乗って楽しいのは、もちろん見て楽しめなきゃつまらない!【XSRシリーズカスタムマシン紹介 第3弾】

ちょっと前まで70年代のカウルが付く以前の空冷バイクが一つのトレンドだったけれど、最近は今時の尖ったいかにもなスポーツモデルではなく、80年代のカウルが丸みを帯びていた時代のバイクに注目している人が増えてきている。前回紹介したXSR900 GPは、まさにそのトレンドをメーカーが追った1台だったけれど、今回紹介するXSR900は、XSRシリーズのカスタムでその名を知られているファニーズカスタムサービスが、GPとは異なる方向性で手がけた1台だ。

XSRシリーズカスタムマシン紹介 第3弾

JACKET・PANTS_CHIPPS CAMPANY

ベースとなっているXSR900はヘッドライト周りにカウルが付かないネイキッドモデル。そのため高速道路を走ると上体に走行風がもろに当たって、長時間走り続けるには根性がいる。そこで、その苦行から解放されるフロントアッパーカウルをどんな形状にしようかと考えていた時に、往年の名車FZ750風のカウルが欲しいという声があり制作したのだそう。とって付けた感がなく自然と車体に溶け込んでいるのがいい。

もともとXSR自体が絶妙なアールが多用されているので、後付けの外装パーツにも、そのアールとマッチしたデザインが求められる。その点においてファニーズのモノは完成度が高い。海外のXSRユーザーからの注目度が高いのも納得ができる。そんな眺める楽しさのあるバイクで出かけて、愛車を眺めながらコーヒーブレイクを入れれば、コーヒーの味も一段とうまくなるはず。

80年代半ばにデビューした独特なフロントアッパーカウルが特徴のFZ750をオマージュしたスタイリングが目をひく。ガッツリじゃなくて、このちょっとスポーティな感じがFZを知らない人にも刺さりそう。

FZ750のフロントカウルとまったく同じ形状なのは、ライトまわりとスクリーンの立ち上がり部分のみ。それ以外はすべてXSR900の形に合わせつつ、FZらしさが出るように独自に作り込んでいる。それでもFZをわかる人が一目見て“おっ、FZじゃん”と思うわけだから、その完成度が非常に高いことがわかる。

前側からはカウルで覆われて隠れているけれど、裏側はカウルだけだとライト周りまで丸見えで興醒めしてしまう。そこで目隠し用のボードが設置されている。これだけで完成度がかなり変わる。

フロントアッパーカウルは、写真のようなグリップ位置が高いバーハンドルでも低い位置になるセパレートハンドルでも干渉しないような形状になっている。使い勝手の部分まで考えられているのだ。

製品として用意されるカウル装着用のステーは、ヘッドライトを左にオフセットさせて、その右側にフォグランプを装着できるような形になる。PIAA社製のLP530だと加工なく装着できるとのこと。

ミラーはハイサイダーのモダンな車体からビンテージまで幅広い車種とマッチしやすいシンプルな形状のモノをチョイス。FZ750のようにスクリーン横にも取り付けられるようにはなっている。

ファニーズのシングルシートカバーは、上面・側面ともに絶妙な曲面になっていて、それがいい。80年代のしっかりリアがあるスタイルを意識して、前後長もシートより2㎝長くなっている。

ファニーズのオリジナルフェンダーキットは、極力フェンダーをなくすフェンダーレスキットとは異なり、しっかりと泥除けの機能を持たせつつナンバーをスマートに取り付けられるような形状なのだ。

【問い合わせ】
ファニーズカスタムサービス
TEL:042-985-8197
https://www.funnys-cs.com/

この記事を書いた人
タンデムスタイル編集部
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タンデムスタイル編集部

初心者にも優しいバイクの指南書

バイクビギナーがもっとも知りたい、ハウツーや楽しいバイクライフの提案がつまったバイク雑誌。タイトルの"タンデム"は本来"2人乗り"の意味だが、"読者と編集部をつなぐ"、"読者同士の輪が広がる"といった意味が込められているぞ。バイク選び、ライディングギア選び、ツーリング、メンテナンス情報のほか、チャレンジ企画も大好評!
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