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3月23日オープンの阿蘇くまもと空港新旅客ターミナルを公開直前に体験!

本日、2023年3月23日、7年前の熊本地震で被災した流れで建て替えることになった阿蘇くまもと空港 新旅客ターミナルビルがオープンする。3月19日に、レセプションとメディア向けの発表会があったので、その様子をお伝えしよう。

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熊本を象徴する熊本城と、玄関口の熊本空港の地震被害

熊本といえば、地理的に九州の中心に位置し、古来より九州の中核都市として発展してきた街である。東に阿蘇山、西に有明海を擁し、水清く、森深く、山海の珍味が身近で、加藤清正が中世城郭を改築した熊本城を中心に栄えてきた文化がある。

しかし、2016年の4月14日夜に発生した熊本地震により、熊本は大きな被害を受ける。人的被害はもちろん、県民の方々の心の拠り所である熊本城、そして玄関口である熊本空港の被害が大きかったことが、ことさら熊本の人々の気持ちを消沈させた。

熊本城は各所の石垣が大きく崩落し、櫓や塀が倒壊。多くの瓦が落ちるなど甚大な被害を受けた。熊本の象徴として存在する熊本城の被害に、多くの人がショックを受けた。現在、熊本城はあるていどの修復を終え、危険のないように造られた空中回廊を通じて観覧できるようになっており、さらなる修復が続いている。

熊本空港も震源地に近く、天井が崩落するなど被害が大きかった。熊本の復興を加速するために、国内線と国際線を一体化した新ターミナルビルを建てるために、ここ数年は、臨時のプレハブ建物がターミナルビルとして運用されていた。

いたしかたないこととはいえ、仮設ターミナルビルは狭く、混雑してたし、滞在できる場所も少なければ、お土産を買ったりするショッピングにも不便だった。

熊本城をイメージした阿蘇くまもと空港の新ターミナル

そして、今日、3月23日に新しい阿蘇くまもと空港 新旅客ターミナルの運用がスタートする。

新旅客ターミナルは、熊本城の黒漆・漆喰をイメージした陰影のあるコントラストの強いデザイン。随所に熊本城の石垣を彷彿とさせる仕上げが施されており、案内サインなどのデザインには、加藤清正の家紋である『蛇の目の紋』が使われている。

随所に熊本・九州産の木材が使われているのも特徴。中には、東京五輪レガシー材が使われている部分もあり、時代性を反映して環境にも大きく配慮したデザインとなっている。

国際線旅客数の増加と、訪れて楽しめる空港

熊本空港の利用者数は1971年の供用開始より、ずっと右肩上がりに伸びてきた。もちろん、’20年以降は感染症の影響で激減しているが、その谷も終わりつつある。また、注目していただきたいのは、国際線旅客数が増えていることだ。これはアジアとの連携が強まり、熊本という立地の強みが出始めているということだ。

新しい熊本空港は、3月23日にオープンする第1期と、来年(’24年)秋ごろにオープンする第2期に分かれて稼働を開始する。第2期となるのは、現在仮設ターミナルとなっているプレハブを取り壊した跡地になり、広場や商業ゾーンが中心となる。

ターミナル全体でのテーマは『世界と地域にひらかれた九州セントラルゲートウェイ〜交流人口の拡大による“創造的復興”への貢献〜』とされており、第1期は最先端機器を利用した『ファストトラベル』つまり、快適でスピーディな搭乗と、地域の魅力を楽しめる『搭乗待機エリア』を実現することとなっている。

第2期は広場や商業ゾーンを拡充することにより、『地域にひらかれた賑わい空間』『ビジネスと観光の掛け算による相乗効果の創出』ということで、単に飛行機に乗るためだけの場所ではなく、地元の人が空港に来て、楽しめるような場所として盛り上げていきたいとのこと。

保安検査後の飲食、買い物エリアの増強

今回、特別に取材できたのは、保安検査通過後の搭乗待合エリア。従来は保安検査場の外にレストラン、買い物エリアがあったので、保安検査を通ってしまうと食事や買い物ができなかった。

新旅客ターミナルでは、保安検査を通過したあとにたくさんの飲食、買い物をするエリアが用意されているので、搭乗待ちの時間に安心して買い物ができるようになった。

馬肉や、阿蘇の赤牛、辛子レンコンや熊本ラーメン、くまモン関連グッズなどが豊富に用意される。

飲食店の他、バーなども用意され、一般の搭乗者でもまるでラウンジのようにくつろいだ時間を過ごすことができそうだ。

展望デッキや一般向けの待合室の設備が充実

外部から入れる展望デッキも用意されており、見送りの時に飛行機を眺めたり、単に離着陸する飛行機を見に来たりすることもできる。

全般に、広く快適な新世代の空港となっており、一般搭乗者用の待合室にも、ご覧のような飛行機を見ながらパソコンを開いたりできる場所があるのは、我々ガジェットマニアにとっては素晴らしい。もちろん電源も用意されている。

多くの人がスマホを使う世の中になったので、待合室の座席にも電源がふんだんに用意されている。また、これらの場所にも熊本・九州産の木材が使われており、親しみが持てる仕上げとなっている。

また、有料ではあるが、ビジネスクラスラウンジ以外にも、テレワークスペースが設けられている。ちなみに、机や椅子はコクヨ製の上質なものが使われている。また、テレワークブースもあるし、会議室もある。

TSMC工場開設により増える旅客、台湾との繋がりと発展

1階には、自動販売機ブースがあり、既報の通り、関西で初めて、Yo-Kai Expressの自動調理ロボットによるラーメンが提供される。メニューには桂花 熊本とんこつラーメンと、Taiwan 牛肉麺が用意され、TSMCの工場ができることにより増える台湾と熊本の交流を象徴する設備となっている。

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2025年10月17日

いよいよ、本日から新ターミナルビルの運用が始まった。

実は、本日、台湾へのチャーター機も飛んでおり、これはTSMCのある台湾との間に、定期便を飛ばすための地ならしと思われる。

iPhoneのカメラセンサーを作っているソニーの半導体製造工場に続いて、TSMCの半導体工場が出来、一躍注目を浴びる熊本。新ターミナルビルの完成でさらなる発展が期待される。

みなさんも、ぜひ一度、新しい阿蘇くまもと空港に行って、その未来の息吹を体感していただきたい。

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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