“エンドレスサマー”なクルマ、「シボレー・エルカミーノ」を相棒にしたい!

夏が似合うクルマって何があるの?という問いの答えは難しい。オープンカーも気分だし、ソフトトップ全開が気持ちいいジープも捨てがたい。もちろんスポーツカーも悪くない。でもね、エンドレスサマーなクルマといえば、「シボレー・エルカミーノ」の右に出るモノはいないと断言する。

海と夏が見事に似合うクルマ、「シボレー・エルカミーノ(Chevrolet El Camino)」。

20180620_lng55

数あるクルマの歴史のなかでも、アメリカ文化だからこそ生まれたエルカミーノは、セダンの顔して、後ろがピックアップトラックという異形。 まさに当時のクロスオーバー的な発想で生まれた。

その起源はフォード・ランチェロに譲るけど、なぜかセダンピックアップといえばエルカミーノがその筆頭。当時のサーファーといえば、ボロボロにヤレた中古のウッディワゴンかエルカミーノというチョイスが鉄板であった。実に海と夏が似合うクルマなのである。

リアルなスタイルは映画『エンドレスサマー』を観ていただくとして、このエルカミーノ、今は当然ながら絶版車。とくに旧いモデルはその価値も上昇中。その中でもボディサイズがコンパクトで、日本でも扱いやすい最終世代をここでおさらい。最終世代といっても ’80 年代。いまや立派なクラシックモデルである。

サーファーから、レジャー愛好家だけでなく、 ワーカーにも愛された異形の名車。

20180620_lng54
キャビンから流れるようにデザインされたBピラーの後ろにはベッドがレイアウトされる という独特なデザイン。前後の車高を程良く落として、走りを意識したスタイルで仕上げられているので、どっしりとしたスタイリングがさらに強調されている

数々のサーフムービーに登場するエルカミーノだが、1960年代になるころ、突如生まれたセダンピックアップというカテゴリーは意外にも’80年代まで生き続ける。

それは趣味のクルマというだけでなく、仕事グルマや、レースシーンでもエルカミーノが受け入れられたから。日本ではワゴンで良いじゃんと思われるところ、さすがピックアップトラックの国アメリカ。こんな異形のモデルを楽しんでしまうふところの深さがおもしろい。

最終世代は同時代に存在したシボレー・マリブと共通ボディ。スクエアで精悍な顔つきは、スーツを着てもサマになる。現車は1986年式モデルで、車両価格は361万8000円(車検、諸経費は別途)

各所が最新のカスタムパーツでアップデート!

20180620_lng40

レカラのステアリングに、ダッシュはダコタデジタルのアナログメーターに換装済みというやる気を感じる仕様になっている。

20180620_lng39

時代を感じさせるダブルクッションのベンチシートはグッドコンディションをキープする。もちろん3人乗車が可能。往年のアメリカ車らしさをたっぷりと実感できる。

20180620_lng38

エンジンはシボレーの350V8(5.7リッター) に換装済みで、アメリカ車らしい太いトルクを味わえる。トランスミッションも4速ATを積んでいるのでストレスは皆無。

20180620_lng37

リアにレイアウトされるベッドは小さなバイクなら余裕で積載できる広大なスペースを 確保する。ここに遊び道具を投げ入れて、 夏はいろんなフィールドに行きたくなる。

カリフォルニアらしい遊び心をクルマで演出するのに、シボレー・エルカミーノはもってこいの相棒。セダンとピックアップトラックのDNAを持った存在は今見ても鮮烈だ。エンドレスサマーなクルマに乗って、一年中夏気分を味わいたい。

▼こちらの記事もおすすめ!

街乗りもできてレースも愉しめるオールマイティなスポーツカー「シボレーノバ」とは?

街乗りもできてレースも愉しめるオールマイティなスポーツカー「シボレーノバ」とは?

2023年02月21日

シボレーを代表するスポーツモデル「コルベット」C1から新型C8“スティングレイ”までおさらい!【保存版】

シボレーを代表するスポーツモデル「コルベット」C1から新型C8“スティングレイ”までおさらい!【保存版】

2023年07月24日

【問い合わせ】
レッドラインオートモーティブ
神奈川県横浜市港北区新羽町889
TEL045-545-9111
営業/12:00~20:00、12:00~18:00(日祝)
休み/水曜

20180620_lng43

(出典:『Lightning2018年7月Vol.291』)

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

Pick Up おすすめ記事

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...