティカル。サイドに目を守るシールドが付くメタルフレームのセーフティグラス。オリジナルガラスレンズ付き。3万円
アメリカンオプティカル。1960年代デッドストックのセーフティ グラス。ワイヤーテンプル。オリジナルのガラスレンズ。3万円

経年がもたらす素材の風合いと豪華な作りはヴィンテージならでは。ヴィンテージアイウエア市場では圧倒的にアメリカブランドが人気で、価格は年々上昇傾向にあるため、掘り出し物を探すならアンティークや、フランスなど欧州系のヴィンテージを狙うのもオススメかも。

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「Lightning2022年5月号 Vol.337」)

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