これ以上古い和柄はもう出ない!? 図鑑みたいな「土偶柄」ハワイアンシャツ(アロハシャツ)。

昨年の夏に東京国立博物館で開催されていた特別展「縄文-1万年の美の鼓動」。CMで知り、行こう行こうと心では思っていても、いざ上野に行くと縄文よりもビールが気になってしまい、結局行かずじまいだった。

そもそも俺が縄文を意識し始めたのは、大学生の時。古本屋で岡本太郎の著作集を購入し、その中で、岡本太郎が縄文の土器にダイナミックなパワーを感じ云々とあったのが、俺と縄文の出会いだった。彼の生み出すアートはよくわからんが、彼の著作は文章も素晴らしく、彼独自の語り口で個人的には大好き。彼の縄文観をとても興味深く読んだのを覚えている。

侘び寂びが根底にある通常の日本美術は、引き算が基本だが、どうやら縄文美術は、造形が独創的で、装飾がもりもり施されており、エネルギッシュなのだという。ふーん。とはいえ、太郎の打ちのめされた縄文土器や土偶は、その本の挿絵の写真でしか見たことがないので、アタマでは知っていても、結局は実物を見たころすらない“縄文童貞”。だからこそ、昨年の特別展には行きたかった。

Dry Bonesのハワイアンシャツ“土偶”

1950年代のシャツをベースにしたデザインで、素材にはレーヨンフジエットを採用したドライボーンズのハワイアンシャツ“土偶”。プリントは手捺染で、深い風合いが特徴。2万5920円(ドライボーンズ東京店 TEL03-5458-5688 http://www.dry-bones.com/)

そんな折、ドライボーンズ代表・武内さんのSNSで目にしたのが、この土偶柄のハワイアンシャツ。普段、ハワイアンシャツを嗜まない俺だが、これは思わず買っちゃった。昔は和柄のシャツもよく着ていたが、最近はとんとご無沙汰。でも、和柄もここまで年代が古くなれば、逆に新鮮でしょ。

このシャツ、よく柄を調べてみると、まったくカタチの違う、しかしどこかユーモラスでグラマラスな土偶たちが、なんと7種類も描かれている。俺なんて、社会の資料集に出てくる、目のでかい「遮光器土偶」しか知らなかったので、これを着ているだけで、土偶図鑑を持ち歩いているような気にさえなってしまうのだ。せっかくなので、この土偶たちの種類を調べてみた。その成果を下に記した。お楽しみあれ。

1.合掌土偶:膝の上で両手を合わせた「体育座り系」。2.土偶:愛称はナシ。タイタニック。3.仮面の女神:逆三角形の仮面をつけた女神。ゴモラ系。4.縄文の女神:顔の表現はナシ。スタイリッシュなボディが◎。5.遮光器土偶:目が遮光器(スノーゴーグル)のように見えるが実際は目の誇張表現。日野日出司系。6.ハート形土偶:仮面かデフォルメかは不明。乳房が付くので女性像。7.縄文のヴィーナス:腰回りから、妊婦をあらわしたものらしい

ちなみに、ボタンは、柄と雰囲気を合わせ、オリジナルで製作した古銭釦を使用し、ヴィンテージハワイアンシャツを彷彿させるクラシカルな仕様となっている。

【問い合わせ】
ドライボーンズ東京店
TEL03-5458-5688
http://www.dry-bones.com/

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2023年03月16日

※掲載情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2019年9月号」)