ヴィンテージやアンティークと呼ばれるアイテムは、現代のプロダクツでは味わうことができない雰囲気だけでなく、まだ技術が未熟だった時代のクラフト感やマシンメイドではない時代ならではの魅力や年月が生み出した風合いがある。いわゆるアンティークの世界では、いろいろなカテゴリーで価値基準がある程度確立されてはいるけれど、そんな世間のものさしではチョイスしないのがデザイナーの性分。新しいモノでも旧いモノでも、自分目線のものさしを大事にしているスティーブンソンオーバーオールのデザイナーである多賀谷さん。彼の古着やアンティークの選び方は、一般的な価値にとらわれることのない、その独特な審美眼も含めて参考になる。
その時代ならではのデザインや生地の風合いに惹かれる。
1940s Silk Knit
織りネームが欠損しているのでブランド不明だけれど、1940年代ごろのヴィンテージだと思われる。フロントは長めのハーフジップ仕様で、さらに大きな襟が時代感のあるシルクニット。サイズが小さかったので嫁に似合うかなあと思い古着店で手に入れたが、着丈がヴィンテージならではの短さのため、嫁も合わせづらかったようで私の元に戻ってきてコレクションのひとつになっている。
Stussy Short Sleeve Shirt
仙台に訪れたとき、時間ができたので古着店REAL MONKEYに言ったときに見つけたシャツ。何てことないシャツの前立てにデザインを加えるだけで気になるアイテムになるという好例。古着ならではの生地が褪色した風合いも悪くない。リアルタイムで知っているStussyも今では古着店に並ぶブランドになっているとは。
’50-’60s French Army Trousers
高円寺にあるミリタリー専門店であるmilitariaで見つけたアーミーパンツ。ただのヴィンテージではなく、後付けでドローコードをウエストに追加するというリメイクにやられた。そのままではなく、ひと手間を加えたヴィンテージというスタイルが今っぽい。こういうちょっとした味付けに弱いのかも。
WW2 US Army HBT HAT
これも仙台の古着店REAL MONKEYで購入したアーミーハット。サイズが小さめなんだけど、あえ てこれを無理矢理かぶってみると意外に似合うことに気がつく。実はジャストサイズもあった が、あえてワンサイズ小さいモノを購入してみた。当時のヘリンボーンツイルの色の抜け具合や生地の風合いはさすがヴィンテージという風格がある。新品では味わえない魅力を感じた。