書類、名刺、レシートなどすべてデータ化 リモートワークの必需品 ScanSnap iX2500

基本性能を大幅刷新! 4年ぶりの新型ScanSnap iX2500先行レビュー! 

本日、6月24日に、新型ScanSnap iX2500が発表されたのは既報の通り。先行して、この新型を試用することができたので、そのファーストインプレッションをお届けしよう。

どこでもスキャン! を叶えるPFUの新型ScanSnap iX2500登場!

どこでもスキャン! を叶えるPFUの新型ScanSnap iX2500登場!

2025年10月17日

(本記事は発売前のiX2500とベータ版のソフトウェアを使ったもので、製品版と異なる可能性があります。またiX2500は、PFUより貸与を受けたものです)

梱包材も環境を考えた新しいものに

外箱は段ボールで、最近のモデルと同サイズ。

箱を開けると、手紙のように封筒が入っている。ユーザーフレンドリーな存在であろうと気を配るPFUらしい配慮だ。

中には親切なスタートアップガイドや、保証書などが同梱されている。

また、梱包材は従来の発泡スチロールから、パルプモールドなど再生素材を使ったものになった。ちなみに、本体も再生プラスチック素材を25%以上使用してるという。

箱から出した段階では、輸送時にダメージを受けないように、各部に封印がしてある。使用前にこれは取り外すこと。

うれしいのは、本体のコネクターがUSB-Cになったこと。しかし、なぜか同梱のケーブルの反対側はUSB-A。ここはUSB-Cにして欲しかったところだが、まだそんなにUSB-Aのついたパソコンを使っている人がいるのだろうか? もう10年近く前(2016年)にUSB-Aが廃されたMacユーザーとしては不思議なところだ。

ファセット風の外観と、ツヤ感のあるインターフェイス部

本体デザインで特徴的なのは、外面が斜めに削り取られた、デッサン用の石膏像を思わせるファセット風のデザイン。新しいScanSnapのトレンドとなっていくのだろうか? 閉じた状態で家に置いていても、違和感なくフィットしそうだし、同時に印象的な存在感もある。

このリッドを開くと自動的に電源が入るのも従来製品と同様。

しかし、ツヤ感のある表面処理と、スマホのタッチパネルのような静電容量式のタッチパネルの採用で、タッチパネルの操作感が非常によくなった。また、同時にiX500以来のハードウェアスキャンボタンが別に設けられたのも特徴的。『押せばスキャンできる』という分かりやすさも表現している。

ハードウェア面では、新型チップ『iiGA』を採用したのが最大の特徴だといえるだろう。

なにしろ、前世代のGIチップは2012年登場のiX500から継続採用されていたもの。チップセットの刷新で、スキャン速度はもちろん、PCレスでの画像処理能力が向上しているし、単体での文字認識などにも活用され、スマホでスキャンした時でも検索可能なPDFを生成するのに役立っている。今後のアップデートも、このiiGAチップの性能を引き出す方向で進んでいくはずだ。

定評のある安定した送紙、高速のスキャンもさらに性能向上。ついに毎分45枚(A4カラー両面/300dpi)を実現した。

また、ホッパーは最大100枚までセット可能となり、名刺・レシートガイド装着時でも50枚セット可能。

名刺、レシートガイドは従来付け外しに少々神経を遣ったが、iX2500では上に引っ張るだけで簡単に取り外せるようになっている。

ユーザーインターフェイスも一新

ソフトウエア面での最大のアップデートは、ハードウェアを選ばず自分のスキャン設定を使うことができるようになったことだろう。

また、自宅で構築したスキャン設定を、PCやスマートフォンと一緒に持ち歩くことができ、会社や、外出先にあるiX2500に接続すると、自宅と同じ設定で使うことができる『My ScanSnap』という機能が便利。リモートワークなどの普及にフィットした機能だといえるだろう。

今後、スマートフォンをかざすだけでiX2500と簡単に接続できて、自分の設定が反映される機能も搭載される予定だ。

iX2500側も、パソコンやスマホの画面設定も大幅に刷新されており、従来より扱いやすくなっている。

PC 版ScanSnap Home では、『クイックメニュー』が刷新され、新たに『Microsoft Teams』『SharePoint』『OneNote』『Notion』『iCloud』との連携が追加された。また、ScanSnap Cloud で連携している各種クラウドサービスへもクイックメニューから保存が可能になっている。

ScanSnap側から、接続しているPCやスマホを選択できるのも便利。

多彩なデバイス、多彩なクラウドサービスと、さまざまな接続方法で活用できるのがScanSnapの新たな特徴だが、インターフェイスを刷新することで、シンプルながら多くの機能を便利に使えるようになっている。

来たるべき生成AIの時代に、スキャンしたデータをそれぞれが活用するために、まずその入り口の部分が整備されたといえるだろう。生成AIの時代が来ても紙のデータをスキャンする必要はありそうだし、さらに生成AIを使うことで紙のドキュメントは有効に使えることになりそうだ。まずはiX2500でその下準備をしよう。

ScanSnapでスキャンしたデータを、AIに取り込むとどんなことができるか?

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2025年10月17日

全般に性能向上しているので、iX1600ユーザーにも勧められるが、まずは、いまだiX500、iX1500を使っている方は、そろそろ機種変換のタイミングだろう。読み込み速度や連携機能などさまざまな面でアップデートされているので、買い替えた満足感は高いはずだ。

(村上タクタ)

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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