革ジャン評論家が選んだ、読書のお供は酒と「VASCO」×「TiL」のLeather Bookwear

欲しいモノが尽きないライトニング編集部員が、いま気になるモノから実際に購入しちゃったモノまで、ジャンルに限らず何でも紹介! 今回は、先日、神田の古書店で『小説吉田学校 全8巻』(戸川猪佐武)をゲットし、この正月は、永田町の怪物たちが繰り広げた、戦後日本の自民党政争史を肴に、酒を飲んでいた革ジャン評論家・モヒカン小川がお届け!

本と革、そして酒でもあれば、それで十分だ。

好きなものを3つ挙げよ。という問いがあったとする。俺は迷わず「本、革、酒」と答える。女性も大好きだが、そんな当たり前すぎる無粋な回答は、俺はしない。本、革、酒、この3つの優劣は、正直つけ難い。が、春・秋・冬は毎日革ジャン、夏はレザーベストと365日革を着続け、また酒を飲まない日はあっても、本を読まない日はないので、無理やり順位を付けるとすれば、本と革が、同率1位ということになるかもしれない。

旭川のショップ「TiL」仕様のレザーブックウエアも用意。箔押しが施され、豪華な印象を受ける。洋書のような佇まいが◎

そんな俺にとって、願ってもないアイテムが登場した。革のブックカバー、その名も「レザーブックウエア」だ。バッグで有名な「VASCO」と、旭川の名セレクトショップ「TiL」のコラボによって生まれたこのブックウエアは、ハンドダイの絶妙な質感を持つVASCOの革を使っており、使うほどに読むほどに、風合いを増していく。

最初から、使い込まれたような風合いが魅力のレザーブックウエア。手触りも申し分なし。レザー製のしおりも付く

あらゆる厚みの文庫に対応できる仕様となっており、何よりうれしいのは、タテ寸の長いハヤカワ文庫にも対応していること。通常、文庫サイズというとA6規格(105×148㎜)が採用されているが、各出版社によって、微妙にサイズが異なっている。とりわけSFや海外ミステリーで有名なハヤカワ文庫は、タテが156㎜と長く、ブックカバーの中には、こいつが入らないものも多いのだ。

あらゆる出版社の文庫に対応したサイズを持つレザーブックウエア。本の厚みに合わせて右端の革を折り返すことで調節可能

昨今、本をタブレットで読む人も増えていると聞くが、それではあまりにも味気ない。本、とりわけ文学は、紙の匂い、書体のフォルム、活字のかすれ、表紙やページに触れる指の感触、すべてを総動員して楽しむもの。目で文字を追い、行間を感じ、文学世界に遊びながら、指先でVASCOの極上の革を感じる……なんとも贅沢な読書体験ではないか。そんな時に、酒でもあれば、もう何も言うことはない。

VASCO×TiL「Leather Bookwear」

もともとデニム製のBookwearをリリースしていた北海道・旭川のセレクトショップ「TiL」
とVASCOがコラボして誕生したLeather Bookwear。手染めの革を使用し、抜群の風合
いを見せる。納期は来春予定。9900円

【問い合わせ】
アンカーミルズストア
TEL03-6304-0224

(出典/「Lightning 2021年2月号 Vol.322」)