デザイナーとの交流も魅力的なポップアップショップ。
デニム愛好家の間でファッションデザイナー・山根英彦を知らない者はまずいない。これは日本国内だけの話ではない。海外においても同じこと。
1990年代以降、日本のデニムは世界のデニム愛好家たちから大きな注目を浴びてきた。そのキッカケとなったのが、山根英彦、その人の作るプロダクツであったことは疑いようがない。
しかし近年は、山根さんの海外における活動はストップ。日本国内に活躍の場が限定されていた。「もう一度、海外で勝負や!」。機は熟したようだ。伝説の男は再び世界へ。
2024年1月、その第一歩は英国ロンドンから。伝説の第2章が幕を開けた。
コンセプトショップCLUTCH CAFEからスタートした山根さんの世界再進出。ポップアップショップには多くの山根作品が並ぶ。ハンドペイントのアートTシャツがイギリス人の度肝を抜いた
往年の山根ファンばかりではなく、若く新しい世代にも人気を博したのはやはりデニム。上質なデニムとハンドペイントアートの掛け合わせが、新感覚ファッションアイテムとして心を掴んでいた

ポップアップイベント開催中は連日、山根さん自らが店頭に立ち、次々と作品を完成させていく。単なるパフォーマンスではない、本気の眼差しで臨む貴重な制作現場を惜しげもなく披露していたのは印象的だった
ロンドンの街並みに異彩を放っていたアート性の高い作品群。ハンドペイントT×デニム、オリエンタル刺繍×デニムという山根ワールドがショーウィンドーを飾る。注目を集めないわけがないポップアップとなった
ポップアップ初日の晩に開催されたパーティには大勢の人々が集まった。かつての盟友との再会もあれば、新たなファンとの交流もあり。和気藹々と酒を酌み交わしながらも、オーダーがあればその場でペイントを入れる。こんなデザイナー、こんなアーティスト、山根さんを除いては、世界のどこにもいない
【DATA】
Yamane & Company
Tel.090-1400-2023
(出典/「CLUTCH2024年5月号 Vol.95」)
Photo by Masahiro Nagata Text by CLUTCH Magazine 編集部