ギターキッズが大人になっても「Fender フェンダー」に憧れてしまう理由。

FENDER(フェンダー)―― ギターやベースを一度でも手にしたことがある人なら、必ずやその名を耳にしたことがあるはずだ。今も昔も、ギターキッズの憧れであり、クオリティにこだわる大人のプレイヤーから選ばれている名門ブランドのひとつである。

絶え間なく進化を続けるギター界のトップブランド。

なぜフェンダー社は、その座を譲ることなく、今もトップブランドで居続けることができるのだろうか? 理由のひとつとして、自身のルーツを常にリスペクトしつつ、つねに絶え間ないアップデートを繰り返している点があげられる。その代表的な例が「フェンダー・カスタムショップ」「アメリカン・オリジナル・シリーズ」だ。

熟練の技が光る「フェンダー・カスタムショップ」

フェンダー・カスタムショップは1987年に設立され、熟練のマスター・ビルダーたちのハンドクラフトと高い製作技術によって仕上げられた、最先端・最高峰のギターを生み出すフェンダー社のトップライン・ブランドである。それらは製品というより、むしろ“作品”といったほうがしっくりくるほど、どれも個性的かつ至高のクオリティを誇る。

Front Row Legend Esquire

価格160万円+税

マスター・ビルダーのひとりユーリ・シスコフ氏が手掛けたフェンダー・カスタムショップの作品。強烈なオーラを放つボディに圧倒される。それもそのはず、この木材はカリフォルニア州のハリウッドにある野外音楽堂「ハリウッドボウル」の観客席のベンチシートから採取したアラスカン・イエロー・シダーだ。

Jimi Hendrix Voodoo Child Strat Journeyman Relic

カラー:Olympic White(写真)/Black 価格66万8000円+税

ギター・レジェンドのひとりであるジミ・ヘンドリックスが使用した、1960年代後半のストラトキャスター「Voodoo Child Strat」。このモデルの最大のポイントは、左利きだったジミ・ヘンドリックスのギターを、右利き用に完全再現している点。左聞き用にハンドワイアードされたピックアップ、そしてポールピースも実機同様に上下を逆にマウント。これでジミ・ヘンドリックスの個性的なトーンを同じように奏でることができる。

Limited Edition Eric Clapton 30th Anniversary Stratocaster, Masterbuilt by Todd Krause

価格138万円+税

1987年にエリック・クラプトンは、通称”ブラッキー”をもとにしたギターをフェンダーにオーダー。これがきっかけとなり、フェンダー初となるアーティストシグネイチャーモデルが誕生した。その後、カスタムショップからも、より緻密に再現されたエリック・クラプトン・シグネイチャーモデルが作られるようになる。本モデルは20年近くにわたり、エリック・クラプトンのギター製作を担当したマスター・ビルダーのトッド・クラウス自らが製作した、アーティスト・シリーズ誕生30周年を記念する全世界30本限定のスペシャルモデルだ。

ルーツを辿り、新たに生まれたフェンダーのマスター・ピース「アメリカン・オリジナル・シリーズ」

フェンダー社はそれぞれに明確なコンセプトをもつシリーズをライナップしている。その中でも注目したいのが、2018年から始動したアメリカン・オリジナル・シリーズだ。このシリーズは、50年代、60年代、70年代といった10年スパンで時代ごとの特徴にフォーカスしつつ、現代の音楽シーンにマッチしたスペックをもっているのが特徴。言わば「ヴィンテージ・サウンド」と「現代のプレイヤビリティ」の共存である。

サウンドはもちろんのこと、目の肥えたギター・ファンなら質感にもこだわりたいところ。本シリーズはオリジナル・フェンダー同様、ニトロセルロース・ラッカーでボディをフィニッシュしている。ラッカー塗装のメリットは、薄い塗膜でボディの“鳴り”を活かせること。逆にデメリットは塗装に傷がつきやすいという点。しかし、下地処理から塗装工程を改善したことで、ナチュラルなトーンはそのままにダメージに弱かった欠点を克服した。

一般的にヴィンテージ・ギターのフィンガーボードは7.25インチだが、アメリカン・ヴィンテージ・シリーズは9.5インチを採用。よりフラットな指板とすることで、高いプレイヤビリティを約束する。それに対しネックシェイプは、ネックの削り出しや指板の圧着方法まで、当時(50年代~)の製法で組み立てられている。これにより現代的な弾きやすさと、ヴィンテージならではの弾き心地を両立させている。

American Original ‘50s Stratocaster

カラー:Aztec Gold 価格27万2000円+税

American Original ‘50s Telecaster

カラー:Butterscotch Blonde 価格27万2000円+税

American Original ‘60s Telecaster

カラー:Lake Placid Blue 価格27万7500円+税

プレイヤーにとって気になるのはやはり音。「アメリカン・オリジナル・シリーズ」は、それぞれのモデルに最適なヴォイシングが施されたピックアップが搭載される。当時と同様の製造技術とマテリアルを採用し、本物のヴィンテージ・フェンダートーンを味わえる。

American Original ‘60s Jaguar

カラー:Candy Apple Red 価格27万7500円+税

American Original ‘60s Jazzmaster

カラー:Ocean Turquoise 価格27万7500円+税

アメリカン・オリジナル・シリーズは、ギターだけでなくベースもラインナップ。こちらもギター同様に、熟練の職人たちの手作業によるメイド・イン・USAなのもうれしい。

American Original ‘50s P Bass

カラー:2-Color Sunburst 価格27万2000円+税

American Original ‘60s P Bass

カラー:Lake Placid Blue 価格27万7500円+税

American Original ‘70s Jazz Bass

カラー: Natural 価格27万7500円+税

僕らのはこれまでもこれからもフェンダーとともにある。

手にした瞬間、ユーザーの想像を超えるほどの高みにまで到達したクラフトマンシップと技術革新を体感できる「フェンダー・カスタムショップ」のギター。そしてフェンダー社のルーツを継承したヴィンテージのエッセンスと現代の音楽シーンや演奏スタイルにマッチしたスペックという、相反する魅力をもつ「アメリカン・オリジナル・シリーズ」。

このふたつのシリーズから感じられるのは、いつの時代も最高のクオリティと維持するための努力を続け、またソリッド・ギターの常識を覆してきたフェンダー社の創始者レオ・フェンダーの経営哲学とスピリットである。実際に手にしたことがある人ならば、これが決して大げさな言い方ではないことをわかっていただけるはずだ。

【問い合わせ】
フェンダーミュージック株式会社
TEL0120-1946-60
https://shop.fender.com/ja-JP/start

この記事を書いた人
サカサモト
この記事を書いた人

サカサモト

アメカジ系動画ディレクター

Lightning、2nd、CLUTCH Magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」のディレクター。元Lightning副編集長ということもあり、クルマ、バイク、ミリタリーなど幅広い分野に精通。現在はもっぱら動画作成機材に夢中。ニックネームは、スキンヘッドにヒゲ面をいう「逆さ絵」のような顔に由来する。
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