日本の文具メーカー「ハイタイド」がニューヨークのグリニッジ・ビレッジに直営店をオープン

文具・雑貨メーカーの株式会社ハイタイド(福岡市中央区)のアメリカ法人であるHIGHTIDE USA INC.は、2025年12月19日(金)、ニューヨーク市グリニッジ・ビレッジのLaGuardia Placeに、直営店「HIGHTIDE STORE NEW YORK CITY」をオープンした。

日常の道具と人、日本文化とアメリカをつなぐ店

「HIGHTIDE STORE NEW YORK CITY」では、新しい文房具をはじめ、選び抜かれた日本のものづくりを中心に、日常の道具や現代の日本文化を感じられるプロダクトを紹介していく。

出店地にグリニッジ・ビレッジを選んだ理由は、この街が持つ唯一無二の歴史と、今日まで連綿と続く文化の厚みにある。1950年代、この街にはアレン・ギンズバーグ、ジャック・ケルアック、ウィリアム・バロウズらが集い、「自由に生き、自由に表現する」ビートカルチャーが生まれた。その自由精神を受け継ぎながら、創造が静かに芽吹く小さな場を、いま一度この街につくりたいと考えてのこと。プロダクトを届けるだけでなく、ローカルクリエイターを応援し、日本とアメリカ、クラフトとプロダクト、過去と未来がゆるやかに交わる“現在進行形のカルチャー”を発信する場所を目指す。

Logo Design

ロゴデザインは、ロサンゼルスを拠点に活動するデザイナー、Yusuke Tsukamoto(a.k.a. KATSUO DESIGN)によるもの。ビートたちが愛したタイプライターの書体を思わせるロゴタイプと、鉛筆で形づくられた無限大(∞)のシンボルには、文房具が持つ無限の可能性と、創造が絶えず続いていくことへの願いが込められている。

ロサンゼルスにあるHIGHTIDE STORE DTLA内観

文房具――日本で受け継がれてきた、日常の美意識を磨くもの

日本において文房具は、単なる道具ではなく、「日常の美意識」を映す存在として育まれてきた。万年筆の筆致、紙の手触り、革の経年変化。それらは使い手の時間や感情を静かに記録し、道具と人との関係性を深めていく。

「書く」という行為は、単なる記録ではない。思考と感情を編集する行為である。指先でペンを走らせるとき、思考には触覚や呼吸といった身体感覚が加わり、言葉や線は人間らしい揺らぎと温度を帯びて生まれる。書くとは、身体を通して思考する行為だ。そして書いた文字を読み返すと、筆跡や筆圧、インクのにじみ、行間の揺らぎが、その瞬間の記憶や感情をそっと呼び覚ます。

デジタルが情報を「処理」するのに対し、アナログはその背景にある感情を「受け止める」。HIGHTIDE USA INC.は、機能性だけでなく、身体的な行為から生まれる情緒的な美しさを大切にしている。

なぜ、いま、文房具なのか

HIGHTIDE STOREが大切にしているのは、「人間らしさの回復」である。SNSやAIが発達するほど、私たちは「自分の手で考える」行為を求めるようになる。

書く、貼る、整える、飾る――それらはフィジカルであり、普遍的な人間の営みだ。その中には、未来のデザインや文化を育む種が確かに息づいている。

オンラインショップが台頭し、どの街も似た風景に染まりつつあるいま、私たちはあえて「実店舗でしか生まれない偶発性や関係性」を大切にしたいと考えている。地域に根を張り、人と人、文化と文化が交わる場所。そこでは、商品だけでなく「空気」や「記憶」が共有されていく。

目指すのは、かつて日本の小学校前にあった小さな文房具店のような佇まいだ。下校時に唯一寄り道を許されたその場所で、ノートや駄菓子を手に集い、笑い声が響いた“心の原風景”。HIGHTIDE STORE NYCは、そんな温もりと偶然の出会いが生まれる「街の小さなサロン」でありたいと願っている。

About HIGHTIDE

HIGHTIDE USA INC.の母体である株式会社ハイタイドは、1994年に日本・福岡で誕生した。カジュアル手帳ブランドとしてスタートし、現在では文房具や雑貨を通じて「日常を少し豊かにするデザイン」を世界へ発信し続けている。HIGHTIDE(ハイタイド)とは「満ち潮」を意味する。文房具という小さな道具が、静かに、しかし確かに、世界中の暮らしに満ちていくように。その潮流のなかで、生活をデザインする文化を伝えていく。

