書類、名刺、レシートなどすべてデータ化 リモートワークの必需品 ScanSnap iX2500

iPhoneをナビにする『CarPlay』使ってる? 次世代CarPlayは車のインターフェイスOSに

※この記事は、6月7日(日本時間)のWWDCでの発表に基づいて、2202年秋に発表されるiOS 16以降のサービスについて記述しています。

6月7日に開催されたWWDCでは、『Sneak Peek』として、次世代CarPlayの様子が紹介された。これら次世代CarPlayの機能に対応した車両は2023年後半から登場するというから、かなり先の話だが、どのような機能が搭載されるのか、ご説明しよう。

日本では、カーナビは専用品を使う人が多いけれど

みなさんはCarPlayを使ったことがあるだろうか?

日本では今でも『カーナビは専用品の方がいい』という風潮は強い。複雑な道路事情の都合で専用カーナビが発達したこと、クルマという高額商品の買い替えサイクルとデジタルガジェットの進化の速度がマッチしない……などの事情もあるように思う。また、アルパイン、カロッツェリア、パイオニア、ケンウッドなど、国産カーナビメーカーが、自動車メーカーと深い関係にあり、新車購入時のオプションとして取り付けられやすい……という事情もあるだろう。

しかし、日ごろ使い慣れたiPhoneを、そのままクルマ用のインターフェイスで操作できるCarPlayの利便性は高い。特に、クルマに乗る前に検索しておいた場所をそのままナビに使えたり、iPhoneで聞いていた音楽やPodcastをそのまま聞けるなど、iPhoneに慣れた人ならCarPlayの方が便利に感じることも多いだろう。

筆者も海外のレンタカーなどではCarPlayを何度も利用したことがあるのだが、その利便性に「これを家のクルマで使えたら!」と思うことしきりで、遠からず社外品のCarPlay対応ナビを自家用車に取り付けようと思っているほどだ。

日本より欧米で普及が進んでいるCarPlay

CarPlayのユニークな点は、クルマに搭載されているナビなどのディスプレイをそのままiPhone側の外付けタッチパネルとして使う点にある。

使えるアプリは、マップやミュージックを中心に運転の妨げにならないもの。Podcastや、オーディオブックなども楽しめる。カレンダーやメッセージも一応見られるようになっている。

実際に使ってみると、当然のことながら、ナビアプリと音楽アプリの利用が中心になるが、この2つは同時に表示することもできるので便利。つまりカーナビを見ながら、曲を早送りしたりもできるということだ。

慣れると非常に便利で、国内でももっとCarPlayを利用しやすい状況ができればいいのにと思う。

アップルの発表によると、アメリカでは自動車購入者の79%がCarPlay対応車のみを検討するという。

クルマのメーターパネルをCarPlayがジャック!

さて、WWDC22では、そんなCarPlayの次世代コンセプトが提示された。

次世代のCarPlayでは、メーターパネルから横一面、カーナビディスプレイを含む、広い範囲のディスプレイをCarPlayがコントロールできるという。

そして、従来、クルマ側のディスプレイが表示していた、速度、回転数、ドライブモード、オド・トリップメーター、水温などもすべてCarPlayのインターフェイスとして表示することが可能になるという。

それらは変形ディスプレイにも対応し、好みに応じて、さまざまな形式で表示可能だという。まるでApple Watchのウォッチフェイスのように、さまざまな使い勝手のディスプレイを楽しめるというわけだ。

アップルが提示した中には、ご覧のようなガルフカラー(往年のアメリカの石油メーカーが使った色味で、この色を纏ったフォードGT40やポルシェなどが60〜70年代に大活躍した)のメーターもあったりして、マニア心をくすぐってくれる。

各国の法規的に可能なのだろうか?

アップルは、2023年後半から、これらの新形式のCarPlayに対応したクルマが販売されると発表したが、そう簡単に事は運ぶのだろうか?

まず、メーターや計器類に関する法規の問題がある。たとえば日本ではスピードメーターの誤差や方向指示器インジケーター、さまざまな警告灯に対する法規があるというのに、そのスペースをユーザーが自由にアレンジ可能……なんていう仕組みを導入可能なのだろうか?

もちろん、iPhoneがなかったり、iPhoneがフリーズしたりしても車両側の仕組みで標準的なメーターを表示できるとのことだが、各国の法律に準拠していくのはなかなか難しいことのように思える。

アップルのWWDCでの発表によると、エアコンやシートヒーターなどもCarPlayのインターフェイスで操作可能になるというが、果たしてカーメーカー側が、クルマでもっともドライバーの目に触れる、メーターやカーナビ、エアコンなどのインターフェイスをすべて他社に委ねるなどということがあるのだろうか?

日産アリアやホンダeも?

WWDCの発表では、すでに以下のメーカーと、新世代CarPlayについて協力を開始しているという。

メルセデス・ベンツ、ポルシェ、ルノー、フォード、ジャガーなどと共に、日産、ホンダなどの名前が並ぶ。

そういえば、先日試乗した日産アリアも、メーターとカーナビは同じようなサイズのディスプレイが横並びに搭載されていたし、ホンダeにいたっては左右端のサイドカメラミラー(バックミラーの役割をするモニター)を含めて5画面が横に並ぶ仕組みになっている。

それら大きなディスプレイを積んだクルマが、新世代CarPlayに対応してくれれば、なかなか楽しいことになりそうだと思う。

数年後、新車販売されるクルマのコクピットは、ご覧のようにCarPlayに席巻されているのだろうか? クルマ好き、アップル製品好きとしては、なかなか楽しみな未来だと思う。

 

 

この記事を書いた人
村上タクタ
この記事を書いた人

村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

Pick Up おすすめ記事

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

【BIG SMITH×2nd別注】米軍の名作バッグをデニムで再構築! 経年変化が楽しめるデニムのエプロンバッグ。

  • 2025.09.22

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! BIG SMITH × 2nd ワーカーズエプロンバッグ 1940年代のアメリカン・レッドクロス(米国赤十字社)が製...