「ブリティッシュ イクイップメント パブリッシング」直伝! オイルドコットンのお手入れ術。

英国を象徴する機能素材のひとつであるオイルドコットン。コットン生地に撥水性を持たすために、オイルド加工を施すというアナログな手法だ。

風合いがあって魅力的なのだが、年月とともに油分が抜けてしまう場合も。そんな時に必要なのがリプルーフというオイルをもう一度塗る作業。王道のメンテは専用のオイルを使うことだが、マサキさんのやり方は完全な自己流だ。

英国の整髪料を使って撥水性を復活させる!

ブリティッシュ イクイップメント パブリッシング代表 マサキさん 英国に特化したライフスタイルショップの代表。渋谷から恵比寿に移転を機に店名も変更。今後の動向に注目だ

「オイルを使ったリプルーフもいいのですが、均等に塗るだけで1日が終わってしまうほど、大変な作業です。塗った後に乾かす期間も必要ですから、かなり前もってやらないとオンシーズンに間に合わない。だから手軽にできるのが、英国のブリルクリームを使ったメインテナンスです。これはクリーム状の整髪料でイギリスでは大定番。この中には蜜蝋や鉱油が入っているので、塗り込むと撥水効果が生まれるんです」

「Barbour バブアーの」ビデイルジャケットをメンテナンス!

バブアーを代表する定番モデルのひとつで、乗馬用に開発されたモデル。長年の経年によって、全体的にオイルが抜けた状態に。

用意するもの

まずは表面に付いたホコリを落とすためのブラシ。そしてオイルの代わりに、整髪料のブリルクリームを用意。クリームをまんべんなく塗るために、ブラシをもうひとつ用意したい。

1.まずはブラッシング。

表面に付いたホコリをブラッシングで取っていく。オイルドなので付きやすい。

2.ブリルクリームを塗る。

ブラッシングが終わったら、全体にブリルクリームを塗っていく。最初はブラシで。

3.小さなブラシで塗る。

最初は小さなブラシで丁寧に塗っていく。ポケットの裏など細かい箇所も忘れずに。

4.ブラシで全体に広げる。

ある程度塗ったら、全体的に大きなブラシで塗っていく。まんべんなく塗ろう。

5.ジッパーにも使える!

ブリルクリームは万能なので、ジッパーの滑りもよくなるので、ついでにやろう。

6.手で揉み込んでいく。

ブリルクリームは、蜜蝋と鉱油が主成分。だから体温で溶けるため、素手がやりやすい。

7.ステッチ部分はブラシで。

ステッチに入り込んだクリームは、ブラシで掻き出すように馴染ませていく。

8.スナップボタンも塗る。

金具がスムーズになるので、しっかりとブリルクリームでメインテナンスをしておこう。

完成!

ブリルクリームで色が戻った!

【保管】湿気のこもらない場所にハンガー掛け。

オイルドコットンのジャケットは、他の衣料に匂いが移りやすいので、カバーをしがちだが、かび臭くなる可能性もあるので、風通しのいい場所に保管したい。クローゼットに収納する時も扉を開けっ放しにしておきたい。

理想はこのようにコートハンガーに掛けておくこと。独特のオイルの匂いも軽減
場所がなく、クローゼットに収納するのであれば、ご覧のように扉を開けておくこと

マサキさんのお店はこちら!

BRITISH EQUIPMENT PUBLISHING
東京都渋谷区東3-15-7ヒューリック恵比寿ビル1F
営業/13:00~ 24:00(金~火曜のみ営業)
http://www.britishequipmenttrading.com

(出典/「Lightning 2017年3月号 Vol.275」)

この記事を書いた人
めぐミルク
この記事を書いた人

めぐミルク

手仕事大好きDIY女子

文房具、デザイン、ニッポンカルチャーなどのジャンルレスな雑誌編集を経てLightningへ。共通しているのはとにかくプロダクツが好きだということ。取材に行くたび、旅行するたびに欲しいものは即決で買ってしまうという散財グセがある。Lightningでは飲食、ハウジング、インテリアなどを担当。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

Pick Up おすすめ記事

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...