GANZO(ガンゾ)が追求するシステム手帳の美学。

皮革製造卸売業の老舗AJIOKA.(アジオカ)による最高級レザーブランド、GANZO。日本の文化と技術を熟知した職人が作り上げるシステム手帳は、経験に裏打ちされた端正さを備える。バインダーの魅力、そして銀座店で注文できるオーダーメイドの真髄に迫ろう。

持つ人の日常が個性として刻まれる職人仕事がここにある。

日々携えて、公私を問わず常に手にするシステム手帳にこそ、GANZOが考えるレザーアイテムの美学が凝縮されている。

GANZOは100年以上にわたり革製品を製作してきたAJIOKA.の最高級ブランド。理想とするのは、時が経ち、そして使い込むほどに人の持つ個性とともにエイジングを重ね、やがて唯一無二の逸品となるような製品だ。

「シンブライドル システム手帳」は、経年変化で艶めく、2種類の最高級レザーを組み合わせた。ともに剛健な素材ながら、卓越した職人たちが独自の技術を駆使し、タイムレスなデザインに仕上げている。

直営店を訪れてみれば、オーダーメイドのサービスも受けられる。定番品とは違い、1枚革の手帳は革やステッチなどを自由に選べる。注目すべきは各店1名の選び抜かれた職人が全工程を請け負うこと。職人技術の粋を存分に味わえる製品を手に取れる。銀座店の職人、大口智史さんは曲線の縫製を得意とし、捻引きの線は秀麗な趣がある。

そして出来上がる製品は、使い手とともに成長し、かけがえのない存在に。システム手帳の最高峰を求めるなら、GANZOのオーダーメイドもお試しあれ。

シンブライドル システム手帳

表革に英国のブライドルレザー、内革に伊国のミネルバ・ボックスを採用したシステム手帳。どちらのレザーも使い込むほど艶のある味わいが生まれる極上品だ。中面左にはカードポケット、右にはペン挿しとあおりポケットが付く。カラーは「ネイビー」「ヘーゼル」「ダークブラウン」「ブラック」の4色で展開する。
■A5(リング径21mm:約175W×230Hmm・税込89,100円
バイブル(リング径20mm):約135W×195Hmm・税込58,300円
ミニ6(リング径13mm):約105W×152Hmm・税込46,200円

細部に宿る縫製の美。

GANZO製品の端正さは縫製などの細部からも生まれている。美しいステッチと捻引きの線だけでも、職人の確かな技術を感じることができる。

GANZOの象徴「切り目本磨き」。

日本の伝統技法「切り目本磨き」は、コバ(革の裁断面)を染料と糊で塗り、乾燥させて磨くこと。コバ処理の美しさがGANZOの風格を表す。

直営店では日本有数の職人によるオーダーメイドが可能。

GANZOの直営店ではオーダーメイドの受注をしている。全4店舗の内、2021年1月にオープンした銀座店のオーダーと職人を紹介しよう。

オーダー方法。

写真上の「オーダーメイド パスポート」を参考に、バインダーのサイズ、糸の色、革の種類、刻印の有無などを選んで注文する。バイブル 税込102,300円~、ミニ6 税込94,600円~。

革は色も含めて約100種類。定番では展開のない色のコードバンや、条件によってはクロコダイルなども選択可能。

ステッチは手帳にアクセントを加える大事な要素。色は全91種類から選ぶことができる。

オーダーメイドはすべての工程を一人の職人が行う。オーダーを伺った顧客の使う姿をイメージしながら、丁寧に一針一針ゆっくりと縫い上げる。

革包丁を使い、垂直に革を切断する様子。垂直に切るのは、貼り合わせた革のコバをきれいに磨くため。切断の出来が、完成時の風格を左右する。

定番品は表革と裏革、背を別パーツにしているが、オーダーは一枚革で注文できる。職人が厳選した部位を、贅沢に使用した一点物を堪能したい。

職人は各店舗一人。銀座店で務めているのは大口智史さん。生花店員から革製品職人に転身した経歴の持ち主で、秀麗な捻引きの技術が持ち味だ。

News_「エイボン ペンケース」が新発売!

エイボンは革の芯まで染色し、柔軟性を持たせたブライドルレザーのシリーズ。「ブリティッシュグリーン」「ダークブラウン」「ブラック」の3色を展開。税込26,400円。2024年12月発売予定。

都心に佇む安らぎの高級店「GANZO 銀座店」。

2フロアの店内にはバッグ、革小物、ステーショナリーが整然と並ぶ。オーダーメイドコーナーは1階の一角にある。大口さんが考案したアイテムの他、銀座店限定の受注生産品も販売。レザーファンにとっても至福の空間だ。

【DATA】
GANZO 銀座店
東京都中央区銀座3-3-7
TEL03-3561-5772
営業時間 11:00~20:00
https://www.ganzo.ne.jp

(出典/「システム手帳STYLE vol.9」)

この記事を書いた人
趣味の文具箱 編集部
この記事を書いた人

趣味の文具箱 編集部

文房具の魅力を伝える季刊誌

「趣味の文具箱」は手で書くことの楽しさ、書く道具としての文房具の魅力を発信している季刊雑誌。年に4回(3・6・9・12月)発刊。万年筆、手帳、インク、ガラスペンなど、文具好きの文具愛を満たす特集を毎号お届けしています。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

Pick Up おすすめ記事

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...