ターコイズの色・産地・模様から価値を評価! 正しいターコイズの選び方。

かつてのシルバージュエリーのブーム以来“ネイティブ・アメリカンの石” というイメージが根強く残るターコイズ。現在も高い人気を誇りシルバーと共に装着している人も多いが、ターコイズについて詳しく理解している人は決して多くなく、知れば知るほど底が見えない世界だと気付かされる。

そこで、ターコイズを選ぶ際に知っておきたい基礎知識を、ターコイズ界の権威ジョー・ダン・ロウリーが手掛けるターコイズジュエリーブランド「LFC(Lowry Family Collection)」を元に紹介していこう。

市場に流通するものの中で“ナチュラル”と呼べるものは、わずか10%。

Joe Dan Lowry(ジョー・ダン・ロウリー)/アメリカ・ニューメキシコ州アルバカーキにて4世代に渡ってターコイズ・ビジネスを営んできた家系の現当主。代々に伝わる膨大なターコイズ・コレクションや貴重な資料なども保有し、豊富な知識と鑑定の正確さからターコイズ界の権威として、世界中にその名を轟かしている。またターコイズ原石のカットや研磨の技術者、LFCのジュエリーデザイナー、同市内にある「ターコイズ・ミュージアム」の館長といった幅広い活動を行っている。

「ターコイズは他の宝石にはない魅力に溢れているんだ。仮にダイヤモンドを例に挙げると、ダイヤの品質を決定付けるのは大きさ、色、透明度、カットの4種類と言われているけど、どこの鉱山で採掘されたかを知りたがる人は皆無なんじゃないかな。だけどターコイズは鉱山によって大きく価値が変動するし、色はもちろんマトリックスと呼ばれる柄によっても変わるユニークな判断基準になっているから面白いんだ。しかもアメリカの鉱山に関するなら先住民にまつわるストーリーも豊富だから男心をくすぐるロマンに溢れていると思うよ」

そんな様々な基準の中で価値や品質が決まるターコイズの世界。中でもジョー・ダンが最も魅力的なのは原石から削り出したまま無加工のナチュラル(天然)・ターコイズだと話す。

ジョー・ダンが手掛けるLFC(Lowry Family Colle ction)のターコイズジュエリー。彼が所有するナチュラル・ターコイズのみを使い、現地のネイティブ・アメリカン・アーティストによるシルバーと組み合わせている。

「宝石は無加工が当たり前の世界と思っている人は多いけれど、実は世の中に流通しているターコ
イズの90%は加工品や模造品などで、残りの10%しかナチュラル・ターコイズは存在しないと言われているんだ。この比率はどういう事かというと、鉱床に生成されるターコイズは宝石として使える硬度に満たない低品質の個体も多く採掘されるんだ。それらは硬度を上げる処理や染色などで人工的に宝石として使える個体に加工されるため、天然モノとは言えないんだよ。

だから原石をそのまま使えるナチュラル・ターコイズは極めて希少で色の深みや模様などは天然にしか出せないオーラがあるんだ。でもね、僕はその90%も10%もひっくるめてターコイズの魅力だと思ってるよ。こんなカルチャーを持つ石はまずないからね」

このように、一般的に見分けが難しいと言われるターコイズ。早速グレードの見方を学んでいこう。

ターコイズは「状態」「産地」「色合い」「模様」で評価する。

宝石のグレードや価値基準の中でも特に複雑と言われているナチュラル・ターコイズ。サイズはもちろん、色合いや模様の入り方など、多くの要素が絡み合いグレードを決定付けていく。そこで、まずはグレーディングの基礎となる部分を解説する。これさえ知っておけばターコイズの見え方がもっと面白くなるはずだ。

1.コンディション(状態)

まずはターコイズをグレーディングする初期段階として知っておきたい要素は天然(ナチュラル)か否か。どんなに美しく処理された加工・人工ターコイズも、ナチュラル・ターコイズの貴重さにはかなわないため、最も重要な要素のひとつであると言える。

2.産地

ブランド鉱山のターコイズとそれに似た特徴を持つ無名鉱山の石で、価値が大きく異なることからも産地(鉱山)は、価値に最も影響力がある要素である。世界的に有名な鉱山は採掘量の少なさや、色合い、美しい模様が人気の理由となっている場合が多い。今回取り上げるのは「LFC」に採用されているアメリカを産地とする石に限定する。

アメリカにおける鉱山の分布がこちら。特に良質のターコイズが手に入ることで有名なのがネバダ州だ。他にもアリゾナ州、ニューメキシコ州、コロナド州といった地域が産地として有名。それぞれの州で、すでに閉山されてしまっている鉱山、現在も採掘がおこなわれている鉱山、時折採掘がされる鉱山がある。人気のナンバーエイトは残念ながら閉山されてしまっている鉱山となる。

3.色合い

ターコイズの色の濃さは、石そのものの密度や硬度と比例しているため、濃い色の方が高いグレードに位置付けられる。ただし色の濃さは産地によって異なるため、異なる鉱山の石では判断できず、同じ鉱山で採掘されたターコイズでしか比較できない。

また、色の濃いターコイズは密度が高いため、皮脂汚れなどの異物浸透を防いで変色もしにくいといった性質を持っている。また色の濃い個体ほど採掘量が少ないため希少性も高く高価とされるのが特徴である。

4.透明度

ターコイズは岩の中に形成されるため、透明度が高いとされる石はターコイズ質以外の不純物をすべて排除するため、余分に削り出さなければならない。色ムラがなく純度が高いほどグレードは上になり、色も濃い方が希少とされている。

5.マトリックス(模様)

ターコイズの特徴のひとつであるマトリックス(模様)は構造の一部であり、酸化鉄などの内包物によって形成され、点や線など様々な表情を生み出す。ターコイズの魅力でありつつも、芸術的意味合いも含まれるため判断基準が曖昧だ。とはいえ均等かつ美しいマトリックスを持つ石は高く評価される傾向にある。また写真の上段4つのようなスパイダーウェブ(蜘蛛の巣のような網状の柄)は高く評価され、細かく入っている方が人気も高く、価値も高い。

6.マトリックス(模様)の色

鉱山に含まれる成分によってターコイズにもブルーやグリーンなどが生まれるように、マトリックスも同様に様々な色が作られる。グレーディングに関しては大きな影響力はないが、自然がもつ色とりどりの表情を楽しみたい。

  • RED・・・赤みのある茶色が特徴的なレッド・マトリックス。ワイルドな印象を受けるため男らしいジュエリーに似合いそう。
  • WHITE・・・まるで空に浮かぶ雲のような雰囲気を持つ白いマトリックス。やさしいコントラストのため女性にも人気が高い。
  • BLACK・・・男女を問わず人気が高く、王道のブラック・マトリックス。パワーストーンらしい妖艶な佇まいを見せる。
  • BROWN・・・レッドとゴールドの中間に位置するブラウンのマトリックス。薄い青との色合いもマッチしている。
  • GOLD・・・ゴールド色のマトリックスは、ターコイズのブルーと相性抜群。縁起の良さそうなコンビネーションだ。
  • WATER WEB・・・薄い色のターコイズに対して、マトリックスが濃い色のターコイズで作られる模様をウォーターウェブと呼ぶ。
この記事を書いた人
サカサモト
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サカサモト

アメカジ系動画ディレクター

Lightning、2nd、CLUTCH Magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」のディレクター。元Lightning副編集長ということもあり、クルマ、バイク、ミリタリーなど幅広い分野に精通。現在はもっぱら動画作成機材に夢中。ニックネームは、スキンヘッドにヒゲ面をいう「逆さ絵」のような顔に由来する。
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