Website:https://www.hightide.co.jp/

この記事を書いた人
Dig-it 編集部
この記事を書いた人

Dig-it 編集部

ライフスタイル提案メディア

「Dig-it(ディグ・イット)」は、アナタが何かにのめり込むキッカケとなる読み物を提供するWEBメディアです。ファッション、クルマ、バイク、アウトドア、グルメ、ステーショナリー、ビューティなど、さまざまな分野のプロフェッショナルが執筆しており、アナタのよき趣味の先輩となってくれることでしょう。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

アメリカンヴィンテージやヨーロッパのアンティーク品や建築物からインスパイアされた「ホリゾンブルー」のジュエリー

  • 2025.12.28

宝飾品と呼ぶべき繊細で美しいジュエリーを世に送り出し、国内外で人気を集めるHorizon Blue Jewelry。アメリカンヴィンテージだけでなく、ヨーロッパのアンティーク品や建築物など様々なものからインスパイアされた逸品は、大量生産できないため入手機会の少ない希少な存在だが、ここでは今後発売する...

【Highland2000×2nd別注】ヴィンテージのスクールマフラーに着想を得たトラディショナル スクールマフラー登場

  • 2026.01.23

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 昨年に続く、第2弾コラボレーション! 【Highland2000×2nd】トラディショナル スクールマフラー 昨年大...

【KERRY WOOLLEN MILLS×2nd別注】本物のアランは暖かさだけじゃない! アランケーブル クルーセーター登場

  • 2026.01.24

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【KERRY WOOLLEN MILLS×2nd】アランケーブル クルーセーター もともとは海の男たちを守るための、...

オリジナル建材で古民家をスタイリッシュにリニューアル! ビフォーアフターを大公開!!

  • 2025.12.28

2025 年の夏の時点では床だけが施工されただけの古民家を再び訪れると、当時とはまったく違う姿になっていた。カントリーベースはこの家にどんな魔法をかけたのか? 何でもない空き家が宝物なる材料と技術 [caption id="attachment_887933" align="alignnone" w...

Pick Up おすすめ記事

アメリカンヴィンテージやヨーロッパのアンティーク品や建築物からインスパイアされた「ホリゾンブルー」のジュエリー

  • 2025.12.28

宝飾品と呼ぶべき繊細で美しいジュエリーを世に送り出し、国内外で人気を集めるHorizon Blue Jewelry。アメリカンヴィンテージだけでなく、ヨーロッパのアンティーク品や建築物など様々なものからインスパイアされた逸品は、大量生産できないため入手機会の少ない希少な存在だが、ここでは今後発売する...

【KEATON CHASE U.S.A.×2nd別注】大人のための、ちょうどいいシャンブレーシャツ登場!

  • 2026.01.25

ライトオンスのシャンブレーを使用した、米国のシャツファクトリー「キートンチェイスUSA」の定番プルオーバーシャツ。カジュアルな要素を備えながらシャツ本来のきちんと感も残したこのアイテムを、2nd仕様に別注。胸ポケットの作りや前立てのボタンの数などを微調整し、すっきりと大人な印象にまとまっている。 >...

デニム界の異端児・ラングラー、製造期間は約1年のみの“幻の名作”がついに復刻

  • 2025.12.27

ロデオ・ベンをデザイナーに迎えてカジュアルウエアに参入したという歴史やカウボーイカルチャーとの結びつきなど、独自の発展を遂げてきたラングラー。膨大なアーカイブの中から、王道から希少な隠れ名作まで全6型が復刻を果たした。 幻の名作が華麗なる復刻を遂げた。 アメリカ三大デニムブランドのなかでも特異な歴史...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

前代未聞! “自立する”ジーンズ。「EIGHT’G」から職人泣かせならぬトラウマな超極厚ジーンズ登場。

  • 2026.02.04

前代未聞。エイトジーがまたしてもやってくれた! 超ヘビーな27.5オンスのジーンズの登場。生地の厚みと重量感はデニム史上でも圧倒的で、まるで穿く甲冑のような迫力。縫製は熟練職人の手作業のみで行われ、普通のジーンズでは味わえないタフさと存在感を誇る。穿くだけで男の背筋が伸びる、気合十分の究極仕様、“自...