バーバー初心者でも入りやすい! カジュアルな雰囲気が心地よいバーバー「クロケ」|千葉・流山

首都圏の注目エリア・流山にある「Cloquet」は一見すると美容室のようなムードを持つが、れっきとしたバーバー。ほとんどの建具や什器がアンティークで、中には100年以上前のプロダクツもあるという。内観との調和、さらには清潔感のある空間にまとめ上げられた店内は心地よさに溢れている。

すべてにアンティークを使いながらも、清潔にまとめ上げた上質な空間。

外観は青1色で統一。窓はヴィンテージの窓枠を使用し開閉するための独特のギミックが秀逸。クロケと読む店名は clock(時計)とquest(探究)からなる造語。そのためショップロゴも時計がモチーフ

千葉県流山市の住宅地に佇むCloquet(クロケ)。一見、美容室のような優しい空気感を醸しているが、れっきとしたバーバー。何よりも店内に使われている什器をはじめ建具はほとんどがアンティークという、オーナーのこだわりが詰まったショップなのだ。

「オープン前はどんな内装にするか決まってなかったんです。しかし、つくばのLABOUR AND WAIT furniture serviceさんから『アメリカで1900年頃のバーバーチェアを見つけたよ』という話を頂いたんです。3脚揃って出てくることは珍しいので、即決で購入しました。そこから店内はアンティークで統一するため、旧いものにあわせて内装を作り込むことに決めました」と語るオーナーの風見和彦氏。

風見氏が話す通り店内あるモノすべてに歴史を重ねてきたストーリーがある旧いモノだらけ。しかし、特筆すべきは、100年以上前のプロダクツも違和感なく内観に溶け込ませ、清潔感のある空間にまとめているということ。できればオリジナルの状態を残しておきたかった家具もあったらしいが、仕事道具としての使い勝手を追求するため、断腸の思いでカスタムするなどオーナーの潔さもお見事である

100年以上前のアンティークもレストアして調和を生み出したインテリア。

同デザインのバーバーチェアが3脚並んだカットスペース。インダストリアル感溢れる琺瑯製のランプシェードは美しい状態を保っている。引き出しはヴィンテージのチェストを解体して製作している。

大きなガラスにはクラシカルなピンストライプが描かれている。随所に無垢の木材が使われており、贅沢なカットスペースを演出。アンティークの引き出しとも違和感なく調和している。

カットルームの背面に使われる壁紙も’50年代のヴィンテージ。鏡に写ったカットのラインを見やすいように縦縞になっているということからバーバーズ・ストライプと呼ばれている。

いまは無きアイダホのバーバーで使われていたというシカゴのTHE O-A-KOCHS社のバーバーチェア。きれいにレストアされているが100年前に作られているというから驚きだ。

バーバーチェアのヘッドレスト下部に注目。ポマードや皮脂などが付かないようにするためのロールペーパーが残っている。現代にはない仕様が見られるのもアンティークの楽しみ方のひとつ。

別室のシャンプールームには、デンマークのアンティークという重厚感たっぷりのキャビネットが置かれる。使い終わったタオルを入れるための扉に穴を開け、バーバー仕様にカスタムしている。

当時のペンキがそのまま残るドアありきで作ったヘッドスパルーム。味わい深くやれた雰囲気の時計はGeneral Electric社製。ガラスにはゴールドリーフで描かれた店名が入っている。

待合室には、ウッドと重厚な鉄で構成されたベンチが置かれる。かつてアメリカの映画館で使われていた年代モノだ。棚に置かれた小物や額縁などからもセンスのよさを感じる。

待合室とカットルームを仕切る壁にはウィリアム・モリスの壁紙が。「これは旧くないのですが、アンティークとも相性がいいので、このゴールデンリリー柄をどうしても使いたかったんです」という風見氏。

お客さんがバッグや小物などを保管できるよう設置されたロッカー。ヴィンテージならではの木目が美しく、当時の鍵も残っている逸品。窓枠も1900年代頃のモノをきれいにはめ込んでいる。

キャッシャーは1900年頃のNATIONAL社製。真鍮製のため当初は光っていたが、現在では鈍い色に経年変化したという。日本の小学校で使われていたという肋木を壁際にレイアウト。使い勝手もよく、インテリアとしても

DATA
千葉県流山市駒木356-2 LYSE BLA 103
Tel.04-7161-1656
営業:10:0020:00(平日)、9:3019:30(土日祝)
休み/火曜、第3水曜
http://www.cloquet.jp

※写真は取材当時のものです。現在とは異なる場合があります。

(出典/「バーバーインテリア」)

この記事を書いた人
サカサモト
この記事を書いた人

サカサモト

アメカジ系動画ディレクター

Lightning、2nd、CLUTCH Magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」のディレクター。元Lightning副編集長ということもあり、クルマ、バイク、ミリタリーなど幅広い分野に精通。現在はもっぱら動画作成機材に夢中。ニックネームは、スキンヘッドにヒゲ面をいう「逆さ絵」のような顔に由来する。
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