「Le Cottage」Owner・水野谷弘一さん
日本のセレクトショップの黎明期を目の当たりにしてきた水野谷氏。2009年には自身がディレクションをするショップHummingbirds’hill Shopをオープン。現代のファッションにアメリカンヴィンテージミックススタイルを提案し続ける。
見た目の面白さやこだわりが隠れた服が好き。
東京のファッションの世界に飛び込んだのは1970年代。いわゆる大手セレクトショップの設立から、成長、そして苦悩まで、身近に体感してきた水野谷氏。大好きな服に囲まれ続けて人生を終わりたいと2009年に自身の世界観を表現する空間をオープンさせた。
ショップは、創業時から変わらずアメリカンヴィンテージミックススタイルを提唱し続ける。ヴィンテージとヴィンージをベースとしたモノ作りをする選りすぐりのブランドを揃え、エクスクルーシブアイテムも積極的に展開する玄人好みのショップだ。
「フレンチアイビーから始まって、クラシコイタリアなども経験してきましたが、やはり根っこにあるのは、質実剛健な作りが魅力のアメリカンヴィンテージなんだなと、いつの日か気づいたんです。
もちろんいまでも古着は好きですし、面白い素材はディテールを見るとつい買ってしまいますね。好きなものを仕入れて、作りたいものを作る。これが改めてショップを手掛けたわたしなりのルール。コーディネイトにおいては基本的にワントーン。アイテムや素材の面白さももちろん、メガネや時計も含めて色の組み合わせを遊ぶのも長年のわたしのスタイルです」
刺繍やワッペンカスタムなど、1点ものの愛用品と新作。
Engineered Garmentsに別注を施したシャンブレーシャツ。サンダーバードからインスパイアされ、よく見るとくちばしの長いハミングバード柄。ボタンダウン、ウエスタン、ワークの3型にセルフ刺繍を施した。
1970年代頃のヴィンテージのLEVI’Sのデニムパンツをカスタムベースに旧いラグや古布を使って独自にカスタムを施した。さらに刺繍ステッチカスタムも上乗せされる。
いわゆる3rdタイプのヴィンテージのデニムジャケットをワッペンカスタム。ベースとなるデニムが作られた年代に合わせたものもあるが、目を引く色やグラフィックを優先。
Hummingbirds’hillのオリジナル型であるクレイジーパターンのワークシャツ。同色ながら、リップストップや異なる生地を合わせた特徴的なデザイン。着用ごとの各生地の風合いにも注目。¥18,150_
刺し子のジャケットは、Soundmanに別注を施したもの。インディゴ染めされたヘビーな刺し子生地を使用し、1940年代に作られたいわゆる対戦期のデニムジャケットをイメージした。¥39,600_
1940年代以前のデニムジャケット、いわゆる1stモデルをDEER HORN SMITH’Sに別注して作ったレザージャケット。¥214,500_
ジャケットと同生地のインディゴ刺し子の生地を使用した6Pパンツ。米軍M51をベースに様々なディテールを盛り込んだ。¥29,700_
ネイティブアメリカンのスタイルや技法、素材を巧みに使いハンドメイドで作られるOWLSONGのショルダーバッグ。¥546,700_
【DATA】
Hummingbirds’hill shop
東京都渋谷区神宮前3-27-22 ル コタージュビル101
Tel.03-6721-0189
営業/11:00~20:00
http://www.hummingbirdshill.com
※情報は取材当時のものです。
(出典/「CLUTCH2023年4月号 Vol.90」)
Photo by Masahiko Watanabe 渡辺昌彦 Text by Tamaki ITakura 板倉環
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