脂がのった大人のホットロッドの遊び方。

横浜のJ-MOTORSを中心に結成された、ホットロッド好きのオヤジ集団『OILY BOYS CAR CLUB』。クラブの決まりはトラディショナルホットロッドの当時のスタイル/モディファイにこだわることのみ。ストリートでも草レースでも肩肘張らず、時にはゆるく時には本気でフラットヘッドモーターの走りを堪能する大人のホットロッドの付き合い方とは。

当時のホットロッド文化を追いかける大人の趣味。

アメリカのトラディショナルなスポーツカー文化であるホットロッド。ドライレイクレースに端を発し、世界恐慌や戦争など様々な苦境を乗り越えて発展し、今や世界中のオールドモーター愛好家から支持されている。

ひと口にホットロッドと言っても黎明期から時を経るごとに多様化し、どの時代をイメージするかによってスタイルは様々。ここで紹介する『オイリーボーイズカークラブ』は、トラディショナルホットロッドをリスペクトする仲間たちで結成されたカークラブだ。現在のメンバーは全5人で、その全てが’40〜’50年代の時代感をイメージしたホットロッドに乗っている。さらに全てナンバー付きで、ストリートから草レースまで当時のスポーツカーの乗り味を楽しんでいるというわけだ。

メンバーが着用するジャケットには、メンバーであるアーティストNuts Art Worksが手がけたアートワークがプリントされる。車体のナンバリングやレタリングも全てNuts Art Worksが担当

「カークラブと言ってもみんなオヤジなんで、ややこしい縛りもないし誰が上も下もない。肩肘張らず趣味として楽しむクラブです。街乗りできるクルマで草レースに参加する、当時のホットロッダーの遊びを追いかけている感じですかね」

そう語るのは、全車両の整備やモディファイを手がける横浜のホットロッドショップJモータースの瀬法司氏。20年前の日本であればフラットヘッドで走る車両自体がほぼ皆無に近い状態だったと聞くが、大洗で行われたサンビーチサンドフラッツなど、最近はホットロッドやヴィンテージバイクの草レースが各地で行われているため、当時の走りを体感できるホビーとしてホットロッドに乗る人が増えているのだ。

レースの勝敗だけを重要視するのではなく、時代感やスタイルにこだわり本質である走りを堪能する。旧きよきアメリカのモーター文化を愛する大人たちのライフスタイルは実に豊かだ。

MASA SCULP に依頼して製作したレーサーの樹脂製オーナメントは、ヨーロッパの旧いマスコットがモチーフ。HCS2022で少量販売したが、クリアは非売品でメンバーだけが装着できる
オイリーボーイズカークラブの唯一の決まりは、フラットヘッドエンジン、マニュアルミッション、バンジョーデフの装備のみ。スタイルは様々だがどれも’50年代までのトラディショナルなスタイルを意識している

唯一のルールであるトラディショナルスタイル&モディファイにこだわったホットロッド。

1931 Ford Model A Roadster/Nuts Art Works

レイトモデルAのクラシカルなフォルムを活かし、本来のポテンシャルを引き出すことをコンセプトとした1台。4バンガーエンジンはマイルドなホップアップが施され、日常的な街乗りでもストレスなく走り、そのままの姿で草レースも楽しめるマシンに仕上げられている。

1929 Ford Model A Roadster/Akira Ohata

Roof 101Cyclone Four portヘッドによってOHVコンバージョンされたスペシャルエンジンを搭載するロードスター。オーナーの大畠氏は街乗りだけでなく全国の草レースに参戦し、今回のサンビーチサンドフラッツでは4バンガークラスの初代チャンピオンに輝いた。

1929 Ford Model A Roadster/Takaharu Yamazaki

アルミのシートメタルからカスタムメイドしたフードが特徴的なロードスター、約50年前にアメリカで当時のオーナーが完成させたスタイルを極力活かし、J-MOTORSによって各部のモディファイが施されている。シーンの先人へのリスペクトを内包するホットロッドだ。

1927 Ford Model T Roadster Pick up/Hideaki Takahashi

Nuts Art Worksのアシスタントである高橋氏が運転する車両はモデルAのシャシーにモデルTのボディを搭載。エンジン/ミッションはオリジナルで、シボレーの19インチワイヤーホイールを加工して装着。ボディやスプラッシュのレタリングはNuts Art Worksの仕事。

(出典/「CLUTCH2023年6月号 Vol.91」)

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