風合いがあって魅力的なのだが、年月とともに油分が抜けてしまう場合も。そんな時に必要なのがリプルーフというオイルをもう一度塗る作業。王道のメンテは専用のオイルを使うことだが、マサキさんのやり方は完全な自己流だ。
英国の整髪料を使って撥水性を復活させる!
「オイルを使ったリプルーフもいいのですが、均等に塗るだけで1日が終わってしまうほど、大変な作業です。塗った後に乾かす期間も必要ですから、かなり前もってやらないとオンシーズンに間に合わない。だから手軽にできるのが、英国のブリルクリームを使ったメインテナンスです。これはクリーム状の整髪料でイギリスでは大定番。この中には蜜蝋や鉱油が入っているので、塗り込むと撥水効果が生まれるんです」
「Barbour バブアーの」ビデイルジャケットをメンテナンス!
バブアーを代表する定番モデルのひとつで、乗馬用に開発されたモデル。長年の経年によって、全体的にオイルが抜けた状態に。
用意するもの
まずは表面に付いたホコリを落とすためのブラシ。そしてオイルの代わりに、整髪料のブリルクリームを用意。クリームをまんべんなく塗るために、ブラシをもうひとつ用意したい。
1.まずはブラッシング。
表面に付いたホコリをブラッシングで取っていく。オイルドなので付きやすい。
2.ブリルクリームを塗る。
ブラッシングが終わったら、全体にブリルクリームを塗っていく。最初はブラシで。
3.小さなブラシで塗る。
最初は小さなブラシで丁寧に塗っていく。ポケットの裏など細かい箇所も忘れずに。
4.ブラシで全体に広げる。
ある程度塗ったら、全体的に大きなブラシで塗っていく。まんべんなく塗ろう。
5.ジッパーにも使える!
ブリルクリームは万能なので、ジッパーの滑りもよくなるので、ついでにやろう。
6.手で揉み込んでいく。
ブリルクリームは、蜜蝋と鉱油が主成分。だから体温で溶けるため、素手がやりやすい。
7.ステッチ部分はブラシで。
ステッチに入り込んだクリームは、ブラシで掻き出すように馴染ませていく。
8.スナップボタンも塗る。
金具がスムーズになるので、しっかりとブリルクリームでメインテナンスをしておこう。
完成!
ブリルクリームで色が戻った!
【保管】湿気のこもらない場所にハンガー掛け。
オイルドコットンのジャケットは、他の衣料に匂いが移りやすいので、カバーをしがちだが、かび臭くなる可能性もあるので、風通しのいい場所に保管したい。クローゼットに収納する時も扉を開けっ放しにしておきたい。
マサキさんのお店はこちら!
BRITISH EQUIPMENT PUBLISHING
東京都渋谷区東3-15-7ヒューリック恵比寿ビル1F
営業/13:00~ 24:00(金~火曜のみ営業)
http://www.britishequipmenttrading.com
(出典/「Lightning 2017年3月号 Vol.275」)
Text/T.Itakura 板倉環 S.Sato 佐藤周平 M.Kuwabara 桑原将嗣 S.Shibayama 芝山一 M.Matsumoto 松本めぐみ Photo/T.Shinjo 新城孝 T.Hanawa 塙卓真 M.Watanabe 渡辺昌彦 K.Wakabayashi 若林邦治 K.Hayashi 林和也 S.Kai 甲斐俊一郎 Y.Roppongi 六本木泰彦 Y.Higuchi 樋口勇一郎
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